オンライン動画配信サービスHulu」にて、8月より全話一挙独占配信中のHuluプレミア「庭のある家」。第5話では、“カマドウマ”という人物から、ピンクのスマホに連絡が入る。ジュラン(キム・テヒ)とサンウン(イム・ジヨン)は、スマホの持ち主“イ・スミン”について知るために、カマドウマに会いに行く――。そんな第5話を考察と共に振り返る。(以下、ネタバレを含みます)

【写真】キム・ソンオ“ジェホ”の冷徹で恐ろしい眼差し

■「庭のある家」とは

本作は、実力派女優の共演と衝撃的な展開が話題を呼んだサスペンススリラー。韓国の同名ベストセラー小説が原作で、放送前には世界190カ国での展開が決まった韓国ドラマだ。物語では、マイホームの庭から漂ってきた“悪臭”をきっかけに正反対同士の2人が出会い、家庭に隠された真実が明かされていく――。

キャストには“韓国で最も美しい女優”と評されるキム・テヒが出演しており、完璧な家で絵に描いたような優雅な暮らしを送るジュラン役を演じる。一方、貧しさと家庭内暴力生きがいをなくしたサンウン役には、「ザ・グローリー ~輝かしき復讐~」で“最恐の悪女”を演じたイム・ジヨンが抜擢。実力派女優の2人がお互いに相乗効果を高め合っていく“かけ合い”に注目だ。

その他、病院の院長でジュランの夫でもあるジェホ役をキム・ソンオが、ジュランの息子・スンジェ役をチャ・ソンジェが、製薬会社の営業社員で家庭内暴力を振るうサンウンの夫・ユンボム役をチェ・ジェリムが担当する。

■ピンクのスマホの持ち主“イ・スミン”とジェホの関係

ピンクのスマホに“カマドウマ”と名乗る男から電話がかかってきたことで、サンウンはイ・スミンの居場所を尋ねる。するとカマドウマは、「どこにいるか知りたいか?スマホを持って明日13時に来い」「住所はメッセージで送る」と告げ、後日サンウンとジュランは2人でカマドウマのもとを訪ねる。

“カマドウマ”とスマホに登録されていた男は、自身を「チュ・テギョン」だと名乗る。イ・スミンの居場所を尋ねる2人と、スマホを先に渡せというテギョンで話が平行線をたどる中、ジュランは札束を鞄から取り出し「イ・スミンに会わせてください」と懇願する。しかしテギョンから返ってきた答えは、「居場所は知らない。本当だよ」というものであった。続けて「男と逃げたようだが、そいつも音信不通だ」と話すテギョンに、サンウンは「この人?」と言いながらジェホとイ・スンミが写った写真を見せる。

するとテギョンは不気味に笑い、「足りないよ」「情報が金になる時代だろ。誠意を見せないと」と言い放つ。そこでサンウンは「データは全部コピーした」「事実を教えてくれれば消してあげる」と言ってピンクのスマホをテギョンに渡したところ、テギョンは「ウソじゃなくパク院長は何もない」と話すのであった。

どうやら以前ジェホは“売春のVIP顧客たち”に余計な忠告をしていたため、テギョンは“ジェホを超VIP顧客にすれば大人しくなるだろう”と考えたようだ。そこでジェホに仕掛けるためにイ・スミンを起用。イ・スミンはわざとジェホの車の前に飛び出し、彼が降りてきたところをテギョンが撮影。ジェホとイ・スミンが2人で写っている写真は、その時撮影したものだという。

結局、イ・スミンの居場所を知ることができなかったサンウンとジュラン。しかし後日、2人は“イ・スミンが遺体で発見された”というニュースを知ることになるのだった――。

■「手袋じゃない。人間だ」ジェホがついに真実を告白

ジェホとイ・スミンは“何もなかった”とテギョンから聞かされたジュランは、ジェホに防犯カメラの映像を見せながら、全てが誤解であったと謝る。こうしてジェホへの疑いが晴れたかのように思えたが、ある日ジュランのエプロンのポケットから“ピンクのスマホについていた花飾り”が出てくる。

実は以前リビングの掃除をしていた時に、床に落ちているのを見つけた彼女は、何となくポケットにしまっていたのだ。その時は気に留めていなかったものの、今になってようやく、その花飾りがイ・スミンのスマホと関係していることに気づく。

そしてジュランはものすごい形相で、庭を一心不乱に掘り始める。帰宅したジェホが止めに入るが、ジュランは確信したかのように強い眼差しで「少なくとも あれはゴム手袋じゃなかった」「答えて」とジェホを問いただす。するとジェホは涙を流し、「手袋じゃない。人間だ」とついに正直に答えた。そしてそれはイ・スミンだという。

ある程度察してはいたものの、改めてジェホの口から真実を聞き、取り乱すジュラン。そこに突然、息子のスンジェが現れて「僕が殺したんだ」と衝撃のひと言をジュランに告げるのであった――。

■スンジェがスミンを殺害した理由を考察

同話で、テギョンにより明らかになったジェホとスミンの関係性。2人が一緒に写っている写真の背景がわかったことで、ジュランは“ジェホが潔白”だと安堵したのではないだろうか。しかし、そんな中で偶然見つけてしまったスマホの飾り…。

それが発端となり、ついにジェホがジュランに秘密を打ち明けるシーンは見どころとなっている。特に、キム・テヒの息遣いと覚悟を決めた様な強い眼差しは、場の緊迫感を伝えるポイントと言えるだろう。また、スンジェの「僕が殺したんだ」という告白もかなり印象的なシーン。ジェホが嘘をついていたのは隠すためではなく、息子を守るためだったことが、真実を語る際の涙からもわかる。

ここで、気になるのは、殺害したのがジェホではなく、なぜ息子のスンジェなのかという点だ。接点がまるでない2人の間に、一体何があったのだろうか。ピンクのスマホにスンジェも映る家族写真があったことから、ジェホへの仕掛けに失敗したスミンは、スンジェに近寄ったとも考えられる。何か父親の秘密を握っていそうなスミンから父親を守るために、スンジェは手にかけてしまったのかもしれない。

とはいえ、スミンを仕掛けたテギョンは、2人の写真を撮ったことで満足した様子も描かれていたため、まだ他にも秘密があることは間違いないだろう。息子が殺人犯だと知った、ジュランの動向も気になるところだ。

◆文=ザテレビジョンドラマ部

「庭のある家」第5話より/(C)2023 KT StudioGenie.,Co.Ltd