黒柳徹子の自伝的物語を映像化した12月8日(金)公開の長編アニメーション『窓ぎわのトットちゃん』に声優キャストとして役所広司小栗旬、杏、滝沢カレンが出演することが決定した。

【写真を見る】主人公を成長へと導く大人たちの声を、役所広司、小栗旬、杏、滝沢カレンが演じる

本作は1981年に出版され日本累計発行部数800万部を突破し、さらに20以上の言語でも出版され、世界累計発行部数2500万部を突破した物語を、「劇場版ドラえもん」シリーズで監督を務めてきた八鍬新之介が映像化した長辺アニメーション映画。何事にも好奇心旺盛でお話好きだけど、落ち着きがないことを理由に通っていた小学校を退学させられた小学1年生の主人公、トットちゃんが、東京の自由が丘に実在したトモエ学園に転校し、恩師や友人との出会いを経て成長する姿が描かれる。

このたび、大野りりあなが演じるトットちゃんを取り巻く重要なキャラクターの声優キャストが解禁。先日、カンヌ映画祭で最優秀男優賞を受賞したばかりの役所が、ユニークな校風で知られるトモエ学園の校長である小林先生(小林宗作)を演じる。小林先生は、転校前の学校ではなじむことができず“困った子”と言われ落ち込むトットちゃんに手を差し伸べ、トモエ学園の生徒として迎え入れる。学園内に電車の教室を設置したり、お弁当の中身に「海のものと山のもの」を入れるように指示したりとその感性は当時では異色ではあったものの、豊かで自由な考えを生徒たちに教える独自の教育方針を持つ存在だった。原作者の黒柳も「小林先生とのお話を、いつか伝えたいという想いがありました」と、自身の中で大きな存在で、原作を著す大きな要素であったことを語っている。

そして、トットちゃんを語るうえで欠かせないのは両親の存在。今作ではパパを小栗、ママを杏が演じる。パパ(=黒柳守綱)は当時、日本最高峰と呼び声が高かったヴァイオリン奏者。黒柳が自身の名前である“徹子”がうまく発音できず“トット”と発音していたことから、パパは彼女を“トット助”と呼び愛情を注ぐ。一家の大黒柱として家族を守る優しさと力強さ、そしてヴァイオリン奏者としての矜持に葛藤する様を小栗が熱演している。一方、ママ(=黒柳朝)は夫を愛し、トットちゃんの成長を誰よりも近くで見守る心優しい母親。トットちゃんのお転婆な性格と行動力に心配事が絶えない日々を過ごしながらも、のびのびとした人生へトットちゃんを導いていく。杏は、黒柳と以前より交流があり、「黒柳さんとは家族ぐるみでお世話になっておりますので、オファーを頂いて嬉しかったです」とコメント。自身も3児の母である杏の演技が包み込むような大きな優しさを持ったママのキャラクターに説得力を与えている。

また家族全員が黒柳のファンだと公言している滝沢は、トットちゃんの担任、大石先生を演じることに。今回のオファーについて「すごく大好きで、家族全員が憧れている徹子さんが歩いてきた人生の物語の中に自分が入れることが本当に嬉しいです。徹子さんの物語を最高のものにしたいという想いで大石先生を演じさせて頂きました」と語っていて、個性豊かな生徒たちと一緒に自身も成長していく先生を明るく愛情たっぷりに演じている。

原作の出版から40年以上を経てもなお、世界中で新たなファンを生みだし続ける『窓ぎわのトットちゃん』。主人公を成長へと導く大人たちの声を、実力派キャストがどんな熱演で表現しているのか、ぜひ劇場で確かめてほしい。

■<キャストコメント>

役所広司(小林先生役)

