飾らない25歳の等身大の恋愛を描くドラマL「around1/4 (アラウンドクォーター)」(テレビ朝日ほか)が、9月23日(土)の放送で最終回を迎える(※関西での最終回放送日は9月24日)。恋人との不倫関係に悩む橋本明日美(工藤遥)に急接近するカフェバーの店員・洋一を好演しているのが、「原因は自分にある。」(通称げんじぶ)の吉澤要人だ。“アラクオ”の5人とはまた違った立場から物語に加わっていく洋一という役との向き合い方や最終話に向けての見どころ、グループ活動での豊富などを聞いた。

【写真】大人っぽい雰囲気の吉澤要人

■洋一はすごく重要な役割を担っているなと思いました

――ドラマL「around1/4 (アラウンドクォーター)」にてカフェバー店員の洋一を演じられています。洋一というキャラクターの第一印象は?

すごくませてるキャラクターだなと思いました。僕からすると、19歳なのにバーで働いていること自体が大人だなぁと思いましたし、年上の女性に対しても気を遣うことなくずかずかと踏み込んでいくところとかも大人っぽく、自分と似てる部分もあるけど違う部分も多いなと感じました。

――洋一に共感した部分、または自分には無い部分だと感じた部分は?

人と接するときに一歩引いて見てるというか、俯瞰して見てる雰囲気は自分と似ているのかなと思いました。でも自分とは違う部分の方が多かったので、役作りで少しずつ埋めていきました。洋一は言葉足らずなところがあるからこそ、その中で気持ちを伝えていく必要があるので、少ないセリフの中でも声のトーンなどを意識して、どこまで感情を見せるのかというのを考えつつ、監督ともすり合わせていきました。

いい意味でぶっきらぼうを演じているよう”に見せたかったというか、ぶっきらぼうではありますが、自分が子ども扱いされているのが気に食わない感じの子どもっぽさを見せることで、登場人物の中でも唯一19歳という洋一の可愛げのある部分を表現できるのかなと考えていました。

――第5話以降、明日美との距離が急接近しています。全体的に大人なテーマの本作品の中で、洋一としてどのような演技をしていきたいと考えていましたか?

アラクオの5人は元々同じバイト先で仲が良いので、距離感が縮まっていく様子は洋一と明日美さんが一番わかりやすいんです。その点で、洋一はすごく重要な役割を担っているなと思いました。バーの店員とお客さんが急接近していくという、この展開は見ている方の感情を動かすことができるなと思いましたし、最初に洋一をどう見せられるかが勝負だなと感じました。

最初はぶっきらぼうに見えるけど、口を開くごとに洋一の良さが見えていくようにしたいなと思っていたので、序盤の少ないセリフやオーダーを受けるシーンでも、この作品においての洋一の見え方を気にして演じました。

――ぶっきらぼうながらも明日美を想う姿を演じる中で、意識していたことは?

5話の段階ではまだ洋一の気持ちが見えないように、と思って演じていましたが、いざ撮った映像を見てみたら、明日美さんを怒るシーンとか、もう完全に明日美さんのこと好きじゃん!ってなっちゃって(笑)。でもそこが洋一の子どもっぽいところで、大人の女性と対等な接し方をしようと思ってるんだけど、つい感情的になってしまうところがバレバレで可愛い。自分が思い描いていたのとは違う形にはなったのですが、監督からは良かったよと言っていただけました。

人の気持ちを考えず、気遣いもせず、明日美さんにとっては触れづらいテーマの話も平気で振るというのがこの作品では洋一くらいなのかなと思うので、見ているみなさんに情報を与えていく役割ができたらということを意識していました。

――共演者との撮影時のエピソードがあれば教えてください。

藤森さんに「原因は自分にある。」というグループで活動していることをお話ししたら、やっぱりグループ名が特殊だからか「『原因は自分にある。』!?」ってそのままオウム返しで驚いていました(笑)。でも、そういう名前で活動してるの面白いねと言っていただけましたし、ボカロっぽい音楽で歌って踊っていると説明したら、そういうグループはあまりいないから武器だねと言ってくださって。その何日か後に、「あれ、なんだっけ?『きっかけはあなたにある。』だっけ?」と、グループ名が全然合ってないというボケもしてくださりつつ、気さくに話しかけてくださいました。そんな会話ができて嬉しかったです。

工藤さんは、以前げんじぶの他のメンバーが共演させていただいていたので、本読みのときに「杢代(和人)くんと一緒だったよ」と声をかけてくださって、その一言ですぐに壁が無くなりました。役としても、現場でのひと言ひと言にも、すごく支えられていました。

――ドラマL「around1/4 (アラウンドクォーター)」最終話放送に向けて、見どころを教えてください。

第8話までの段階で、洋一のいろんな行動や表情で明日美さんに気があるのかなっていうのは徐々に見えてきたかと思うのですが、言葉には出してなかったんです。それを前回の第9話では、勇気を出してアクションを起こした回でした。そして最終話でも胸キュンシーンがあるので、是非ご覧ください!

