桃月なしこが、桜井玲香×中田圭祐W主演のドラマイズム「灰色の乙女」(毎週火曜深夜1:28-1:58ほか/TBSほか)に出演中。同作は、人気コミックの実写化で、ストーカーの女と記憶喪失になった男の純愛と狂気を描いた作品。桃月が演じるのは、主人公・蔦子(桜井)の会社の同僚で親友の海堂菫。この度、桃月にインタビューを実施し、自身の役やクランクアップ間近の心境に加え、自身の仕事に対する気持ちの変化などについて話をきいた。

【写真】カメラにはじける笑顔を向ける桃月なしこ

■3番手でドラマ出演は…「ありがたいけれど、プレッシャーもあった」

――(取材時は9月上旬)「灰色の乙女」がクランクアップ間近ということで、今の心境を教えてください。

全体の撮影期間もですが、私が撮影に参加した日数もそんなに多くはなかったので、本当にあっという間で、もう終わってしまうんだっていう気持ちが大きいですね。最終話の撮影が直前に迫っている今の気持ちとしては、ありがたいことではあるんですが、セリフ量が多くてやばいなって思っています。

――今回桃月さんは、主人公・蔦子の会社の同僚で親友役ということですが、これまでの出演作品と比べてもセリフ量は全体的に多かったですか?

そうですね。過去、ドラマのレギュラー出演は「魔進戦隊キラメイジャー」(テレビ朝日系)のみで、毎話出させていただくのは今回がほぼ初めてでした。しかも、役としてもすごくいい立ち位置につかせていただいたので、自分が思っていた以上にセリフ量もありまして。ありがたい反面、プレッシャーもあり、という感じでした。

――改めて、桃月さんが演じられた海堂菫、また主人公の蔦子との関係について、どんな風に考えていますか?

菫と蔦子の関係は、お互いが信頼し合っていて、心の内を話し合えるような仲ですかね。菫が蔦子の相談に乗ることが多いので、それだけを見ると菫のほうが立場が上なんじゃないかって思う方もいるかもしれないんですけど、あくまでも対等だと考えています。菫は、具体的な描写があるわけではないんですけど、めちゃくちゃ仕事のできる蔦子ちゃん同様にバリキャリ系の女の子なんじゃないかなっていうイメージで演技をしています。きっと二人は、職場内での立ち位置で言うと、上司からも部下からも信頼されてる子たちなんだろうなって思っています。

桜井玲香の芝居を見て鳥肌が立った…学びのあった撮影現場

――主人公・蔦子を演じる桜井玲香さんとのシーンが多かったと思うのですが、現場での印象的なやりとりや思い出は何かあったりしますか?

桜井さんは一度別の現場でお会いしたことがあったんですが、乃木坂46のキャプテンをやられていたことも知っていたので、性格的にはどちらかというと菫ちゃん的な感じなのかなって思っていたんです。だから、キャストを見たときに、蔦子をあの桜井さんがどうやって演じるんだろうって最初すごく想像ができなくて。でも、いざ対面して一緒に演技させていただいたら、すごく目の使い方が上手な方だなあと思いました。「スイッチが入った」っていうことだったり、その時感じていることだったりが言葉だけじゃなくて、視線でも伝わってくるんです。一緒に演技してるときに鳥肌がぶわっと立つことがすごく多くて。まさかこうして一緒に演技をさせてもらえる機会をいただけると思ってなかったので、すごく勉強になりましたね。

――収録時以外でもお話することはありましたか?

