神木隆之介主演の連続テレビ小説朝ドラらんまん」(毎週月~土曜朝8:00-8:15ほか、NHK総合ほか※土曜は月~金曜の振り返り)。9月27日放送の第128回で描かれたのは、万太郎(神木)のもとに大学時代からの友人、波多野泰久(前原滉)と藤丸次郎(前原瑞樹)が訪ねてくるエピソード。寿恵子(浜辺美波)も加えた4人の、年を重ねても変わらぬ関係性が美しく描かれ、視聴者からも感動の声が上がった。(以下、ネタバレを含みます)

【写真】授与式で登壇する万太郎(神木)。胸ポケットに可愛らしい花が

万太郎、理学博士になる

幕末から明治、そして激動の大正・昭和を舞台に、高知出身の植物学者・槙野万太が植物学の道を突き進む姿を描いてきた「らんまん」。最終週「スエコザサ」では、関東大震災を乗り越え昭和の世を迎えた万太郎たちの物語が綴られていく。

第128回では、波多野と藤丸が万太郎のもとを訪ねてきた。「ねえ万さん、理学博士にならない?」と波多野。学位令によれば、大学や大学院を出ていなくても審査で同等の学識があることが認められれば、博士号を取得することができる、という。そして、ほかでもない波多野と、名誉教授になった徳永(田中哲司)が、万太郎を推薦するというのだ。

当の万太郎は、思ってもみない話に驚きながらも「いただくことはできん」と後ろ向き。藤丸が「植物採集どころか一人で研究して論文書いて、新種発表して…ものすごい時間かかるでしょうが」と万太郎の成していることの偉大さに言及すると、波多野も「そうなんだよ。客観的に見ても、信じられない偉業を成し遂げているんだ」と頷き、改めて理学博士号取得を勧めた。

■「あなたの名前が、永遠に」

それでも固辞する万太郎に、波多野は「傲慢だよ」と一言。「槙野万太郎ここにいるのは、時代なのか、摂理なのか…そういうものに呼ばれてここにいるんだ」と語り、研究で成果をあげた自分自身を顧みて「僕は、引き受けることにした。称賛と引き換えに、学問に貢献する立場と義務を」と思いを打ち明けた。

「理学博士になるんだ、槙野万太郎!」と訴える波多野。その後ろから、寿恵子も「先に理学博士になったら、売れるじゃないですか!」と寿恵子らしい言い方で援護射撃。そして「万太郎さん、理学博士になってください。そしたら、この国の植物学にあなたの名前が刻まれるでしょ?あなたの名前が、永遠に」と、最後はそっと背中を押した。

植物学という学問の大きな流れに身を置いてきた者として、果たすべき役割がある、という波多野の考え方。それは、万太郎が初めて大学の門を叩いた時に理学博士の田邊(要潤)が口にした“ノブレス・オブリージュ”にも通じる。そして、寿恵子の「この国の植物学に、あなたの名前が刻まれるでしょ?」の一言は、「名前のない植物などない」という一心で植物に向き合ってきた万太郎にこそ響く言葉だ。

そんな万太郎波多野、寿恵子の様子をニコニコ見守る藤丸。3人の思いが届き、万太郎は理学博士号の取得を決心した。

■「#朝ドラらんまん」トレンド入り

最終週にふさわしく、万太郎の歩んできた道を振り返るような波多野と寿恵子の言葉。そして何より万太郎波多野、藤丸の変わらぬ友情に、視聴者からも「波多野藤丸コンビ最高!」「3人の友情がずっと続いていることが本当に嬉しい」といった声が続々。

また、博士号授与式に姿を見せた徳永名誉教授の好々爺然としたたたずまいも注目を集め、放送後は「#朝ドラらんまん」がトレンド入りする反響を見せた。

残り2回となった「らんまん」。9月28日(木)放送の第129回では、理学博士となった万太郎が改めて、図鑑完成への決意を固める。また、この回でも懐かしい顔ぶれが新たに登場する。

「らんまん」第128回より/(C)NHK