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欧州デザインセンター設立20周年を記念

日産は9月25日モータースポーツテーマにしたEVコンセプトカー「20-23」を英国で公開した。コンパクトハッチバックマイクラ(日本名:マーチ)の後継車を予告するものと考えられる。

【画像】日産マイクラ(マーチ)復活なるか? 期待のEVハッチバック【日産20-23コンセプトの内外装やデザインスケッチを写真でじっくり見る】 全59枚

ロンドンパディントンにある日産デザインヨーロッパ(NDE)設立20周年を記念して製作されたモデルで、フォーミュラEへの参戦と、日産の「大胆なハッチバックの伝統」にインスパイアされたという。

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日産20-23コンセプト    日産

20-23コンセプトは、日産の内田誠社長兼CEOによってNDEの本社前で発表された。「スポーティ・アーバン」なEVであることを強調するために、ロンドンの中心部が発表の場に選ばれたという。20-23という名称は、NDEの設立20周年と、2(ニ)と3(サン)という社名を掛け合わせたもの。

製作を担当したNDEは「制約のない」クルマデザインを追求し、チームメンバー自らが「働く街の路上で」運転したいと思うものを目指した。フロントとリアに巨大なディフューザーを採用し、大型リアウイングオーバーフェンダー、超ロープロファイルのレーシングタイヤを装着するなど、レーシングカーのような外観となっている。

ルーフスクープ、レーシングナンバースーパーカーのようなシザードア、ウイング上部のエアチャネル・ルーバーなど、派手な要素を持ち込んだスタイリングは「ハッチバックとシティカーの世界に人目を引く遊び心をもたらすという、日産の長い伝統」を継承するものだとされている。

日産は2030年までに欧州で完全電動化を目指す

日産はまた、20230年までに欧州向けの新車販売をすべてEVとする目標を明らかにした。日産はこの目標に向け、19車種のEVを含む27車種の電動モデルを導入するとしており、その中にはマイクラの後継車も含まれると明言している。

20-23コンセプトは、CMF-BEVプラットフォームを採用している。これは、アライアンスパートナールノー2024年に発売予定の次期EV、ルノー5やアルピーヌA290と同じプラットフォームである。

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日産20-23コンセプト    日産

マイクラの後継車は昨年初め、コンパクトな5ドアモデルとして予告画像が公開された。丸みを帯びたボディや円形LEDヘッドライトは、20-23コンセプトに引き継がれたようだ。コンセプトにリアのサイドドアは見られないが、両車のシルエットとプロポーションはよく似ている。

ただし、20-23コンセプトインテリアが市販車に反映される可能性は低く、「レーシングカーの機能性をそのまま未来的に解釈したもの」となっている。

深いバケットシートに座るためには、ドア開口部に設けられたブレースバーを乗り越えなければならない。乗員の身体を守るためのフォーパッドが随所に配置されており、ドライバースイッチボタンがずらりと並んだヨーク型のステアリングを握ることになる。電気モーター回生ブレーキの設定を調整するためのパドルもある。

日産によれば、消火器、むき出しの金属加工、「重要な情報を表示する2、3枚のスクリーン」を備えたスパルタンなキャビンは、市販車では広々とした快適性重視のレイアウトに変更されるという。最近の日産のコンセプトカーの数々(SUVアリアも同様)はミニマリズムに重点を置いているため、マイクラ後継車もそれに倣う可能性が高い。

前輪駆動のホットハッチ登場? マイクラ後継は

日産はマイクラ後継車の詳細をほとんど明らかにしていないが(車名もマイクラではないかもしれない)、CMF-BEVプラットフォームをベースにしているということから、マルチリンクのリアアクスル、モジュールに分割されたスペース効率の良いバッテリーパック、パワーコンバーターとパワーマネージメント・ボックスを統合する電気モーターなど、一連の軽量化対策が施されるだろう。

マイクラの後継車は、フランス北部にあるルノーの生産拠点でルノー5と並んで生産される見込みで、最高出力136psのフロントマウントモーターを共有し、航続距離も兄弟車と同じ400kmとなる可能性がある。

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日産20-23コンセプト    日産

コンセプトデザインを担当したNDEは、欧州で大ヒットを記録したジュークキャシュカイなどを手掛けている。

設立20周年を迎えて、NDEのマシューウィーバー副社長は次のように語った。

わたし達は比較的小さなチームですが、この20年を振り返ると、一貫して大胆で、さわやかで、革新的な作品を生み出していることに誇りを感じています。NDEの文化の中心にあるのは、暖かく協力的な環境です。わたし達は皆、お客様の発見、購入、運転の体験に卓越したデザインと創造性をもたらすよう努力しています。お客様が日産と恋に落ちるようにするのがわたし達の仕事です」


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