道路標識「⇔」は、規制の区間内であることを示す補助標識ですが、付いている場合とそうでない場合があります。ただし東京都神奈川県においては、転回禁止ほか4種類においてのみ必ず附設。理由を警察庁へ尋ねました。

車両横断禁止・横断禁止・警笛鳴らせでも

東京都神奈川県道路標識を見ていると、「転回禁止」「車両横断禁止」「横断禁止」「警笛鳴らせ」の4種類の規制標識においてのみ、補助標識「区間内」(⇔)が必ず附設されています。例えば「最高速度」や「駐車禁止」などの標識と一緒に設置されていても、律義に転回禁止のみ補助標識が付いています。

何か理由があるのでしょうか。道路標識の設置基準などについて全国の警察へ対し通達を出す、警察庁 交通規制課に理由を尋ねたところ、次のような回答がありました。

「『最高速度』や『駐車禁止』は、道路の区間を定めて行う交通規制であり、補助標識『区間内』が附置されていなくとも、当該規制標識が区間内標識であることは明らかであるため、補助標識『区間内』を原則附置しないこととしております」

つまり、最高速度や駐車禁止などでは「⇔」を省略できるというわけです。では逆に、上記4種において省略できない理由は何でしょうか。

それは転回禁止などが、必ずしも道路の区間を定めて行う規制ではないから。区間の規制を「線」と捉えるならば、転回禁止などでは「点」の、つまり“交差点に限る”などピンポイントでの規制を設けられるためです。「⇔」を省略してしまうと、それが線での規制なのか点での規制なのか、あいまいになってしまうのです。

事実東京都神奈川県で、区間規制ではない転回禁止や警笛鳴らせの標識を見てみると、補助標識には「⇔」の代わりに「この交差点」や「この場所」といった表記が見られます。まさにこれらは「点の規制」というわけです。

ところで、多くの自治体では最高速度などの標識にも「⇔」が附設されています。前出の交通規制課が話すように省略可能ですが、省略するかどうかは各自治体の警察に委ねられているようです。

転回禁止にのみ、規制区間内であることを示す補助標識「⇔」が付いている。東京都内にて(2023年8月、大藤碩哉撮影)。