北朝鮮の偉い人が、ロシアから北朝鮮に帰った。一人だったのか、何人か影武者でシフトを組んだのかは下々の者には明らかにされない。

 ロシアからは、きちんとミサイルが飛ぶような技術提供というお土産をもらって、ちょっとホッとしているかもしれない、もちろん影武者にはそんな思慮は必要ないが。

 ロシア滞在中、偉い人は、ロシアの宿泊施設を利用しなかった。乗っていった専用列車の中で過ごした。 コロナ禍前の2019年4月に訪問した時は、ウラジオストックの極東連邦大学内の施設を利用している…この4年の間になにが起こったというのか。 確かに専用列車の中は、超豪華キャンピングカーよりも快適に過ごせる環境にはなっているはずだ。必要なものは、一声でかなえられる。 そして、徹底した警護とセキュリティー機能を備えている。警護のために…ものすごい銃で撃たれても、跳ね返すように分厚い装甲に包まれている、安全ちゃあ安全。

 ロシアは今、ウクライナと戦っているが、偉い人が泊まる施設はそんな危険な場所にはない。プーチン大統領が戦時下でもあくまでも普通に安全に暮らしていられることを見ると、北朝鮮の最要人が危険な目にあうような場所には泊まらせることはないだろう。 けれど、結果として、会談先、視察先に出向く以外の時間はもよりの駅に停車している専用列車に戻るのだ。

 2019年は、本当の本人だったけど…今回は選りすぐられた影武者だから、ロシアの施設に泊まって指紋などを残して法医学的にばれる可能性を恐れたのではあるまいか。一人本人がいて、影武者は列車の中のたこ部屋的な車両に放り込まれる。いやいや、本人は来ていなかったとか。 まあ、北朝鮮にとってメリットのあるお土産がもらえればよいだけ。それは、北朝鮮からもっていったお土産と交換という出来レースだから、会うだけは会うだっただけなのか。

 それとも。究極のところ、北朝鮮の一番偉い人は、専用列車を作るくらい鉄オタだったりして。

 プーチン大統領だって、そもそも本人かどうかわからないからな。

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