中秋の名月のもと、雅楽からアイドルまで幅広い音楽を楽しむ『平安神宮 月音夜(つきおとよ)~京都名月コンサート2023』が9月28日から10月1日までの4日間、平安神宮京都市左京区)大極殿前特設ステージで開かれる。出演する8組のアーティストに今年初めての開催となるコンサートへの思いを聞いた。

Aimerにとって夜や月、星は特別な存在だ。

悲しい時、疲れた時、寄り添ってくれるバラードを歌うことで音楽を始めた。静かに思いと向き合う「夜」と音楽がリンクした。月や星は「遠く届かなくても常に一緒にいてくれて、地球が世界がどんなに変わっても、そこにあり続ける」存在だ。その事実が音楽の神秘と重なり、自らのよりどころになっている。

ちょうど12年前の9月に「六等星の夜」でメジャーデビューした。以来、夜、月、星がキーワードになる曲を多数発表してきた。舞台に立つのは29日の「中秋の名月」の夜だ。「平安神宮というすてきなロケーションでたっぷり音楽を楽しんでもらえるライブにしたい」。夜空や天体を想起させる楽曲、和の雰囲気の楽曲もセットリストに取り入れられたらと話す。

今年7月、7枚目のアルバム『Open α Door』をリリースした。大人気アニメの主題歌など、これまで手がけたことのない音楽の扉を一つ一つ開いた意欲作だ。世界も音楽も激しく変化している。その時代の中、月や星のように見守ってくれるファンと、これからもこの場所に存在し続けるため、「今自分ができる新しい音楽、その扉を開いてみたい。それがアルバムのテーマでした」

音楽専用ホールではない教会や酒蔵、プラネタリウムでライブを開いたこともあるが、今回のように屋外の会場はあまり経験がないという。「天井のない、空に通じる場所でライブができるのはすごくうれしい。運命みたいなものを感じています」とほほ笑む。

月音夜に臨む気持ちは熱い。「特別なライブと感じてもらえたら。私も、私のチームも、本当に音楽に楽しんでもらえるライブにしたいと準備しています」


Aimer(エメ)
2011年「六等星の夜」でメジャーデビュー。16年9月にリリースした4thアルバム『daydream』が各種配信チャート1位を獲得。22年、テレビアニメ『鬼滅の刃』遊郭編のオープニングテーマ・エンディングテーマ「残響散歌/朝が来る」がビルボードジャパン史上最高となる7週連続の1位を記録。

Aimer