稲垣吾郎新垣結衣が共演する映画『正欲』が、第36回東京国際映画祭コンペティション部門に正式出品されることが決定。併せて、稲垣、新垣、磯村勇斗、佐藤寛太、東野絢香の5人のメインキャストコメントと場面写真が解禁された。

【写真】『正欲』豪華キャスト陣の出演シーンを写し出した新たな場面写真

 本作は、第34回柴田錬三郎賞を受賞した朝井リョウによる同名小説を監督・岸善幸、脚本・港岳彦で映画化。家庭環境、性的指向、容姿…さまざまに異なった“選べない”背景を持つ人たちを同じ地平で描写しながら、人が生きていくための推進力になるのは何なのかというテーマを炙り出していく衝撃的な物語を、原作とは異なり、ある種のラブストーリーとして映像化する。

 検察官として横浜検察庁に務め、妻と息子と3人でマイホームに暮らす寺井啓喜役に稲垣吾郎。広島のショッピングモール契約社員として働く桐生夏月役に新垣結衣。両親の事故死をきっかけに広島に戻ってきた夏月の同級生・佐々木佳道に磯村勇斗。そして、佐藤寛太がダンスサークルで活動し、大学の準ミスターに選ばれるほどの容姿を持つ諸橋大也、東野絢香が大也と同じ大学に通う神戸八重子を演じる。

 この度、本作が第36回東京国際映画祭(10月23日11月1日開催)のコンペティション部門に正式出品されることが決定。本映画祭がワールドプレミアとなる。この出品決定に際し、メインキャストの5名からコメントが到着。稲垣は「観た後、それぞれ違った感じ方をしていただきたい映画」、新垣は「自分が想像しえない世界は確実にあって、そこにいまも生きている人がいる。それがどういうことなのかを常に考えながら撮影した作品」と語る。

 磯村は「この『正欲』を通して、我々と観て下さった方が『何か』を共有し育み、互いに勇気を持って、一歩でも半歩でも自分の人生を進めていけるようなれたら嬉しいです」、佐藤は「善く生きるということ。人と共存するということ。人生の意義を考えること。暮らしのなかでは保留することができる答えのない問いが、映画という実態を伴って眼の前に現れました」、東野は「完成された『正欲』は、人間の命がとても美しく描かれた映画でした。上手に息が吸えない私たちに、今を生きるための酸素を送り届けてくれる作品です」と、それぞれコメントを寄せている。

 併せて、キャスト陣の出演シーンをとらえた場面写真7点も到着。1点目は、啓喜(稲垣)の妻・由美(山田真歩)と息子・泰希(潤浩)が、穏やかではない表情で啓喜を見る場面。2点目は、ショッピングモールで接客中の夏月(新垣)が何かをこらえるようにうつむく姿。3点目は、佳道(磯村)が何とも言えない表情で一心に誰かを見つめている姿。4点目は、ダンスサークルのリーダー・高見優芽(坂東希)が同席する中、神戸(東野)が学祭実行委員として大也(佐藤)にイベント出演依頼をする場面。

 5点目は、検察事務官の越川秀己(宇野祥平)が啓喜にある事件の資料を渡すシーン。6点目は、由美と右近(鈴木康介)が子供たちとパソコン画面をのぞき込む姿。7点目は、中学生時代の夏月(滝口芽里衣)と佳道(齋藤潤)が、目を閉じて一心不乱に水を浴びる場面。本編では果たしてどんなシーンに仕上がっているのか、期待が高まる写真となっている。

 映画『正欲』は、11月10日より全国公開。

キャストコメント全文は以下の通り。

<コメント全文>

稲垣吾郎(寺井啓喜役)

観た後、それぞれ違った感じ方をしていただきたい映画になっていると思います。全てに疑問を持ちながら、純粋な気持ちで演技に向き合うことができました。

新垣結衣(桐生夏月役)

問われている感覚が、原作を読んだ時から、映画が完成した後もずっとそばにあります。自分が想像しえない世界は確実にあって、そこにいまも生きている人がいる。それがどういうことなのかを常に考えながら撮影した作品でした。

■磯村勇斗(佐々木佳道役)

観終わった後、温かい気持ちになり、自分を大切にしようと思いました。この『正欲』を通して、我々と観て下さった方が「何か」を共有し育み、互いに勇気を持って、一歩でも半歩でも自分の人生を進めていけるようなれたら嬉しいです。

■佐藤寛太(諸橋大也役)

善く生きるということ。人と共存するということ。人生の意義を考えること。暮らしのなかでは保留することができる答えのない問いが、映画という実態を伴って眼の前に現れました。僕はこの作品を引きずって大人になっていこうと思います。

■東野絢香(神戸八重子役)

完成された『正欲』は、人間の命がとても美しく描かれた映画でした。上手に息が吸えない私たちに、今を生きるための酸素を送り届けてくれる作品です。この映画が、少しでも多くの方に届く事を、心から願っております。

映画『正欲』場面写真 (C)2021 朝井リョウ/新潮社 (C)2023「正欲」製作委員会