実は、桜井さん、別現場でご一緒させていただく以前から私のことを知ってくださっていたみたいで。私が出演したテレビCMを見て、「この可愛い子は誰なんだ!」って思ってくれていたと聞いて嬉しかったです。当時は、その子が「桃月なしこ」だということは知らなかったみたいなんですが、別現場で一緒になる時に調べてくれたみたいで。それがわかった時に感動したんだよね、っていう話を今日してくれました(笑)。

――では、「灰色の乙女」の今後の展開として、お話できる範囲でどんな展開になるのか見どころなど教えてください。

おそらく皆さんが「この先、この部分どうなっちゃうの!」って思っているところが、ちょっとずつ紐解かれていきます。主演のお二人の関係性だけでなく、その同僚である私との関係性だったり、部下である長谷川くん(松本大輝)との関係性だったりにも注目していただけると嬉しいですね。狂った蔦子ちゃんを中心に、どう動いていくのかを楽しみにして見ていただけたらと思っております。

■本心で「芝居をやりたい」って言えるようになりました

――桃月さん自身のお話として、”可愛すぎるナース“としてネットで知られてデビューから6年、上京して5年が経ちますが、お仕事に対する気持ちに変化はあったりしましたか?

そうですね。自分のデビューが22歳とかなので、まだ10代の頃から始めての5年だったら、まだまだ未来は明るいねという感じだと思うんですけど、やっぱり22歳から始めた5年、6年って結構長く感じますね。お芝居のことで言うと、いわゆるアラサーの歳になってきたので、学生役がなかなかしづらくなったり、選ばれにくくなったりするだろうなって。逆に、アラサーの役だったり、結婚する・しない役や、もしかしたらお母さん役のオファーが来るかもしれないんですけど、そういう風に、できる役、できない役っていうのがちょっとずつ出てきたことに焦りを感じ始めたというのはあるかもしれません。

――元々、お芝居がしたいという強い思いがあったんでしょうか?

いえ、最初は凄く演技がやりたいという気持ちはなくて、明確な目標はありませんでした。演技も元々やっていたわけでもなかったですし、映像作品もたくさん見てきたタイプではなかったから、演技をすることに対して苦手意識も強くて。「演技やりたいです」って口で言ってはいるけど、いざ仕事に行くと、ちょっと戸惑ってしまって100%で喜べない自分がいたりしました。でも最近は、やれることとやれないこと、自分の中でも、楽しいことと楽しくないこと、得意なことと苦手なことっていうのがちょっとずつ分かるようになってきました。

――それには何かきっかけがあったりしたんですか?

魔進戦隊キラメイジャー」かな…。戦隊ものに出させてもらって、演技って楽しいかもって思えるようになって、そこから演技への気持ちも変わったような気がします。それこそ連ドラにレギュラーで出たいっていう目標を立てられるようになって、言い始めたら今に繋がったっていう感じですかね。

――なるほど。では、今は芝居をやっていきたいなという気持ちが強くなってきているんですね。

そうですね。今では本心で「芝居をやりたい気持ちが強くなってきています」って言えるようになりました。これまではちょっと自分に嘘をついてたところがあったんですけど(笑)。

■”自分“を模索し続けている、バラエティも芝居も今以上に頑張りたい

――お芝居に限らず、コスプレイヤー、モデルとしても活躍をされていますが、過去には准看護師をされていたということで、桃月さんは幅広くなんでも器用にこなしていくタイプだなあと。

いや、器用貧乏なんだと思います。一定のところぐらいはできるけど、何かその、飛び出てできるものとか、すごく苦手なものがあるっていうわけではなくて。

得意苦手があったら、得意なことはもちろん仕事に繋がりやすいですし、苦手なことだって逆にそれが仕事になることもありますよね。だから、どっちかに振れてたほうが仕事には繋がると思うんですけど、私の場合はどっちでもなくて普通なんです。だから、今もなお「自分とはなんなんだ」って、ずっと模索してます。

――今後、やってみたい役やお仕事はあったりしますか?

悪役をやってみたいです。あと、マクドナルドのCMがやりたい! 何よりマクドナルドが好きだし、高校の3年間バイトをしてて、高校生からずっとマクドナルド一筋です!

――是非、実現したら嬉しいですね。

はい! でも、もちろん役者として、もっとキャリアを積んでいきたい気持ちが一番大きいです。そして、今まで通り雑誌のお仕事もこれからも継続してやっていきたいですし、まだ経験のないことも挑戦していきたいなと思っています。という感じで、お仕事も今まで以上に頑張っていきたいです

桃月なしこ/※ザテレビジョン撮影