さまざまなモノの値上がりが続くなか、庶民の味方「カップ麺」も、20円、30円と少しずつ値上がりしています。

 実際、今年(2023年)6月には日清食品の「カップヌードル」が214円から236円へと22円アップ。そのほか、各社、高級系ラーメンや名店とのコラボラーメンを出したり、定番ラインナップをリニューアルしたりと、なんだかんだと理由をつけて値段を上げているのです。

 そんな中、リーズナブルなままのカップ麺もあります。それがコンビニ各社のオリジナル・カップ麺です。なんとこの時代に、まだ150円以下で購入できるんですよ。筆者はファミマやセブンのコンビニカップ麺をいくつか食べましたが、安いからといって決して味が劣るわけではありません。

 例えばセブンオリジナルの「シーフードヌードル」はカップヌードルの「シーフードヌードル」に非常によく似ているし(名前もほぼ同じ)、ファミマの「海鮮ちゃんぽん」も、リンガーハットの「長崎ちゃんぽん」のスープを感じさせる味わい。

 とはいえ、漫然と食べているだけでは、どれが本当に美味しいかわかりにくいのも事実。そこで今回は、5人でセブンとファミマのオリジナルカップ麺を同系統の味同士で食べ比べてみることにしました。すると、意外な事実が見えてきたんです。

ROUND1. 醤油ラーメン対決!

左がセブンの「醤油ヌードル」、右がファミマの「背脂風中華そば」
左がセブンの「醤油ヌードル」、右がファミマの「背脂風中華そば」

 まずは、セブンの「醤油ヌードル」とファミマの「背脂風中華そば」から食べ比べてみます。スペックは以下のとおり。

・セブンの「醤油ヌードル」149円・81g・354kcal
ファミマの「背脂風中華そば」150円・74g・333kcal

 規定どおりの熱湯を注いで3分待ち、フタを開けた状態がこちらの画像です。

セブンの「醤油ヌードル」は具材が多い。右のファミマ「背脂風中華そば」は具材が少なめだが…
セブンの「醤油ヌードル」は具材が多い。右のファミマ「背脂風中華そば」は具材が少なめだが…

 写真のとおり、セブンの「醤油ヌードル」は具材がたっぷり。ビジュアル的には日清のカップヌードルにそっくりなことがわかると思います。

 一方、ファミマの「背脂風中華そば」は、セブンに比べて具材は少なめですが、小さなナルトが可愛く、オリジナリティにあふれています。では味はどうでしょうか。いざ実食してみます。

スープの色に注目! 左がセブンの「醤油ヌードル」、右がファミマの「背脂風中華そば」
スープの色に注目! 左がセブンの「醤油ヌードル」、右がファミマの「背脂風中華そば」

 まずセブンの「醤油ヌードル」は縮れ麺です。そしてスープチキンエキスとポークエキスの醤油味。何もかも「カップヌードル」に似ています。実際、味もほぼコピーしているのですが、本家に比べるとやや薄味です。

 一方のファミマの「背脂風中華そば」はストレート麺。スープは濃い醤油味で、後入れの「香味油」(背脂に近いイメージ)の旨味が効いていて、例えるなら町中華の昔ながらの醤油ラーメンのような味わいです。

 5人で試食した結果、4vs1でファミマの「背脂風中華そば」に軍配が挙がりました。具材は少ないものの、麺のつるつるした口当たりと、背脂入りのこってり醤油スープの旨味が後を引くんです。150円でこのクオリティはスゴい。

 一方、セブンの「醤油ヌードル」は、カップヌードルに寄せようとしすぎた弊害なのか、やや化調の味が前面に出ている印象。途中で飽きてしまうという声が多くあがりました。ただ、1人、「カップヌードルを買うより安いので許せる」という意見も。

ROUND2. シーフード系対決!

左はセブンの「シーフードヌードル」、右はファミマの「海鮮ちゃんぽん」
左はセブンの「シーフードヌードル」、右はファミマの「海鮮ちゃんぽん

 続いて、海鮮系のカップ麺対決です。セブンは「シーフードヌードル」、ファミマには同名の商品がないので、それに該当すると思われる「海鮮ちゃんぽん」にしました。ではスペックから。

・セブンの「シーフードヌードル」149円・75g・322kcal
ファミマの「海鮮ちゃんぽん」150円・77g・336 kcal

 規定どおりの熱湯を注いで3分待った状態がこちら。

セブンの「シーフードヌードル」はタコ、ファミマの「海鮮ちゃんぽん」のエビが入っている。これが味にどう響くか…
セブンの「シーフードヌードル」はタコ、ファミマの「海鮮ちゃんぽん」のエビが入っている。これが味にどう響くか…

