劣化ウラン弾も供与が決まっています。

数は不明 でもアメリカが明らかに

ウクライナゼレンスキー大統領は2023年9月25日、X(旧ツイッター)を始めとした自身の公式SNSで、アメリカから供与されたM1「エイブラムス」戦車が、すでにウクライナ国内にあることを明らかにしました。

SNSでは「ウメロフ国防大臣から朗報です。エイブラムスはすでにウクライナに着いており、旅団を増強する準備に入っています。合意を履行してくれた同盟国に感謝します! 私たちは新たな配備先を選定中です。運用エリアは拡大中です」と述べていました。

アメリカは、先だって今年5月にM1A1「エイブラムス」を31両、ドイツ国内に送っており、これらを使ってウクライナ兵の教育・訓練を行っていました。訓練は計10週間で8月に終わる予定であったことから、終了とともにM1戦車が最前線に送られるだろうと推察されていました。

今回、ウクライナに到着したM1「エイブラムス」が、ドイツで教育訓練に用いられていたA1型かどうかは不明で、到着した数も明らかにされていません。ただ、アメリカ政府は、8月7日ウクライナへ供与するM1A1「エイブラムス」の第1陣について移送が正式承認されたと発表しており、このときに合計31両と明言していることから、数的に合致するドイツ所在の訓練用M1A1がそのままウクライナに引き渡されると考えられます。

なお、アメリカは当初、「エイブラムス」シリーズの最新型であるM1A2ウクライナに供与する予定でしたが、それだと供与まで時間がかかってしまうことから、予備保管されているM1A1をアップグレードし、M1A2に近い能力を持たせたうえで供与する方針に変更しています。

また、あわせて装甲貫徹力が極めて高い劣化ウラン弾についても供与を明言しています。

アメリカ陸軍のM1A1「エイブラムス」戦車(画像:アメリカ陸軍)。