コメディアンラッセル・ブランド(48)が、かつて複数の女性達に性的暴行を加えていたとして告発された。一連の報道を受け、YouTubeがラッセルの動画配信による収益化を停止したと発表した。また英『BBC』『Channel 4』は、インターネット視聴サービスから過去にラッセルが出演した番組を削除している。一方でラッセルは、英国ツアーの残り3日間の日程をすべてキャンセルすると公表した。

英公共テレビ局『Channel 4』が現地時間16日に放映したラッセル・ブランドに関するドキュメンタリー番組『Russell Brand: In Plain Sight』では、複数の女性達が2006年から2013年の間にラッセルから受けた性被害を告発した

当時16歳だったという女性は、ラッセルの車が学校まで迎えに来て、米ロサンゼルスにある彼の自宅に連れて行かれたと主張していた

一連の報道を受け、動画配信サービスYouTubeは、ラッセルが自身のチャンネル「Russell Brand」で広告収入を得られない措置を取ったことを発表した。

YouTubeの広報担当者は、「クリエイターの責任に関するポリシーに違反したとして、ラッセル・ブランドのチャンネルの収益化を停止しました。クリエイターのプラットフォーム外での行動が、私達のユーザー、従業員、エコシステムに害を及ぼす場合、私達はコミュニティを守るために行動を起こします」と述べた。

ラッセルは今後もYouTubeに動画を配信することは可能だが、広告収入を得ることができなくなった。

YouTubeによる決定は、ラッセルが所有または運営しているすべてのチャンネルに適用されるという。ラッセルは660万人超の登録者を持つメインチャンネル「Russell Brand」のほか、「Awakening With Russell」「Stay Free With Russell Brand」「Football Is Nice」を運営しており、これら3チャンネルの登録者は合わせて50万人近くになる。

ソーシャルメディア分析会社「CORQ」の最高経営責任者サラ・マッコーコデール氏は、ラッセルはYouTubeで動画1本あたり約2000ポンド(約36万5000円)から4000ポンド(約73万円)の収益を得ていたと推測している。

同氏は「彼はおそらく、ほかのどのプラットフォームよりもYouTubeから多くの収益を得ていたでしょう」と述べ、こう続けた。

「すべては、彼のYouTubeチャンネルに誘導するために存在していました。おそらく重要な収入源だったのでしょう。それが今では停止されてしまったのです。」

そしてYouTubeが収益を停止したことについて「多少の影響はある」としたうえで、「彼の視聴者は、現在も登録したままです。彼らは非常に情熱的で、ラッセルのコンテンツを求めています」と付け加えた。

ラッセルの性加害疑惑を受け、英『BBC』はインターネット経由のテレビとラジオ視聴サービス「iPlayer」とストリーミングサービス「Sounds」から、ラッセルが出演した番組のエピソードをいくつか削除した。

さらに英公共テレビ局『Channel 4』とケーブルチャンネル『Comedy Central』も、ラッセルが出演したコンテンツを削除している。

現地時間17日にロンドン警視庁は、2003年にロンドンのソーホー地区でラッセルから性暴力を受けたという女性の被害届を受理したことを発表した。

その直後、ラッセルが英国ツアー『Bipolarisation』の残り3日の日程をすべてキャンセルすることを公表した。ツアーは依存症で苦しむ人々を支援するためのチャリティイベントで、今月19日にはウィンザー、22日にプリマス、28日にはウルヴァーハンプトンで公演する予定だった。

ラッセルのツアーの広報担当者は「私達は、残り少ないショーを延期します。こんなことはしたくありません。でも、みなさんが理解してくれることは分かっています」と伝えた。

画像2枚目は『Russell Brand YouTube』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 寺前郁美)

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