WBCを制した栗山監督の後任人事は、想像以上に難航したようだ(C)Getty Images

 野球日本代表侍ジャパンの新監督候補が井端弘和氏に一本化された。多くのメディアが既に一斉に報じており、近日中に正式発表に至る見込みだ。

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 一方でやはり数多くのメディアが伝えているのが、今回の新監督就任に至るまでの日本野球機構NPB)の迷走ぶりだ。

 侍ジャパンは3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で3大会ぶり3度目の優勝を飾った。大谷翔平ダルビッシュ有メジャーリーガーが集結した最強ジャパンは、日本列島を感動の渦に巻き込んだ。

 頂点へ導いた栗山英樹監督は退任。その後任が大いに注目されていたが、誰もが知るビッグネームの名前が次々と候補に浮上しながらも実現には至らなかった。任期は2026年春に開催される第6回WBCまでと長く、世界一奪還という結果を残した栗山監督の後任という点も、候補者たちが二の足を踏んだ要因だと言えるかもしれない。

 多くのメディアで実名が露出済みだが、イチロー松井秀喜工藤公康高橋由伸松坂大輔上原浩治井口資仁(敬称略)ら、豪華絢爛な名前が報じられてきた。

 とはいえ、イチロー松井秀喜松坂大輔上原浩治の4氏は、プロチームでの監督経験がない。工藤氏はソフトバンク指揮官として確かな実績を残したが、高橋、井口両氏は巨人とロッテを率いて優勝することはできなかった。何をどう評価してこれらビッグネームの名前がそろったのか、多くのファンが疑問の声を投げかけていた。

 侍ジャパンとなれば集まる選手たちもビッグネームぞろい。そんな選手たちを率いるには、確かにビッグネームの指揮官が座りはいい。だが、果たしてそれが正解なのだろうか。

 今回就任する井端弘和氏は歴代監督と比べれば名前の点で地味かもしれない。それでも代表コーチは2017年から長く歴任しており、指導力や卓越した戦術眼は評価が高い。火中の栗を拾う格好となるが、これまでの代表監督像を覆すような活躍をみせてほしい。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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