オリックス水族館は9月30日に、「すみだ水族館」(東京都墨田区)で小笠原諸島いきものの展示や産業観光、教育なども含む多面的な情報発信を行う新常設展示「オガサワラベース」を公開し、館内外の各所で公開記念プログラムの開催やグッズ販売を開始する。

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●小笠原固有種の展示や情報発信の場



 オガサワラベースは、既存の「小笠原大水槽」と「アクアスコープ」に加えて新たにオープンした常設展示で、これらが一つのエリアとして「小笠原」と名付けられた。新エリア「小笠原」では、小笠原固有種の展示とともに、小笠原村の自然環境や産業観光、教育についての情報を発信することで、世界自然遺産との共存の実現を考えるきっかけを創出する場として、楽しく、学びのあるプログラムを提供していく。

 公開初日となる9月30日には、小笠原村観光局による小笠原ミニ講座や、廃棄となるペットボトルキャップを再利用したチャーム作りなどの特別ワークショップ、墨田区錦糸公園で開催される「すみだこどもまつり」での小笠原PRブースの出展といった、館内外の各所で小笠原諸島の美しい自然を知り、環境について考えられる記念プログラムを開催する。

 さらに、館内ショップでは売上の一部を小笠原諸島でのサステナブルな取り組みへ還元する「AQTION!グッズ」の販売や、小笠原物産コーナーの設置、館内の「ペンギンカフェ」では小笠原産の食材を使用したデザートカクテルなどオリジナルグッズやメニューの販売も行われる。

 オガサワラベースは、「ひとつながり」をコンセプトに、「人と人」「小笠原諸島と当館」のつながりや、「美しい自然を未来へつなぐ」「海を守る活動をつなぐ」といった、多様な意味が込められている。アオウミガメの赤ちゃんが過ごす水槽、海辺や河川のいきものを展示する複数の水槽と、それらの展示をつないで座ってゆったり鑑賞できるスペースが設けられた、入り江のようなU字型のコーナーとなる。

 2012年の同水族館開業当初から連携してきた、小笠原村のある小笠原諸島とより一層つながる場として、いきものとそれを取り巻く環境、世界遺産と共存していく地域の産業や観光、環境課題を総合的に展示し、学ぶ場を提供することを目指す。

 同スペースでは、アオウミガメの赤ちゃん、ノコギリダイ、ロクセンスズメダイ、ユウゼン、オガサワラクロベンケイガニ、オガサワラヨシノボリ、ヤセタマカエルウオ、クマノミの展示を予定している。

 9月30日9時15分~10時には、「オガサワラベース」に小笠原村観光局の宣伝部長である「おがじろう」や、小笠原村観光局の人たちを迎えた、小笠原諸島や新エリア「小笠原」の楽しみ方を紹介する「小笠原ミニ講座」を開催する。参加費は無料。

 9月30日10月7日10月14日10月21日には、アウトドアウエアブランド「ヘリーハンセン」および湘南貿易とのコラボレーション企画として、海洋プラスチックゴミの代表例として挙げられるペットボトルキャップをオリジナルチャームに変える、ワークショップが開催される。同ワークショップでは、小笠原現地での海浜清掃で回収したペットボトルキャップを一部使用する。

 開催時間は15時から、15時45分から、16時30分からの各回40分間で、定員は各回いずれも10人。参加費は500円(水族館への入館料が別途必要)。

 9月30日10月1日には、墨田区立錦糸公園にて開催される「すみだこどもまつり」に、小笠原ブースを出展する。ブース内には、小笠原諸島にまつわる豆知識シートが出てくる「小笠原豆知識マシン」の設置や、的あてに成功するとプレゼントがもらえる「小笠原チャレンジダーツ」を開催し、楽しみつつ小笠原諸島への理解を深められる。開催時間は10時~17時で、参加費は無料。

 9月30日10月15日の期間には、「オガサワラベース」の公開を記念して、オリックス銀行とのコラボレーションで小笠原いきものNFTが手に入る記念カードを、6階の特設スペースで配布する。カードのコードをスマートフォンで読み取ることで、すみだ水族館で暮らすアオウミガメシロワニなど全5種類のデジタルデータをランダムで入手できる。

 すみだ水族館が取り組む、貴重な自然を未来に伝えて未来に残すことを目指す「AQTION!」では、新たな取り組みとして「AQTION!グッズ」の製作・販売を行う。第1弾としては、「シツラエ」による小笠原現地での6月の海浜清掃で回収したゴミを使用したアップサイクルアクセサリー(それぞれ価格は3850円)と、「ヘリーハンセン」のTシャツ「ショートスリーブ オガサワラ ティー」(価格は6930円)を販売する。なお、売り上げの一部は次年度の小笠原諸島での海浜清掃などをはじめとする、サステナブルな活動の資金として還元される。

 館内のミュージアムショップでは、小笠原の島レモンを使用した「オガスコ」や「島レモンラスク」といった、小笠原の名産品を集めた物販コーナーを開設する。さらに、すみだ水族館が一部監修したカプセルトイ「さわれるオガサワラ」(価格は500円)の販売も行う。

 同じく館内の「ペンギンカフェ」では、ワッフルボウル入りの小笠原産塩使用のバニラソフトに、小笠原パッションフルーツ使用のソース、小笠原カカオ使用の東京カカオウエハース、国内では小笠原諸島周辺海域にしか生息していないシロワニ型のクッキーをトッピングした小笠原が詰まった「小笠原サンデー」(同680円)を販売する。

 ほかにも「ペンギンカフェ」では、小笠原の父島にある「ジョンビーチ」と「コぺぺ海岸」から名付けたカクテルである、青く澄んだ海を小笠原ラム、ブルーハワイシロップグレープフルーツジュースで表現した「ジョンビーチ」と、海辺の夕暮れ小笠原ラムにパッションフルーツ果汁を合わせたパッションリキュール、グレナデンシロップ、オレンジジュースで表現した「コぺぺサンセット」の2種を用意している。12月31日までの販売で、価格はどちらも700円。
すみだ水族館で「オガサワラベース」オープン