9月15日放送のニュース番組「ABEMAヒルズ」にて、9月24日(日)昼2:00よりABEMA PPV ONLINE LIVEにて全試合生中継される日本最高峰の格闘技イベント「RIZIN.44」に出場する総合格闘家の征矢貴(そやたかき)選手を特集し、原因不明の難病のクローン病を発症した当時の心境と、1週間後に控えた「RIZIN.44」に向けた意気込みを取材した。

【写真】“松戸の不死鳥”とも呼ばれる征矢貴選手

「ABEMAヒルズ」は、ランチタイムに知りたい最新ニュースをまとめて公開する1時間のニュース番組で、元SKE48柴田阿弥とフリーアナウンサーの徳永有美がキャスターを務める。

■“松戸の不死鳥

千葉県柏市を拠点にする、通算12勝5敗の総合格闘家の征矢選手は、9月24日(日)に開催される「RIZIN.44」に出場予定のフライ級ファイターで、現在28歳、“松戸の不死鳥”とも呼ばれる彼は、これまで“クローン病”と呼ばれる難病によって、二度の長期休養を余儀なくされている。クローン病とは、消化器官に炎症を引き起こす原因不明の病気で、国内におよそ4万8320人(2019年度時点)の患者がいるが、今も根本的な治療法は見つかっていない。

征矢選手を襲った最初の異変は、2017年の22歳の時にさかのぼる。当時の症状を「最初はシンプルに“トイレが近いな”みたいな。トイレに行っても便意はあるけど、実際には出なくて。何回もトイレに行くわけなんですけど、そこからだんだん腹痛もひどくなってきて、熱も出て」とふり返る征矢選手だが、クローン病と診断されると治療に専念するため休養を発表する。

「ほかにはなにもない、これしかないぞ」と自分に言い聞かせていた征矢選手は、驚異的な回復を見せ、最初の休養発表から2年後の2019年6月にRIZINの舞台に復帰し、みごとなKO勝ちを収めた。

しかし、喜びもつかの間、征矢選手に再び試練が訪れる。翌年の2020年にヘルニアと脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)を発症し、2021年にはクローン病が再発し、またしても入院を余儀なくされる。「正直、この時はきつくて、とにかく健康になりたいと神に祈っていたのを覚えていますね」と征矢選手は当時を思い出し、言葉をもらした。

不死鳥のごとくリングに戻ってくる征矢貴選手

21歳の若さで亡くなった妻の、最後まで生きることをあきらめなかった姿勢とファンの声に支えられ、征矢選手は2022年4月にRIZINの舞台に再度、復活し、またもKO勝ちを収め「僕は不死身ですので」と言葉を残した。

そして迎える2023年9月24日(日)は、あこがれの“格闘技の聖地”さいたまスーパーアリーナで、自身5度目のRIZINの舞台に立つ。「僕が活躍することで“勇気をもらえた”とか、“同じ病気だけど、僕もがんばります”と言ってもらえるのは、モチベーションのひとつです。今まで、クローン病で2回、入院しても治してきたという思いもあって、“何回、再発しても俺は戻ってやるぞ”くらいの気持ちで今はいるので。KO勝ちを期待していてください」と意気込みを語った。

何度となく病魔におそわれても、不死鳥のごとくリングに戻ってくる征矢選手の姿に、スタジオコメンテーターの神庭亮介は「ふつうに社会生活を送るだけでも大変なのに、身体的負荷が高い格闘技をやりながら、再発も乗り越えて立ちあがる姿はすごいと思った。体だけでなく、意志の力がなによりすごいと感じた」と征矢選手の格闘技にかける熱い気持ちに感嘆の声をもらしていた。

「ABEMAヒルズ」にて意気込みを語る征矢貴選手/(C)AbemaTV,Inc.