キアヌ・リーブス扮する伝説の殺し屋ジョン・ウィックの活躍を、ハードなアクションと共に描く人気シリーズ第4弾『ジョン・ウィック:コンセクエンス』が9月22日(金)から公開される。

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4年ぶりの最新作でもかつて忠誠を誓った裏社会と決着をつけて真の自由を手に入れようとするジョン・ウィックの戦いが描かれるように、世界中の殺し屋コミュニティを舞台とした物語が展開する本シリーズ。殺し屋だけが使える施設やサービスが存在するなど、ユニークかつロマンたっぷりに描写されている“殺し屋の世界”について、本稿では様々なルールや勢力関係と共におさらいしていく。

■絶対的な掟が存在する会員制の殺し屋クラブ“コンチネンタル”

1作目『ジョン・ウィック』(14)は、殺し屋稼業から足を洗って静かな生活を送っていたジョン・ウィックが、亡き妻が遺した子犬デイジーロシアマフィアの首領ヴィゴ(ミカエル・ニクヴィスト)のボンクラ息子であるヨセフ(アルフィーアレン)に殺されたことから、怒りの復讐を繰り広げるという内容だ。

個人的な復讐が題材の作品だが、ジョン・ウィックが現場復帰したことでしだいに殺し屋のコミュニティが浮き彫りになっていく。例えば、自宅を襲撃してきたヴィゴの手下を返り討ちにしたジョン・ウィックが電話で“ディナー”の予約をすると“掃除屋”が来訪。死体の処理と現場の清掃を行い、ジョン・ウィックは業界で使える金貨で支払いをする。

また、現役復帰したジョン・ウィック殺し屋御用達の“コンチネンタルホテル”へと足を運び、友人でもある支配人のウィンストン(イアン・マクシェーン)から情報収集し、仕事の拠点としている。

コンチネンタルホテルは、「ホテル内での“仕事”は厳禁」という絶対的な掟で守られた、殺し屋にとっての聖域。しかし、400万ドルの報酬に釣られたミズ・パーキンズ(エイドリアンヌ・パリッキ)は、あろうことか部屋で休養中のジョン・ウィックを襲撃。これは失敗に終わり、のちにウィンストンによって粛清されてしまった。

コンチネンタルの全貌が明らかに!ジョン・ウィックを苦しめる“誓印”とは

1作目の大ヒットを受け、2作目『ジョン・ウィックチャプター2(17)からはグッとスケールがアップし、コンチネンタルが一介のニューヨークのホテルでなく殺し屋をサポートする世界的機関であることが判明する。

ローマコンチネンタルホテルを訪れたジョン・ウィックは、武器をおすすめしてくれるソムリエや防弾スーツを仕立てるテーラー、土地の地理に強い地図屋など、多彩なサービスを活用しながら仕事の準備をしていく。

また、賞金額の設定や組織からの追放といった様々な依頼を電話で受けて世界中に発信する組織の裏方、管理部も本作から登場。電話の交換手がいたりとアナログな世界観がなんともユニークだった。

そんな今作で物語の鍵を握ったのが「誓印は絶対」というコンチネンタルの2つ目の掟。“誓印”とは血の捺印をもって結ばれる契約のことで、相手の依頼は拒否できないというもの。過去にイタリア系犯罪組織“カモッラ”のサンティーノ(リッカド・スカマルチョ)を頼り、誓印を結んだジョン・ウィックは、再び穏やかな日々を過ごそうとしていたところ、サンティーノから断れない殺しを依頼されてしまう。

父の跡を継いだサンティーノの実姉ジアナを抹殺するという仕事をしぶしぶ遂行したジョン・ウィックだったが、逆にサンティーノによって多額の賞金を懸けられ、ニューヨーク中の殺し屋から命をねらわれるハメに…。まさかの裏切りにブチギレのジョン・ウィックは、ニューヨークコンチネンタルホテルに逃げ込んだサンティーノに対し、掟もお構いなしに銃弾をお見舞い。コンチネンタル会員から除籍となり、今度は全世界の暗殺者から標的にされることになってしまう。

■“主席連合”など多彩な組織が登場!思惑が交錯するパワーゲーム

2作目からは“コンチネンタル”以外の組織も登場。カモッラのサンティーノなど世界中の犯罪組織のトップで構成されている“主席連合”、さらに元コンチネンタル会員のバワリー・キング(ローレンスフィッシュバーン)が一代で築き上げたニューヨークの地下を拠点とする独自の組織などが作品に広がりをもたらしている。

3作目となる『ジョン・ウィック:パラベラム』(19)では、主席連合がコンチネンタルをはじめとする様々な組織を支配する存在であることが明らかに。殺し屋世界の秩序を守る裁定人(エイジア・ケイト・ディロン)によって、ウィンストンなどジョン・ウィックに恩赦を与えた人たちが次々と制裁を受けることになるなど、力関係が深く語られていく。

一方、世界の殺し屋全員が敵という大ピンチに置かれたジョン・ウィックは、自身を暗殺者に育て上げたディレクター(アンジェリカ・ヒューストン)率いる“ルスカ・ロマ”と呼ばれる古巣の犯罪組織や、モロッココンチネンタルホテルの支配人で“誓印”の貸しがあるソフィア(ハル・ベリー)など、持っているコネをフル活用。

ついに主席連合の首長(サイード・タグマウイ)のもとへたどり着くと、忠誠心を見せウィンストン殺害を命じられるが、結局は反旗を翻し、聖域から解除されたニューヨークコンチネンタルホテルでシャロン(ランスレディック)らコンシェルジュ軍団と共に主席連合の刺客たちを撃退してみせた。

しかし、支配人としての権力を取り戻すべく裁定人と協議を交わしたウィンストンに裏切られ、ホテルの屋上から突き落とされてしまったジョン・ウィック。死んだかと思われたものの、バワリー・キングの側近に助けられていたというところで物語は幕を閉じた。

■最新作では日本は大阪の裏社会も登場!

そしてニューヨークに加え、パリ、ベルリン、大阪を舞台に物語が繰り広げられる最新作『ジョン・ウィック:コンセクエンス』。

組織内での権力を得た主席連合の若き高官のグラモン侯爵(ビル・スカルスガルド)は、ジョン・ウィックを守ってきたニューヨークコンチネンタルホテルを爆破。さらにジョン・ウィックの旧友である盲目の達人ケイン(ドニー・イェン)を引き入れ、ジョン・ウィック狩りに乗りだしていく。そんななかジョン・ウィックは、日本の友人シマヅ(真田広之)の協力を求め、大阪のコンチネンタルホテルを訪れる。

2作目から続く、組織のしがらみから抜け出し、平穏な日々を取り戻そうとするジョン・ウィックの戦いがさらにパワーアップして描かれる最新作。多くのキャラクターに加え、新たな場所も登場しており、どんなユニークな裏社会の描写が楽しめるかにも注目だ。

また、ニューヨークコンチネンタルホテルについての前日譚ドラマ「ザ・コンチネンタル:ジョン・ウィックの世界から」(全3話)が、映画公開と同日の9月22日(金)からAmazon Prime Videoで配信されるので、こちらもチェックすれば、殺し屋ワールドを存分に楽しめることだろう。

文/サンクレイオ翼

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