ミュージシャン、俳優、コメンテーターと幅広いジャンルでマルチに活躍する泉谷しげる。現在は全国のライブハウスで「全力ソロライブ」などを開催中だ。暴れん坊のイメージとは裏腹に実は繊細な氏に、「春夏秋冬」の制作裏話から泉谷流仕事の作り方まで、天才テリーが聞いた。

テリー 最近、精力的にライブやってますね。

泉谷 そうだね、ライブハウスでね。

テリー それは、あえてなんですか?

泉谷 理由はいろいろあるんだけど、要するに今まで、地方を盛り上げようとデカいフェスとかイベントをやってきたんだけど、地元の連中っていうのは、おもてなしを優先しちゃって、意外と楽しめてないわけよ。最近、「オーバーツーリズム」とかって問題になってるだろう?

テリー なってますね。そうか、そういう狙いで。

泉谷 あとは俺のライブに来る奴らが年食って出かけにくくなってるから、こっちから行っちゃったほうがいいかなと。ハッキリ言えば、体的に弱っちゃってる年代でもあるわけじゃない。

テリー そうですよね。

泉谷 でも俺は、体力自慢をしたいんで。「ドラッグもアルコールもタバコもやってないけどこんな元気だぞ」と。ライブやると調子がいいんですよ。

テリー あ、そうなんだ。何でですか。

泉谷 新しい声が出るっていうのかな。これ、健康の話なんだけど、やっぱりジジイになるとみんな大事にされちゃって、デカい声出さなくなるし、ノドが鍛えられなくなるんですよ。だから、餅食ってノド詰まらせちゃうわけ。

テリー お正月にね。

泉谷 だから、鍛えなきゃダメなんですよ。ノドだって筋肉なんだから。

テリー 地方のライブハウスって、キャパ何人ぐらいですか。

泉谷 せいぜい150人でしょう。京都の「磔磔(たくたく)」っていう老舗の有名なライブハウスだって、300人がいいとこだから。その分、すぐできるんですよ。デカいところだと、何かと決まるまで時間かかるから。

テリー お客さんはどんな人が多いんですか。

泉谷 ほぼオジサンオバサンや若い子もたまに交ざってるけど。あとさ、俺のファンってデカいイベントやフェスをやっても来ないのよ。

テリー どうして?

泉谷 高いチケット代出して、大勢の中でオーロラビジョン見たってしょうがないじゃない。

テリー せっかく目の前に本人がいるのにね。

泉谷 そうだよ。みんな狭いライブハウスで、間近で見てきた世代だから。オーロラビジョンで見るなんて嫌なんでしょうね。

テリー なるほど。

泉谷 ただ一方でさ、ライブハウスは小汚いというイメージもあって、行きたがらない大人もまた多いんだよ。潰れたところもあるけど、意外と新しくキレイにしたところもあるんだけどね。

テリー 相変わらずライブでは吠えてるんですか。

泉谷 もちろんですよ。とにかく「声を鍛えろ」「ずっと座ってんじゃねえぞ」みたいな。とにかく体力自慢したいの。俺は鍛えてるし、「すごいだろ」ってね。

ゲスト:泉谷しげる(いずみや・しげる1948年青森県生まれ。1971年、アルバム「泉谷しげる登場」でデビュー。翌年のシングル「春夏秋冬」が大ヒット。2013年にはNHK紅白歌合戦に初出場した。俳優としても「土曜ワイド劇場『戦後最大の誘拐・吉展ちゃん事件』」(テレビ朝日系)、「金曜日の妻たちへ」「ケイゾク」(以上TBS系)、「Dr.コト-診療所」(フジテレビ系)など多くのドラマ・映画に出演。また「北海道南西沖地震」「長崎・雲仙普賢岳噴火災害」「阪神・淡路大震災」「東日本大震災」などの際に行ったチャリティ活動はライフワークに。現在「泉谷しげる全力ソロライブ90分」を全国のライブハウスで敢行中。

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