アメリカ・コロラド州で、飼い猫がアマゾンの配達員に連れ去られるという事件が発生した。
その配達員は、知り合いのいなくなった飼い猫がその猫に似ていると思い連れ去ったようだが、最終的に別の猫だと気付き、飼い主のもとへこっそり猫を戻しに行ったようだ。
行方不明となっていた1週間、猫に何があったのか。毛並みには艶もなくやせ細り、健康状態が悪化した状態で戻ってきた猫を見た女性は、配達員に激しい怒りを感じている。
Woman Claims Amazon Worker Stole Pet Cat During a Delivery
8月20日、コロラド州オーロラ在住のチェルシー・オークスさんは、飼い猫パイロ(オス)をAmazonの配達員に連れ去られるという信じられない経験をした。
パイロは、アマゾンが荷物を届けに来たちょうどその時前庭に出ており、人懐こく配達員に近づいて行った。
リングドアベルカメラには、しゃがんでパイロを撫でている男性配達員の姿が映っている。
男性は、荷物を届けて戻って来た同乗の女性配達員に、「この猫、友達の行方不明になった猫にそっくりだ」と話しかけている。
数分後、木のそばで誰かに電話をしている男性配達員のところへ、パイロがまた近づいて行った。
男性は、パイロを抱え上げると、そのまま配達車に乗せ連れ去った。
飼い主はすぐにAmazonへ連絡
パイロがいなくなり心配したチェルシーさんは、野外に設置されている監視カメラを確認してみた。
すると、そこには、パイロを連れ去っていく男性配達員の姿が。チェルシーさんは、すぐにAmazonに連絡し、事情を説明して、この配達員の追跡情報を求めた。
その後、するとAmazonからメールで次のようなメッセージが届いた。
ご家族の皆様には、飼い猫の件でご迷惑をおかけして本当に申し訳ありません。パイロが、できるだけ早くご家族の元に戻されることを願っています。
現在、地元の配達局と協力し、この問題を徹底的に調査し、適切な措置を講じているところです。
それまでの間、配達ステーションの管理チームに、事件の証拠となる写真やビデオを共有していただければと思います。
調査にとても重要なものなので、お手数ですがよろしくお願いします。
さらに、Amazonはこのような申し出を提供した。
お客様には、パイロを見つけるために役立つチラシの費用として200ドル(約29000円)分のAmazon ギフトカードをご提供させて頂きたいと思います。よろしければこちらのメールに返信してお知らせください。
私たちは、パイロの居場所に関するさらなる情報を得るため積極的に取り組んでおり、情報が得られ次第、すぐにお知らせさせて頂きます。
その間、チェルシーさんは近所にいた他のAmazonの配達員たちに、猫の居場所の追跡を協力してくれるように頼んだ。
そして、Amazonの監督者であるという人物に連絡を取ると、「ちょうど例の配達員と話したところだ」と言う返事があった。
知人の行方不明になった猫だと勘違いして連れ去った?
パイロを連れ去った男性配達員は、チェルシーさんの近くの地域に住んでいるという。
監督者が彼から聞いた話は、次のようなものだった。
ルームメイトがパイロとよく似た猫を飼っていて、猫を見たとき、てっきり行方不明になっているルームメイトの猫だと思ったから、そのまま連れて帰った。
だが、結局は別の猫だと気付き、もと見た場所に戻しに行った。
それは、パイロが連れ去られてから1週間後のことだった。
変わり果てた姿で戻ってきたパイロ
行方不明になってから1週間後、27日の午後9時ごろ、チェルシーさんは聞きなれた鳴き声を聞いて驚いた。外を見ると、そこには変わり果てた姿になったパイロがいたのだ。
私たちは裏のポーチに座って、夕食の準備をしていました。そしたら突然、パイロの鳴き声が聞こえてきたんです。
カメラを見たら、通りの端にヘッドライトがついた車があるのがわかったのですが、車は通りに出てきて旋回しなかったので、人の顔は見えませんでした。
でも、その人物がパイロを戻しに来たのです。
おそらく、その人物はパイロを連れ去った配達員の男性だろう。
1週間ぶりに再会したパイロの状態は、ひどかったという。
痩せこけて背中の椎骨一つ一つが見えました。脇腹はへこみ、肋骨や腰の骨が浮いていました。
それに足を引きずっていました。瞳孔は非常に大きく、目の色さえ見えませんでした。実際、家の光が目を痛めたようで、パイロは目を細め続けました。
おそらくもらったごはんは、1週間でボウルに2杯くらいじゃないでしょうか。(チェルシーさん)
動物病院で治療を受けたパイロ
チェルシーさんは、大切な飼い猫をこのような状態にした人物に激しい怒りを感じている。
獣医師の診察には91.56ドル(約13500円)かかり、チェルシーさんはAmazonがその費用を負担してくれることを望んでいる。
私は、Amazonに状況全体の責任を負ってほしいと思っています。
彼らは運転手が何をしたか知っています。私が提供したビデオも、Amazonは証拠として持っています。
動物病院でかかった費用も、払ってもらいたいです。
もし、あの日男性配達員がいなかったら、私の猫はこんなふうに怪我をしたり病気になったりすることはなかっただろうから、それを思うと怒りしかありません。
パイロが戻ってきてくれたことは何よりの喜びだが、「心配」とチェルシーさんは語っている。
パイロは、もう以前と同じ猫ではありません。連れ去られる前のパイロは、こんな状態じゃなく、とても元気でした。
でも今は、弱っていて、健康状態が悪化しています。
もう飼い主の私たちに、抱かせてくれなくなりました。抱き上げることもさせません。
私がパイロに薬を飲ませようとしたとき、私に向かってうなり声をあげました。
普段、めったにそんな態度はしなかった。でも今は、そこに座ってただ震えているだけになってしまいました。
Amazon側は
パイロが無事に戻ってきたとのこと、なによりです。配達員の勘違いで、このような事態になってしまったことを、お詫び申し上げます。
今後、できる限りの支援をさせて頂けるようパイロの飼い主と連絡を取っています
とメディアに声明を出している。
この1件を知った人からは、「なぜ連れ去る前に家の人に確認しなかったのだ?」、「これは誘拐と虐待だよ!」、「首輪をしていなかったようだし、屋外をうろついていて、野良と勘違いされても仕方なかったのでは?」、「勘違い、ではすまないだろう」、「仮にルームメイトに似ている猫が野良猫だと勘違いしたとしても、餌も与えず健康状態を悪化させていたのなら、間違いなく虐待だ」、といった声が寄せられている。
References:written by Scarlet / edited by parumo
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