V奪回を誓っていた原監督(C)Getty Images

 巨人9月25日に行われたDeNA戦(横浜)に0-1の完封負け。3位チームとの直接対決でわずか4安打と意地を示せずゲーム差は再び「3」に広がり、この日の敗戦で自力CS進出の可能性が消滅した。

【動画】9回最後の打者となった吉川はライトフライを打ち上げ、ゲームセットとなった

 先発のヨアンデール・メンデスは2回、8番・林琢真に適時打を許し先制されるもその後は粘り強く投げ、5回4安打1失点と試合を作った。

 しかし打線が今季初対戦となった相手先発の大貫晋一をとらえられない。多彩な球種をあやつる右腕に的を絞り切れず、7回途中までに11三振と封じ込められる。

 7回には二死二、三塁のチャンスを作るも代打の代打で出たアダム・ウォーカーが空振り三振と好機を生かせず無得点に終わると、8回にも先頭の長野久義が右前打で出塁、続く門脇誠送りバントを決め、一死二塁の形を作る。その後、岡本和真が申告敬遠で二死一、二塁の形となるも、途中出場の重信慎之介がここでも空振り三振に倒れ、得点に結びつけられない。

 9回は森原康平に最後の打者となった吉川尚輝が右飛に打ち取られ、ゲームセット。目指すCS進出に向け、負けられない戦いでDeNA投手陣に13三振で完封負けを喫した。

 チーム打率(・253)、本塁打数(163本=いずれも25日現在)ともリーグトップの成績を残しながら、勝ち星に結びつかないのは、ここぞというときの粘り、つなぎのバッティングがなかなか発揮できないことにもあるとされる。

 優勝した阪神はチーム方針として四球増を打ち出し、4番の大山悠輔リーグトップの「95四球」(25日現在)を選んでいる。「つなぎの4番」が機能したこともチームの大きな勝因とされた。

 一方の巨人は24日の試合の坂本の2発など一発攻勢で勝ちきるときは強さを発揮するが、好投手が来たときにホームラン以外で得点を奪う方法がなかなか確立できなかったことも響いた。昨年から「一発頼みではない打線」を摸索してきたが、この日は4安打13三振で今季14度目の完封負けとシーズンの苦境を象徴するかのような内容となってしまった。

 残り5試合、自力CS進出の可能性は消滅したが、DeNAとの直接対決は26日の試合含め2試合残す。このまま終わってしまうようでは寂しすぎる。とにかく勝つしかない。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

原巨人 自力CS進出消滅 痛すぎる完封負けの裏にある「敗因」