2023年9月30日(土)~10月1日(日)イイノホールにて上演される、演劇プロジェクト・アメツチによる、江戸川乱歩朗読劇 幻調乱歩2『自決スル幼魚永久機関』。この度、シャオリン役工藤晴香と、縣ミドリ椎名へきるの対談が行われた。

本作は劇中の設定である昭和初期をイメージしたレトロで優雅な衣裳を纏ったキャラクター達が、作り込まれたセットと生演奏をバックに演劇のように繰り広げられる群像会話朗読劇。

明智小五郎には仲村宗悟佐藤拓也が扮するほか、作品オリジナルキャラクターのシャオリンは工藤晴香代永翼が演じる。元少年探偵団の女性メンバー花崎マユミを小泉萌香内田彩、明智の師となる岩井三郎には立木文彦安元洋貴が演じる。その他江戸川乱歩原作由来のキャラクター達には速水奨椎名へきる伊瀬茉莉也日笠陽子茅野愛衣ら豪華声優陣が名を連ねた。

工藤晴香が演じるシャオリンは幻調乱歩シリーズのオリジナルとなる探偵で、女性と見間違うほどの美少年椎名へきるの演じる縣ミドリ江戸川乱歩作品の「黒蜥蜴」をモチーフとした諜報員。2人はそれぞれ別々の目的で事件を追うことになる。

椎名へきる×工藤晴香×安藤匠郎(アメツチ) 

■今作は人間関係がわかりやすくまとめられている

椎名椎名へきるです。縣ミドリ役を務めさせていただきます。よろしくお願いします。

工藤シャオリン役の工藤晴香です。よろしくお願いします。

安藤:よろしくお願いします! お二人は前作からの続投組なんですけども、前回との違いはどんなところがあると感じましたか?

椎名:まず最初に、前作(幻燈の獏)の時はたくさんキャラクターが出てきて、割と1人2役もあり……あと、言ってるセリフの内容の中に、江戸川乱歩ファンにはわかるけども、江戸川乱歩ファンじゃない人には何がなんだか……っていうキーワードがものすごく多かったと思うんですよね。
でも今回は人物に関して結構分からない人はちょっと判断がつきづらいところがものすごく整理されていて。今回は江戸川乱歩を知らない方たちでもものすごく人物像がはっきり分かる作られ方をされてたので、 すごくすごくしっかりまとめてこられたな、っていう印象でした。

安藤:確かに今回は……難産でした(笑)。

椎名ふふふふっ。でもものすごくわかりやすかったです。もう乱歩を知らない方でも全然わかるだろうって思います。

安藤:前作も見てない人も来てくださるだろうから、そこのハードルもありますし……。というか、去年の時点で今作の台本読んでたらきっと演技変わりますよね?

工藤:そうなんですよ! 当時この台本とかシャオリンの設定知りたかったって思いましたもん! むしろ!

椎名:ですよね!!

工藤:「えっ、あ、そういうことだったの?!」っていう。そういう設定とかを踏まえて幻燈の獏をやりたかったなっていうのはあります。これを知っていたら当時の演技から全然変わるんだが! っていう(笑)。

■前作と雰囲気の違う今作

安藤:今作に期待することはありますか?

椎名:前回は私(ミドリ)の愛する甘粕正彦も突如として亡くなってるので、 この先この人どうするんだろうっていう最大の疑問から入ったんですけれども。
そこからどうやって展開していくのかなというイメージだったので、ミドリがどんなどんな復讐に走るのかというワクワク感は感じていました。

工藤:そうですよね!! 私は続編のお話をいただいた時に、シャオリンは今まで演じたことのない役柄だったので、すごく嬉しかったですし、探偵というか、 そういう大冒険ができるんだなってすごい楽しみで、嬉しかったですね。神田さんとシャオリンのコンビもすごい好きだったので、私は前回の「幻燈の獏」で、あ、またそういう、コンビ芸っていうのはあれですけど、 そういう面白いやり取りとかがあるのかなって思いきや……っていう。あれれれれれ、どういうこと。っていう ね、そこもまたぜひ、観劇に来てくださるみんなとワクワクを共有できればいいなと思っております。

なお、本公演は劇場での公演に加え、生配信も行われる。

江戸川乱歩朗読劇 幻調乱歩2『自決スル幼魚永久機関』