先週末に行われた第5節では難敵ハマーズに逆転勝利のマンチェスター・シティが開幕5連勝を達成。また、リバプールトッテナムが4連勝、2連勝のアーセナルが2ポイント差で王者をしっかりと追走している。

UEFAコンペティションのグループステージが開幕し、週明けにはEFLカップ(カラバオ)3回戦も控える過密日程の中で行われる今節は、共に4勝1分けと好スタートを切ったノースロンドンの両雄による今シーズン最初のノースロンドンダービーが開催される。

アーセナルは前節、2017年以来勝利がなかった鬼門グディソン・パークでエバートンに1-0の勝利。相手の堅守攻略に苦戦を強いられたものの、FWマルティネッリの負傷で途中投入されたFWトロサールが決めた値千金の今季初ゴールを最後まで守り抜いた。さらに、7シーズンぶりの参戦となったチャンピオンズリーグ(CL)初戦ではPSV相手に決定力、守備、切り替えの精度で大きくクオリティの差を見せつけると、2戦連発のトロサールを含む3トップ揃い踏みで4-0の完勝。CLの舞台でもこれ以上ない最高のスタートを飾り、ホーム開催のダービーマッチに大きな弾みを付けた。

対するトッテナムは前節、昇格組シェフィールド・ユナイテッドとホームで対戦。守護神フォダリンガムを中心とする相手の粘り強い守備と、執拗に時間を浪費するしたたかな戦い方、微妙なレフェリングの影響によって大苦戦。後半アディショナルタイム8分まで0-1のビハインドを強いられて今季初黒星やむなしかに思われたが、途中出場のFWリシャルリソンの1ゴール1アシストの圧巻の活躍によって100分のMFクルゼフスキの逆転ゴールによって2-1の劇的過ぎる勝利を収めた。エミレーツ・スタジアムでのダービーでは長らく勝利がないが、このブレイズ戦の勝利と中7日というコンディション面の優位性を武器に宿敵撃破を狙う。

また、今節はそのノースロンドンダービーと同じ日曜の同時刻にリバプールvsウェストハム、チェルシーvsアストン・ビラという、ビッグ6と強豪クラブによる激戦必至の2つのカードが開催される。

リバプールは前節、ウォルバーハンプトン相手に敵地で低調な前半の戦いを強いられたが、後半にエースFWサラーが相手のオウンゴールを含む全3ゴールをアシストする圧巻の活躍をみせ、敵地で3-1の逆転勝利を収めた。また、先発全員を入れ替えたヨーロッパリーグ(EL)初戦のLASK戦では同じく低調な前半となったが、FWルイス・ディアスがPK奪取、逆転ゴールを挙げる見事な活躍をみせ、リーグ戦と同じく3-1の逆転勝利。今季の公式戦無敗を継続している。なお、LASK戦で先発出場を飾ったMF遠藤航だが、慣れないメンバー構成の影響などもありポジション奪取に向けたアピールはならず。主力復帰が見込まれるハマーズ戦ではベンチスタートが濃厚だ。

一方、対戦相手のウェストハムはシティと対戦した前節を1-3の逆転負けで今季初黒星を喫したが、直近のELではリバプール同様に積極的なターンオーバーを敢行しながらもホームで3-1の逆転勝利。リバウンドメンタリティを示すと共に、期待の新戦力クドゥスに初ゴールが生まれた点も好材料だ。

チェルシーは前節、ボーンマスとのアウェイゲームをゴールレスドローで終えた。ロベルトサンチェス、ネトと両守護神の奮闘がハイライトとなった試合において、やはり前線の決定力不足を露呈し、開幕5試合でわずかに1勝とポチェッティーノ新体制での苦境は続く。そういった中、直近のカンファレンスリーグ(ECL)ではレギア・ワルシャワに敗れる波乱はあったものの、開幕から安定して勝利を重ねる智将エメリ率いるアストン・ビラとの一戦は改めて真価が試される試合に。アストン・ビラは今季ここまでニューカッスルリバプールと強豪クラブとの対戦でいずれも大敗しているが、ブルーズはその2クラブに続き“強者”として難敵撃破なるか。

