実際に見た夢を「悪夢シリーズ」として描く、(お)さかなのすりみ(@sago_okappa)さん。背後から襲われ、口の中から味覚を搾取される「味覚の悪夢」や「手の悪夢」などシリーズが続く人気作だ。今回は、髪の毛が伸びたのでそろそろ切りに行かなくちゃ、という深層心理が悪夢となって現れた「髪の悪夢」をお届けする。

【漫画】「髪の悪夢」を読む

■実際の悪夢体験をショート漫画として残している

本作は、物語の最後にすべての出来事が夢だったという“夢オチ“で終わるが、(お)さかなのすりみさんが実際に見た夢を具現化している。今回は漫画の題材にもなる夢について、詳しい話をうかがった。

――普段から怖い夢を見ることが多いそうですが、潜在意識にあるものが形になっていることが多いですか?

はい。直近であった出来事、記憶に影響された悪夢を見ることが多いです。怖い思いをしたり、嫌な思いをしたり、新しい場所に行ったりした内容が反映されているみたいです。風邪をひいたときなど、体調に影響を受けて悪夢を見ることもあります。

――怖い夢を漫画にすることに対しての怖さはなかったですか?

ありました!描いている間は、悪夢の内容を思い出して漫画に起こさなければならないので…でも、悪夢を漫画にすることで、悪夢への嫌悪感や恐怖を自分から切り離してコンテンツ化できるので、恐怖に対する当事者意識が薄れます。精神衛生上、良いです。悪夢を漫画にすると、そういうメリットがあります(笑)。

――見た目から異形が怖い姿をしていますね。すりみさんの見る悪夢は、よく囲われるような姿があります。すぐそばにいる、というのはかなり怖いと思いますが、ご自身ではなんでだと思いますか?

わかりません!変な寝相で寝ているからでしょうか…。

――今まで投稿したなかで一番反響が大きかった悪夢シリーズは、どれですか?

「味覚の悪夢」です!これは、pixivで一番ブックマーク数が多いです。もともと、どの悪夢漫画も自己満足で描いたものだったので、見てくださる方がいることに未だに驚いています。ありがとうございます。

――シリーズが少しずつ展開されて、読者としてはうれしいです。まとめて一冊にされる予定はありますか?

現時点で、SNSでは未公開の話も収録した『悪夢』『悪夢Ⅱ』の二冊をイベントやBOOTHで頒布しています。多分、続刊はそのうち出ます(笑)。

眠りが浅い状態だと、人は夢を見るという。元々夢見が悪く、夢をある程度コントロールしようと頑張っている、すり身さん。しかし、悪夢を見てしまう日はあるという。怖すぎる体験は、むしろ夢でよかったと言えるが、登場する異形の姿形や物語のストーリーはほとんど変えずに描かれているので、他人の夢とはいえ漫画として読むだけでもゾッとする。

■取材協力:(お)さかなのすりみ(@sago_okappa)

髪を切ってと頼まれたはず…!?/画像提供:(お)さかなのすりみ(@sago_okappa)