■ふとした瞬間にエスコートできる人に憧れます

――第5話では、「何歳からが大人なんですか?ハタチになれば大人なんですか?子どもな人は、何歳になっても子どもだと思いますけど」というセリフがありました。吉澤さんも最近ハタチになったばかりですが、何か心境の変化はありましたか?

ハタチになってからというより、あと1カ月でハタチになるというタイミングで考えてたんです。自分は何も変わらないのに、20歳の誕生日を迎えたらできることも増えて、一気に大人になるっていう仕組みが面白いなって(笑)。ただ、一応18歳で成人はしていたので、肩書きとしてはよくわからない位置にいた19歳のときに、大人って何だろう?大人になるのは寂しいなと考えていました。

昔、「星の王子さま」が好きで。「星の王子さま」では大人になって忘れてしまう子どもの感情とかが描かれていて、自分は大人になっても忘れたくないなと思いながら生きてきました。それが気付いたらもうハタチになって、自分が大人になりきれているのかもわからないですけど、これから大人になっていくのかな?と思います(笑)。

――吉澤さん自身は、どんな人を「大人」だと感じますか?

年齢や性別は関係なく、誰にでも気を遣える人に憧れます。ふとした瞬間にエスコートできる人。その行動が周りに気付かれることがなかったとしても、すごくカッコいいなと思いますし、それを目撃したときってすごくいい気持ちになりますよね。「自分もちゃんとしなきゃ」「見習おう」と思える瞬間を、人に与えられる大人になりたいです。

――今年は舞台、映像あわせて演技のお仕事が続いていますね。演技に対する意識や姿勢で変わってきた部分などはありますか?

一番にあるのは、お芝居するのがどんどん楽しくなってきているということ。撮影現場はもちろん緊張感もあるし、「これをやっていいのかな」っていう迷いがある中で臨むこともあるんですけど、その中で自分が用意してきたことを挑戦的にやってみたり、相手役の方との掛け合いの中で生まれた予想外のものにその場で応えていくみたいな、生で生まれるものを楽しめている感じがあります。

何より、以前よりもっといろんな作品を見て研究するようになりました。このドラマのこのシーンが自分の役と似てるなと思ったら取り入れてみたり、上には上がいる世界だからこそ楽しいのかなって思うし、いつまでも追いかける側でいられて、正解がない仕事ができてるという楽しさを感じています。もっともっといろんな役に挑戦してみたいですし、ドラマ・舞台と様々な場所で活躍できる俳優になりたいです。

――特に最近見て印象的だった作品や俳優さんは?

最近は、阿部寛さんの圧倒的な存在感についてずっと考えています。阿部さんの持っている存在感は真似できるものではないと思いますが、自分との共通点を探すなら「声が低い」という部分があると思うので、セリフの言い回しや間の取り方など、学ばせていただくところが多いです。あとは、目線を逸らさないところだったりとか。年齢は離れている大先輩ですが、自分が大人っぽいお芝居をするときには生かせる部分だと思いますし、お手本にしたい俳優さんです。

――今後、やってみたい役は?

過去にあった出来事をテーマにした作品にずっと挑戦してみたくて、それは9月22日に初日を迎える舞台「あたっくNO.1」で演じさせていただくことになったのですごく気合いが入っています。この舞台をきっかけに、そういった映像作品にも出られたら嬉しいです。僕も学生時代、歴史を学ぶ上で映像を見て知ることが多かったので、そこのスクリーンに映っている人が自分でありたいと思っています。

あとは、サイコパスのような役にもチャレンジしてみたいです。いろんな方に合いそうと言っていただけるんですけど、最近はついに姉にまで言われて(笑)。自分でも合うんじゃないかなと思うので、是非挑戦してみたいです。アメリカのドラマ「YOU ー君がすべてー」はサイコパスで恐ろしいストーカーの話なんですけど、なぜか女性をメロメロにさせている要素があって、そういう役に憧れがあったりします。恐怖感があるんだけど、その恐怖に見入っちゃうみたいな感覚に、自分を見てなっていただけたら嬉しいです。

韓国人俳優のソ・イングクさんはサイコっぽい役がとてもお上手で、あの雰囲気を自分でも出せるようになりたいなと思っています。演技に韓国ドラマ要素を取り入れて、日本ドラマと韓国ドラマの中間にいるような存在になるというのも憧れです。

■げんじぶの武器を持って、どんどん戦いを仕掛けていくつもり

――「原因は自分にある。」としては、今年の夏に「LIVE TOUR 2023 -G=ø-(ジーイコール)」を開催していましたね。どんなツアーになりましたか?