「声の仕事は本当に難しいので躊躇しましたが、台本を読ませて頂きとても感動しましたし、戦争というものを子どもたちがどう感じていくのかは普遍的なテーマでありますから、やはりこういったお話は沢山の方に観て頂きたいなと思い参加をしました。妻の母親が小林先生にリトミック体操というのを教わった経験があり『素晴らしい先生だ』という話はよく聞いていました。お会いしたことはありませんが、以前から小林先生を存じ上げていたので今回演じさせて頂くことを、非常に光栄に思っています。この作品は戦争というものについてあらゆる痛みを伝えてくれる物語になっていると思います。子どもから大人まで皆さんが楽しめますし、本当にメッセージが伝わる素晴らしいアニメーションになっていると思います。是非、劇場で観てください」

小栗旬(トットちゃんのパパ役)

「黒柳さんとお話した際に、『当時は日本で一番のヴァイリニストだったと言われていた父です』と伺ったので、芸術家としての雰囲気を出せたらいいなと思い演じました。僕もトットちゃんと同じように小学生の時に、厳しさの中にも優しさがあって、しっかり向き合ってくれる素敵な先生と出会いました。ご覧頂く方々にも『こういう出会いが起きたらいいな』と感じてもらえると嬉しいです。黒柳さんは様々な経歴をお持ちで、人生を謳歌されているイメージがあります。黒柳さんの持つパワフルな部分であったり、エネルギッシュな部分であったり、好奇心旺盛な部分であったりがものすごく詰まった作品になっていると思います。想像しているよりも、より素敵なアニメーションの世界観で表現されていると思いますので、是非ご期待ください」

●杏(トットちゃんのママ役)

「黒柳さんとは家族ぐるみでお世話になっておりますので、オファーを頂いて嬉しかったです。トットちゃんのお転婆な姿や、ママ、パパの姿が映像になることが楽しみですし、何より自由が丘の街並みや電車の風景など、古き良き日本が表現されているので、当時にタイムスリップしたような気持ちになれるのではないかと思います。原作はもちろん子どもの頃から読んでいました。大人になって、また親になってから読み返すことで周りの大人たちの姿が見えてきて、『この方たちのようなことを言える大人になりたい』という視点を持ちました。世界中のベストセラーで恐らく読んだことがある方も相当多くいらっしゃると思います。もちろん原作を知らない方でも楽しんで頂けますし、原作を知っている私も『こんなことが本当にあったんだ!』と感じられました。学校の中に電車を置くなど独特で最先端な考えをお持ちの小林先生の教育方針が映像化されることに感激しましたし、またどこかにトモエ学園が復活しないかなと思ってしまいました。子どもたちや子どもたちを囲む大人の方々には是非、観て頂きたいなと思います」

滝沢カレン(大石先生役)

「オファーを頂いた時は嘘かと思いましたし、私の人生の中で信じられない現実のひとつに入りました。すごく大好きで、家族全員が憧れている徹子さんが歩いてきた人生の物語の中に自分が入れることが本当に嬉しいです。徹子さんの物語を最高のものにしたいという想いで大石先生を演じさせて頂きました。

映画の台本を読ませて頂いた際に最後のページは涙なく読めなくてつらくなってしまう部分もありましたが、明るいだけじゃないというところがまさに人生のようで、私にはすごく響きました。徹子さんの歩んできた人生が1ページ1ページになっていて、それがアニメという目に見える形になって私たちの前に出てきてくれるスペシャル大サービスなお話だと思います。観にいらっしゃる方々のご年齢や環境、自分が喜怒哀楽のどこの部分にいるのかで本当に全然違う物語になってくると思いますし、そこに徹子さんの喜怒哀楽も入ってくるので、映画館を出た後は自分が4つの感情で当てはめていたもの以上の色々な感情を持って帰ることができると思います。私は生きる楽しさや生きているからこそできること、そして勇気をもらえました。みなさんにもこの作品をご覧になって、明日への楽しみや幸せと出会ってもらえたら私も幸せだなと思います」

文/スズキヒロシ

『窓ぎわのトットちゃん』役所広司、小栗旬、杏、滝沢カレンが出演!トットちゃんを取り巻く重要キャラクターを熱演/[c]黒柳徹子/2023映画「窓ぎわのトットちゃん」製作委員会