大丸松坂屋百貨店は、ユニークで文化価値のあるアートワークをプロデュースすべく、世界で通用するアーティストになる為の起点をサポートするアーティスト育成プロジェクト「Ladder Project(ラダー・プロジェクト)」を10 月28 日(土)から開始します。このプロジェクトは、AIが効率的な価値をつくっていく未来において、より求められるであろう感情的、情緒的な価値を体感できる百貨店を目指し、取り組むものです。Ladder Projectとは「次世代のアーティストと世界をつなぐ架け橋」を意味します。この度プロジェクトの第一弾として、国立京都国際会館ほかにおいて有望な2人のアーティストの作品を展示いたします。

  • プロジェクト設立の背景

アーティストが安定的な評価を確立していくには、キュレーターなどアートの専門家たちがてがけるミュージアムや国際芸術祭などでのキャリアを重ねていくことが重要です。

その中で近年、国際的な展覧会や芸術祭では、インスタレーションと言われる空間全体を使うような壮大な作品が求められるようになってきました。しかし、そういった作品がマーケットで売買することは非常に少なく、また発表にむけて十分な制作資金を得られない場合もあります。そのため、ミュージアムや国際芸術祭などで評価を高めていくことと、その両者を金銭面で両立させることが難しい場合も多くあります。

こうした事情が続けば、売れやすい作品にばかり経済性が伴い、芸術性の探求を行うモチベーションや環境に深刻な影響を及ぼしかねません。そういった構造のねじれを解決するべく、これから世界で活躍することが期待されるアーティストを支援する「Ladder Project(ラダー・プロジェクト)」を設立しました。

第一弾となる今回は、国際舞台を視野に入れた新作制作と、海外からも多く訪れるArt Collaboration Kyotoでの作品発表を支援することとなりました。

  • 第一弾は2人の有望なアーティストを支援、Art Collaboration Kyoto※開催期間にあわせて展覧会を開催

こういった背景から大丸松坂屋百貨店は、2023年10月京都で開催されるArt Collaboration Kyoto(以下ACK)を契機とし、キュレーター山峰潤也氏の企画監修のもと、コマーシャリズムのみにとらわれない独自の表現を開拓し、多様な価値が見出されていく時代を歩むアーティスト、スクリプカリウ落合安奈氏、玉山拓郎氏を選出。2人の新作をACKにて展示発表します。

1)スクリプカリウ落合安奈

1992年埼玉県 生まれ。

2016年東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻卒業(主席・美術学部総代)。同大学大学院彫刻専攻博士課程に在籍。

日本とルーマニアの 2つの母国に根を下ろす方法の模索をきっかけに、「土地と人の結びつき」というテーマを持つ。国内外各地で土着の祭や民間信仰などの文化人類学的なフィールドワークを重ね、近年はその延長線として霊長類学の分野にも取り組みながら、インスタレーション、写真、映像、絵画などマルチメディアな作品を制作。「時間や距離、土地や民族を越えて物事が触れ合い、地続きになる瞬間」を紡ぐ。

[主な展覧会]

MOMAS コレクション「MOMAS ノ海」(埼⽟県立近代美術館、埼⽟、2023)、「TERRADA ART AWARD 2021 ファイナリスト展」(鷲田めるろ賞受賞、東京、2021)「Blessing beyond the borders ―越境する祝福―」(埼⽟県立近代美術館、埼⽟、2020)、「Y.A.C.RESULTS 2020」(ルーマニア国立現代美術館、2020)、 都美セレクション グループ展 2019「星座を想像するように-過去、現在、未来」(東京都美術館、東京、2019)、世界遺産フランスのシャンボール城(2018)やベトナムのホイアン(2019)など世界各地で作品を発表。

Scripcariu-Ochiai Ana photo by Nakazato Kotetsu

2)玉山拓郎

1990年岐阜県生まれ。東京都在住。

愛知県立芸術大学を経て、2015年に東京藝術大学大学院修了。

身近にあるイメージを参照し生み出された家具や日用品のようなオブジェクト、室内空間をモチーフに、鮮やかな照明や映像、音響を組み合わせたインスタレーションを制作。空間に対し作品を大胆に介入させることによって、鑑賞者の身体感覚や知覚へと揺さぶりをかける。

[主な展覧会]

Something Black」(ANOMALY、東京、2023)、「六本木クロッシング2022展:往来オーライ!」(森美術館、東京、2022-2023)、「NACT View 01:玉山拓郎」(国立新美術館、東京、2022)、「Anything will slip off / If cut diagonally」(ANOMALY、東京、2021)、「開館25周年記念コレクション展 VISION Part 1 光について / 光をともして」(豊田市美術館、愛知、2020)など。

Tamayama Takuro photo by Omachi Kohei(W)

yamamine junya@matsuoka ittetsu

山峰潤也 キュレーター/プロデューサー

株式会社NYAW代表取締役

東京都写真美術館、金沢21世紀美術館水戸芸術館現代美術センターにて、キュレーターとして勤務したのち、ANB Tokyoの設立とディレクションを手掛ける。

その後、文化/アート関連事業の企画やコンサルを行う株式会社NYAWを設立。

主な展覧会に、「ハロー・ワールド ポスト・ヒューマン時代に向けて」、「霧の抵抗 中谷芙二子」(水戸芸術館)や「The world began without the human race and it will end without it.」(国立台湾美術館)など。

また、avexが主催するアートフェスティバル「Meet Your Art Festival “NEW SOIL”」、文化庁サマーソニックの共同プロジェクトMusic Loves Art in Summer Sonic 2022、森山未來と共同キュレーションしたKOBE Re:Public Art Projectなどのほか、雑誌やテレビなどのアート番組や特集の監修なども行う。また執筆、講演、審査委員など多数。2015年度文科省学芸員等在外派遣研修員。

※ACK(Art Collaboration Kyoto)とは

現代アートとコラボレーションをテーマにした日本最大級の国際的なアートフェア。

総勢64のギャラリーが国内外から参加する「ギャラリーコラボレーション」と「キョウトミーティング」の2つのセクションに加えて、「Visions of a Torn World:循環と共存」をテーマに設けて展開する「パブリックプログラム」、「ACK Talks」、「ACK Kids’Programs」などのプログラムを実施。

<ACK開催概要>
開催日程:一般公開 2023年10月28日(土)−10月30日(月)

内覧会 10月27日(金) ※報道関係者と招待者のみ

開催時間:10月28日(土)12:00-19:00、10月29日(日)11:00-19:00、10月30日(月)11:00-17:00 ※最終入場は閉場の1時間前まで

会場:国立京都国際会館(京都市左京区宝ヶ池)ほか

出展ギャラリー数:64(国内35、海外29、うち初出展33)

主催:Art Collaboration Kyoto 実行委員会

京都府一般社団法人日本現代美術振興協会、一般社団法人日本現代美術商協会、一般財団法人カルチャー・ヴィジョン・ジャパン、京都商工会議所、公益財団法人京都文化交流コンベンションビューロー

配信元企業:株式会社 大丸松坂屋百貨店

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