メンバーの杢代和人がグループ活動を制限していた中で、6人で行う最後のツアーとなりました。僕らなりに6人でげんじぶを守ってきた1年でしたし、1人欠けているからといって「げんじぶじゃない」と感じさせないように、1年間努力してやってきた集大成を見せられたんじゃないかなと思います。

そして、初めて声出しがOKになった夏ツアーでもあったので、げんじぶ史上一番アツい夏になりました!声援があると生で生まれるものが多いというのは、改めて実感しましたね。ライブって、予想外の出来事が結果的にすごくいい形になったりとかするんです。声出しOKになったことでファンの方が意外なところで声援をくれると、メンバーみんながいい表情になったり、それで振りに熱が入ってより揃ったパフォーマンスをお見せできたり、みなさんの声があるからこそライブのよさが一層高まるなと強く感じました。

――先日の「EBiDAN THE LIVE UNIVERSE 2023」(通称エビライ)では活動制限中だった杢代さんが復帰され、久しぶりに7人でのステージを披露されましたね。いかがでしたか?

「原因は自分にある。」として初めて立ったステージが2019年のエビライで、そこで僕らが勝負を仕掛けてエビダンファンのみなさんに存在を見せられたという思い出があるので、エビライは僕らにとって“勝負の場所”という共通認識があります。他グループのみなさんと交流を深めるチャンスでもありつつ、観測者(※げんじぶのファンの名称)になってもらうチャンスでもあるという思いがある中で、7人でのげんじぶが復活するというのもあって、いつも以上に気合いが入っていました。みんな気持ちは1つで、「勝ちにいく」という思いがあったので、そこは上手くいったんじゃないかなって思います。

やっぱり7人がそろったのは嬉しかったですね。僕はステージで端っこに立つことが多いんですけど、端っこに立って左を見て6人がいるという景色が懐かしくもあり、これがげんじぶだなっていう嬉しさもありました。引っ張っていくような性格ではないんですけど、リーダーとしてこの仲の良さや空気感、みんなの笑顔を守っていきたいですし、げんじぶの7分の1としての自分も守っていきたいなって、リーダーになって改めて感じています。

――エビライで特に印象深かったステージは?

今回、EBiDAN全体の企画で韓流好きユニットとして「Invader (韓流好きユニットver.)」という曲に参加させていただいて、サビで低音ラップをやらせていただいたんです。あそこはもう、「会場に来てくれたみなさんに自分の声を届けるぞ!」と勝負をかける思いでした。楽曲の中で自分の低い声を披露して会場のみなさんが反応をくださるっていうのはすごく幸せでしたし、改めてこの声に生まれてよかったなって思いました。

――11月5日(日)には、ぴあアリーナMMにて「ARENA LIVE 2023 因果律の逆転」を開催されます。初めての単独アリーナ公演に向けて、意気込みを聞かせてください。

僕らにとって史上最大規模のワンマンライブになりますし、メンバーそれぞれが不安と期待を抱えています。でもこのタイミングで7人になったというのはすごく大きな意味があると思っていますし、7人でのげんじぶをアリーナという大きなステージで見せるチャンスなので、「原因は自分にある。」という存在を世の中に広めることができたらと思います。

やっぱり僕らは7人でいる姿が一番で、それぞれ個性を持った一人一人が集まった7人っていうのは大きな武器だと思いますし、今後もこの武器を持って、どんどんいろんな場所に戦いを仕掛けていくつもりなので、まずはその第一陣がアリーナだと思っています。夢であるドームに向けての第一歩であるアリーナを絶対成功させて、世界中に観測者を増やして、笑顔と感動を届けられたらいいなと思っています。

まずはその場のその瞬間を楽しむことを大切にしつつ、3年後や5年後に振り返ったとき、あのアリーナ公演で勝負に勝って一気に勢いがついたんだと思えるような歴史に残るライブにしたいです!

ドラマL「 around1/4 (アラウンドクォーター)」に出演している吉澤要人にインタビュー/ 撮影=booro/スタイリング=TAKURO