『週刊プレイボーイ』および『週プレNEWS』連載中(毎週月曜発売および更新)の漫画『キン肉マン』(ゆでたまご作)のジャンプコミックス(以下、JC)各巻の中から、ゆでたまご先生ご自身にお気に入りの原画を選んでご紹介いただくシリーズ企画"ゆで原画"第31回。

天へと続く神の道・バベルの塔にて、超神たちとの試練の対抗戦を終えた超人精鋭部隊"リアル・ディールズ"。その中で神の試練を突破した者たちが最上階に集結。だが天界を望むそこに広がっていた景色は、想像とは全く異なる大災害の様相であった......。

驚く彼らに通信を介して呼びかける元神ザ・マン。今、天界で何が起こっているのかがいよいよ明らかになる『キン肉マン』最新JC83巻が、「キン肉マンの日」である929日(金)発売に!

そんな最新刊を読む前におさらいを兼ねて......その前巻JC82巻から作者・ゆでたまごの両先生に、思い入れの深い漫画原稿一枚をそれぞれ理由も添えて選んでもらった。

まずは原作シナリオ担当・嶋田隆司先生に選んでいただいたのがこの一枚(JC82巻24ページより)。

プリンス・カメハメの源流にあたる超神マグニフィセントに師の遺したものの素晴らしさを理解させたいキン肉マンは、勝負をかけた最後の大技へ。それはそのカメハメから授かった最大の技・キン肉バスターをさらに磨きあげ、独自に編み出した、師の魂を継承する新たな発展進化技"キン肉バスターモータル"であった!

――嶋田隆司先生(ゆでたまご・原作シナリオ担当)コメント

この技が初めて公開された時の読者からの反響がものすごく大きかったんですよ。僕のSNS宛にも、想像してた以上に感想を送ってくれた人がたくさんいて。

でも僕としては、そこまで衝撃的なことをやったなんて思いはそれまで全くなくて、ただ話のテーマとして、キン肉マンカメハメからどんないいものを授かったか、というのを見せたいということでしたから、じゃあこの試合の最後はキン肉バスターの形を生かした技で決めたいな、という程度のことだったんです。

でもよく考えたら、これってキン肉マンが久しぶりに出した新技だったんですよね。それを思ったときに、ああ、だからこの反応なのかってようやく自分でも納得できて。やっぱりみんな、キン肉マンの新技をそんなに待望しててくれたんやなって。

前の回でも言いましたけど、最近は新しい技考えるのが本当にキツいんですよ。出し尽くした感が毎回あって。それでもそんなに喜んでもらえるんやったら、捻(ひね)りだし甲斐(がい)があるなってあらためて思いました。まだまだキン肉マンの新しい技、考えなあきませんね(笑)

そして作画担当・中井義則先生に選んでいただいたページはこの一枚(JC82巻/56ページより)。

"リアル・ディールズ"の中で最後に残ったバッファローマンと闘う相手は、これまで他の超神たちをまとめ上げていたリーダー格とおぼしき超神"調和の神"。その男がいよいよ身を包んでいたベールを脱ぎ去り、真の姿を初公開。同時に彼は、地上に降りて得た新たなる己の名が"ザ・ワン"であることを高らかに宣言した!

――中井義則先生(ゆでたまご・作画担当)コメント

調和の神ザ・ワンという存在は今やっているシリーズの核になる新キャラだというのは、シリーズ開始前から相棒とも話をしてよくわかっていたので、これは気合いを入れて造形も作っていかないといけないという思いがずっとありました。

そのデザインの大元になっているのはかなり昔、まだ『キン肉マンⅡ世』をやってた時の超人募集で採用したヘルモーズという超人。これはなかなか良いということでいつか本編に出そうとずっと取っておいたんですが、その容姿はどちらかというと悪魔将軍に近い印象で、神々のボス格という感じではなかったんです。

だから、そのままでは使いづらいということで、ザ・マンと対峙しても負けない威厳と風格をまとわせるにはどうすべきか、またバッファローマンの起源だと類推できる要素も加えてみるなど、今の設定に合うようどんどんアレンジしていって、ようやく完成したのがこの造形でした。

最後に悩んだのはカラー。重厚感が感じられるダークな方がいいのか、神々しさが感じられる白っぽい方がいいのか。鎧(よろい)の仕上げも最終的にはメタリックにしてみました。

それを思うと、この形に落ち着くまでかれこれ1年くらいかかったかもしれません。完璧超人始祖編の際にはシルバーマンのデザインもそれくらいかけて決め込んでいきましたけど、それに匹敵するくらいの時間はかけたかと思います。今後の活躍次第というところもありますが、読者にどう思ってもらえるか、その中でここからさらにどう育っていくのか、僕自身も楽しにしてる存在です

バベルの塔の最上階で見た衝撃の光景、天界を襲う危機の正体とは!? そして明かされる全宇宙の真なる脅威とは一体......

取材・文/山下貴弘 ©ゆでたまご集英社

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