SNSでソロ活や体調不良など、30代のリアルな日常を漫画で綴るみくるべさん(mikurube_manga)。なかでも34歳で初めてできた恋人に突然失恋し、そこから立ち直るまでの日々を描いた漫画は、読者から大きな反響があった。

【漫画】本編を読む

コミックエッセイ「34歳初めての失恋から立ち直るまでの記録」は、当時の心境をより詳しく描いた作品。彼との出会いやこじらせた片思い期間、そして現在思うことなどを、お届けする。

今回は、SNS上で仲良くなった男性に、勢い余って告白してしまったみくるべさん。しかし彼の返事は「嬉しい」だけ。どうすればいいかわからず「嬉しいの先に何かあるの?」と聞いたところ、「好きになってもらえて嬉しいけれど、恋愛対象じゃない。でもこれからも好きでいてもらえると嬉しい」との答えが。

恋愛経験ゼロのみくるべさんは「じゃあ好きでいる!好きになってもらえるように頑張る!」と宣言し、新たな苦悩に苛まれる片思い期間が幕を開ける…。

■たとえ好きだと言われても、付き合えないと満足できないことに気付いた

「人を好きになっていた自分に酔っていました」と当時を振り返るみくるべさん。初めての恋で感じた喜びや自身の変化について聞いてみた。

「恋をすることがこんなにも楽しいんだ!と浮かれていました。相手を思ってドキドキしたり期待したりする中で、自分磨きも意識するようになりました。人生の中でいちばん美容に気を遣っていたと思います(笑)」

告白したときは「嬉しい」としか言ってくれなかった彼だが、その後毎日電話を続けるうちに「俺も好きだよ」と言ってくれるようになったそう。当時の心境を教えてくれた。

「毎日『好き好き!』と連呼していたら、『俺も好きだよ』と言ってくれるようになりました。ただ、『好き=付き合える』と思っていたので、うれしいけれど複雑でしたね。たとえ好きだと言われても、付き合うところまでいかないと自分は満足できないことにも気づきました」

「両思いなのになんで付き合わないの?」と聞いたところ、「遠距離は無理」の一点張りで会おうともしない彼。挙句の果てに「無理だって最初から言ってるよね。どうするか決めてよ」と言われたみくるべさんは、やっぱり付き合えばよかったと後悔させてやることを決意。手始めに成人向けの出会い系サイトに登録したことを、彼に報告する。当時、彼からどんな言葉をかけてほしくてそのような行動に出たのだろう。

「まず第一に、心配して嫌がってほしかったです。『そんなサイトに登録するくらいなら自分にしておけ』って言われたかったんでしょうね。今思うと逆効果だよ!?と、つっこみたくなります…」

付き合いたくても付き合えない、彼への気持ちが暴走し始めたみくるべさん。「もっと心配してほしい」と徐々にメンヘラ化していく彼女が、救われることはあるのだろうか。当時の思いを赤裸々に描くみくるべさんの漫画を、今後も楽しみにしてほしい。

取材・文=石川知京

「34歳初めての失恋から立ち直るまでの記録」より