 具材の量はさほど変わりませんが、具材の種類が異なります。

・セブンの「シーフードヌードル」⇒タマゴ、タコ、キャベツ、ネギ
ファミマの「海鮮ちゃんぽん」⇒エビ、コーン、かまぼこ、キャベツ

 そして、スープは、セブンの「シーフードヌードル」は海鮮塩味、ファミマの「海鮮ちゃんぽん」は、海鮮とは言いつつとんこつスープ味です。

左がセブンの「シーフードヌードル」、右がファミマの「海鮮ちゃんぽん」。スープの色が違うのは、左は海鮮塩味で、右はとんこつスープだから
左がセブンの「シーフードヌードル」、右がファミマの「海鮮ちゃんぽん」。スープの色が違うのは、左は海鮮塩味で、右はとんこつスープだから

 セブンの「シーフードヌードル」は、これまたカップヌードルのシーフードによく似た味。ポークチキンに海鮮エキスが溶け込んでいて味は薄め。それと、具材の海鮮はタコなのですが、その味も弱い。そして麺は醤油ヌードルと同じ縮れ麺。ただ、麺にも醤油味が染み込んでいるのか、麺の味自体がしょっぱいです。

 一方、ファミマの「海鮮ちゃんぽん」は、海鮮ダシととんこつの白濁したスープで、コクがあってまろやか。そこに後入れのエビ香味油が効いていて、具材のエビともどもダブルで風味が豊かです。さらに中太のストレート麺がつるつるして口当たりよく、かなり完成度の高いカップ麺です。

 というわけで、5vs0でダントツファミマの「海鮮ちゃんぽん」に票が集まりました。個人的にも、これは実は何度もリピ買いしていた商品。本当にオススメです。

ROUND3. 担々麺対決!

左がセブン「スープが決め手 担々麺」、右がファミマ「濃厚旨辛 坦々麺」。
左がセブン「スープが決め手 担々麺」、右がファミマ「濃厚旨辛 坦々麺」。

 最後は「担々麺」対決です。こちらもスペックから。

・セブン「スープが決め手 担々麺」149円・90g・387kcal
ファミマ「濃厚旨辛 担々麺」150円・83g・384kcal

 熱湯を注いで3分後の状態がこちら。

セブンの担々麺(左)は、後入れの液体スープが入っており、それを最後にかけます。ファミマ(右)は、後入れの調味油が容器の上に付属しており、同じくこれを最後にかけます。
セブンの担々麺(左)は、後入れの液体スープが入っており、それを最後にかけます。ファミマ(右)は、後入れの調味油が容器の上に付属しており、同じくこれを最後にかけます。

 具材の量はさほど変わりませんが、右のファミマの「担々麺」の肉は大きめでいかにも美味しそうです。

 スープの味も全然違います。セブンの「担々麺」は、後入れの液体スープに練りごまが含まれているので、スープ全体が白濁します。そしてその濃厚な練りごまの甘みとまろやかさが強く、日本人好みにアレンジした担々麺といった印象。辛さは弱いですが、縮れ麺にスープがよく絡み、バランスは良い感じです。

 一方、ファミマ担々麺は、どちらかといえばすっきり系のスープ唐辛子の辛さと山椒のシビれ感が強めで、ゴマの風味もちゃんとありますが、練りごまの感じではありません。このすっきり系の担々麺に、中太のストレート麺がよく合います。ファミマのは本場・四川の担々麺といった本格派なイメージです。

セブンの担々麺は、練りごまのまろやかさが特徴。ファミマの担々麺は、唐辛子と山椒の強さが特徴。
セブンの担々麺は、練りごまのまろやかさが特徴。ファミマ担々麺は、唐辛子と山椒の強さが特徴。

 この2つの担々麺も好みが分かれるところですが、3vs2でファミマのすっきり系「担々麺」のほうに軍配が上がりました。

まとめ

(食楽web)
(食楽web)

 食べ比べてわかったことは以下のとおりです。

・セブン:
日清の「カップヌードル」や「シーフードヌードル」に何とか寄せようと努力した結果、なんか物足りないと思ってしまう味わい

ファミマ
町中華や長崎ちゃんぽん、本場四川の担々麺などを目指し、独自の方向性で開発した。そんな努力が感じられるカップ麺

 というわけで、今回は3つともファミマに軍配が上がりましたが、当然、好みもあると思いますし、こうして食べ比べなければ、筆者はセブンのカップ麺も美味しい! と思って食べ続けていたと思います。みなさんもぜひ好みのオリジナルカップ麺を探してみてください。安くて美味しいですよ。ちなみに、筆者の推しはファミマの「海鮮ちゃんぽん」。これがダントツでオススメです!

(撮影・文◎土原亜子)

コンビニオリジナルのカップ麺は1個150円以下と圧倒的にリーズナブル! | 食楽web