輸送考えると戦車も軽い方がイイんですけどね。

アメリカ太平洋陸軍トップが明言

インド太平洋地域を担当エリアとするアメリカ大洋陸軍は2023年9月25日、公式SNSで「アメリカ陸軍は太平洋エリアの戦車配備数を増やす」と明言しました。

これはアメリカ太平洋陸軍の司令官であるチャールズフリン大将が最近メディアに対して語った内容を改めて明文化したものになります。

アメリカメディアによると、チャールズフリン大将は「制限された地域(エリア)で戦うためには、諸兵科連合部隊の高い機動力が必要だと考えます。そういったなか、機動力が低下する地形のなかで作戦を遂行するためには、戦車が持つ優れた防御力は絶対に必要です。そして、ここ(インド太平洋)には、そのような制限された地域が数多く存在します」と述べたそうです。

また、この太平洋エリアへの戦車増備に関して、フリン大将は新たに開発が進められている一連の戦車が軒並み軽量化に舵を切っていることも理由に挙げたといいます。その一例として明記されていたのが、陸軍の主力戦車であるM1「エイブラムス」シリーズの最新型となるM1E3。この戦車は、既存モデルよりもはるかに軽量で、機動力が向上している一方、燃費もよくなっているとのこと。

また、海軍の揚陸艦群の増強も陸軍戦車部隊のインド太平洋展開を可能にしつつあると語った模様です。

ほかにも、アメリカ陸軍はハワイ、沖縄、東京(おそらく横浜のことだと推察)に独自の輸送船部隊を配置し運用し続けている点にも触れそうで、日本に新たな輸送船部隊を編成していることについても言及していました。

さらにフリン大将は、今年9月にインドネシアで行われた同国とオーストラリアとの合同陸軍演習で、オーストラリア陸軍のM1「エイブラムス」戦車がインドネシアに展開する際に、アメリカ陸軍の船舶がその移動をサポートしたとも語っています。

彼は「もちろん海軍や空軍の作戦能力を軽視しているわけではない」と前置きしつつ「戦車を中心とした重機械化部隊は、そのの存在感が中国を抑止するだけでなく、万一このエリア内で紛争が発生した際には、(敵に)打ち勝つ決定的な力になる」と述べていました。

こういった観点から、フリン大将いわくアメリカ陸軍は太平洋の船舶部隊を大幅に拡充することで抑止力を強化し、紛争が発生した場合には、前線での戦闘を支援できるようにするとのことでした。

アメリカ陸軍のM1「エイブラムス」戦車(画像:アメリカ陸軍)。