公道などでも見かけることのある自衛隊車両は、一般のクルマのように車検を行う義務はあるのでしょうか。ナンバープレートはあるものの、ちょっと特殊です。

普通のクルマと扱いは違うのか?

たまに公道などでも見かけることのある自衛隊車両、普通のクルマとは違い、6ケタの数字の組み合わせの細長いナンバープレートが目印になっています。

一般の人が運転するクルマは、自家用ならば2年に1度、事業用なら1年に1回、車検を受けることが法律で決められています。しかしナンバープレートからして特殊な、自衛隊車両はこのような義務はあるのでしょうか。

実は自衛隊の車両は、一部の乗用車やバスを除き、道路運送車両法の適応外車両ということになっています。また一般車ナンバープレートは陸運局が発行していますが、自衛隊車両のナンバープレートは「他の自動車と明らかに識別することができるような番号及び標識を付さなければならない」という自衛隊法第114条に基づくものです。

つまり、道路運送車両法に基づかない自衛隊車両は、道路運送車両法で定める車検を受ける義務はありません。そもそも、戦車や装甲車ではなくとも、仮に自衛隊車両がいわゆる車検を受けた場合、違反要素だらけになってしまいます。

ただ、道路運送車両法で定めている車検の必要がないだけで、車検そのものがない訳ではありません。むしろ一般の車両よりもこまめに点検されている部分もあります。

むしろ一般の車検よりも厳格?

一般的にクルマは10年・10万キロが買い替えの目安ともされていますが、自衛隊の車両というのは10年使用程度のものならばまだ新しい方です。2023年度末に退役が決まっている自衛隊最古参の74式戦車は、その名が示す通り1974年に正式化され、1975年に生産が開始された車両で、50年近く使われています。

ほかの車両もここまで古くはありませんが、20年、30年選手の車両は珍しくありません。これは自衛隊に限ったことではなく、世界中の軍用車両でも似たような状況で古い車両が使われ続けています。そのため、普段からいざというときにちゃんと動けるようにしておくために入念に整備しておく必要があります。

陸上自衛隊には後方支援隊の中に、各種車両を整備する能力を持った隊員たちが所属する「整備大隊」という組織があり、他部隊に対してさまざまな車両・機材の整備や修理を定期的に行っています。

ちなみに、自衛隊車両は自賠責保険にも入っていません。自衛隊の訓練など、特別な状況において使用される可能性があり、そのような場合に生ずる事故を一般の交通事故を想定している自動車損害賠償責任保険で取り扱うことは適当ではないと考えられているからです。そのため、公道で仮に自衛隊車両が事故を起こし、ケガ人などが発生した場合は、日本国政府がこれに係る事故の損害賠償を行うことになっています。

自衛隊車両にもナンバーはあるが、6ケタの数字の組み合わせので一般的なものとは違う(画像:陸上自衛隊)。