開幕6連勝を狙う王者シティは、ホームゲームでノッティンガム・フォレストと対戦。前節のウェストハム戦では相手得意のカウンターに屈して先制を許したが、後半に新加入FWドクの初ゴールを皮切りにMFベルナルド・シウバ、FWハーランドと3ゴールを叩き込み、守護神エデルソンの奮闘も光った一戦で鮮やかな逆転勝利。さらに、CL初戦のツルヴェナ・ズヴェズダ戦も思わぬ先制点を許したものの、FWアルバレスの2ゴールの活躍などで同じく3-1の逆転勝利。CL王者の面目躍如となった。ただ、同試合ではベルナルド・シウバがDFストーンズ、MFデ・ブライネ、MFグリーリッシュ、MFコバチッチに続いて負傷者リスト入りしてしまい、今後の過密日程に向けて不安材料に。そのため、フォレスト戦ではドクやMFマテウス・ヌネスといった新戦力に2年目のMFフィリップスら代役候補に今後に繋がるような活躍を期待したいところだ。

公式戦3試合連続3失点以上を喫しての3連敗と苦境のマンチェスター・ユナイテッドは、宿敵シティのレジェンドであるコンパニが率いるバーンリー相手に、連敗ストップと今季初のアウェイ勝利を目指す。リーグ前節はブライトンにホームで1-3の完敗を喫し、得意のホームで初黒星を喫すると、CL初戦のバイエルン戦では試合最終盤のMFカゼミロの2ゴールで意地を見せたものの、新守護神オナナの先制点献上に絡む失策を含む守備の脆さを露呈し、3-4の敗戦となった。

対戦相手のバーンリーはここまで1試合未消化も1分け3敗と厳しいスタートとなっており、その相手に対してアウェイ初勝利を挙げられないと、テン・ハグ監督の立場もやや危ぶまれることになるはずだ。負傷者や規律面の問題で数選手を欠く中、この試合では負傷明けのDFヴァランとMFマウントの復帰が見込まれており、その2選手の復帰を何とか追い風にしたい。

MF三苫薫を擁するブライトンは、前節チェルシー引き分けたボーンマス相手にリーグ3連勝を目指す。前節はいまや完全に“カモ”にしている赤い悪魔に快勝し、ニューカッスル戦に続く強豪相手の連勝に。ただ、クラブ史上初のELではホームでAEKアテネに2-3の敗戦。苦手とする堅守速攻の相手に、セットプレーとカウンターから今季最多タイの3失点を喫した。その激戦から中2日で臨む一戦では、同じくカウンタースタイルのチェリーズにバウンスバックの勝利を掴めるか。また、AEKアテネ戦ではやや消化不良のパフォーマンスとなった三笘には本来の躍動感あるパフォーマンスと決定的な仕事を期待したい。

その他では直近のCLミラン戦を手堅いドローで終えるなど徐々に復調傾向のニューカッスルが、開幕未勝利のシェフィールド・ユナイテッド相手に今季初のリーグ連勝を狙う一戦や、今季初勝利を狙うエバートン、ルートン・タウンらの戦いにも注目だ。

プレミアリーグ第6節
▽9/23(土)
《23:00》
クリスタル・パレス vs フルアム
ルートン・タウン vs ウォルバーハンプトン
マンチェスター・シティ vs ノッティンガム・フォレスト
《25:30》
ブレントフォード vs エバートン
《28:00》
バーンリー vs マンチェスター・ユナイテッド

▽9/24(日)
《22:00》
アーセナル vs トッテナム
ブライトン vs ボーンマス
リバプール vs ウェストハム
チェルシー vs アストン・ビラ
《24:30》
シェフィールド・ユナイテッド vs ニューカッスル