銀座 蔦屋書店東京都中央区 GINZA SIX 6F)では、アーティスト ヒロ杉山の個展「BLACK MOON」を店内アートスペースFOAM CONTEMPORARYにて、2023年10月7日(土)~10月25日(水)の期間に開催します。

“BLACK MOON 01” 2023 acrylic on canvas    1303mm x 803mm

特集ページ|https://store.tsite.jp/ginza/blog/art/36060-1821050922.html

  • 概要

ヒロ杉山は、ファインアートで作品を発表しつつある一方、展覧会のキュレーションも多く手がけています。近年、絵画作品に描かれたモチーフのアウトラインの内側を黒く塗りつぶしたブラックペインティングシリーズを精力的に制作してきました。黒くシルエット化して抽象度を上げることで、具象/抽象、既存のイメージ/新たなイメージの境界を探る試みです。作品の表面には筆致や絵の具による凹凸が生まれ、光と影によって黒一色の中でも元のイメージの色彩や形態を強く意識させます。それと同時にアウトラインのみを描くことで抽象性を持ち、イメージの具象と抽象を往復します。

「BLACK MOON」と題した本展では、シリーズとしては初の浮世絵作品のほか、セザンヌ、ピカソ、マティスをモチーフとした作品も展示します。具象と抽象の境界を行き来する、黒の絵画空間に表現された「狭間」を、是非会場でご覧ください。

  • アーティストステートメント

幕末から明治中期にかけて活動した最後の浮世絵師と呼ばれた月岡芳年

彼が1885年から発表し、のべ8年を掛けて完結させた大判錦絵「月百姿」と武者絵をモチーフにしたブラックペインティングを発表する。ブラックペインティングシリーズとしては初の浮世絵作品である。他にも、セザンヌ、ピカソ、マティスをモチーフとした作品を今回の個展で発表する。このブラックペインティングのシリーズとは、既存の絵画作品に描かれたモチーフのアウトラインだけを拾いシルエット化する。アウトラインの内側を黒で塗りつぶすことにより、そこに描かれていたモチーフの情報と色彩は消され抽象度を上げるという実験をしている。ピカソゴッホの有名な絵画ように、記憶の片隅にその絵画が存在するものは、抽象度をあげたとしても、脳内で元の作品の形や色彩を復元しようと脳はフル回転し、そこにあったはずの色彩を想像し始めるのである。しかし元になる作品を知らない場合は、その絵の抽象度は上がって行くだけである。

具象と抽象の境界線はどこにあるのか?

この事は私が絵画を製作する上で、テーマにしてきた一つである。具象の作品が、その絵の持つ特徴、色や形や構図などを排除して抽象度をあげていった時に、人の脳はどの段階で、それを抽象画と判断するのか?シュミクラン現象のように絵の中に描かれた3つの点が、逆三角形に配置されただけで脳はそれを人の顔と認識してしまう。抽象と具象の認識はとても曖昧である。

2020年より製作し始めた今回のブラックペインティングのシリーズは、一度、抽象度の進んだ絵画を、もう一度具象に引き戻すという行為を行なった。シルエット化され黒く塗りつぶされたモチーフに、筆のタッチ、絵の具の盛り上がりにより画面に極端な凹凸を付けることで、そこに描かれていた元の絵の色彩を黒一色で再現しようとした。黒い絵の具で作られた凹凸は、画面に光と影による表情を与えたのである。鑑賞者は、その光と影の表情に反応し、見えない色彩を感じ始めたのである。そしてその絵画の抽象度は1段階、具象へと引き戻されたのである。

このように私は、具象と抽象の間を、行き来しながら絵画の制作を楽しんでいる。

ヒロ杉山

  • 販売について

展示作品は、銀座 蔦屋書店FOAM CONTEMPORARY店頭にて10月7日(土)11時より販売いたします。

※作品はプレセールスの状況により、会期開始前に販売が終了することがあります。

  • プロフィール

ヒロ杉山

東京生まれ。湯村輝彦氏に師事、その後フリーランスとなる。

1997年エンライトメント設立。

<個展>

2023年 「Monochrome Colors」(Los Angeles、SPEEDY GALLERY)

2022年 「Monochrome Colors」(Lurf MUSEUM)

2022年 「Paint it black」(東京、WATOWA GALLERY)

2020年 「DROP SHADOW」(東京、TAGBOAT)

2018年 「ONE HUNDRED AND EIGHT」(東京、AD ギャラリー)

2016年 「EVERYTHING IS CONNECTED」(東京、AD ギャラリー)

2016年 「SPOTLIGHT」(東京、ヒロミヨシイ ロッポンギ)

2014年 「ELM15」(東京、EYE OF GYRE)

2014年 「LEVEL OF ABSTRACTION」(東京、AD ギャラリー)

2014年 「OBIT」(東京、ヒロミヨシイ ロッポンギ)

2012年 「NEW ABSTRACT」(東京、ヒロミヨシイ ロッポンギ)

2010年 「AD 2010」(東京、ヒロミヨシイ・ギャラリー)

2009年 「SHANGHAI DREAM」(上海、SWFC アート&デザインストア)

2007年 「The Borderline」(東京、ヒロミヨシイ・ギャラリー)

2006年 「ENTRANCE TO ANOTHER WORLD」(上海、ディアージュ

2005年 「LIE OF MIRROR」(東京、ヒロミヨシイ・ギャラリー)

2005年 「LIE OF MIRROR」(イタリアチェンジング・ロール・ギャラリー)

<グループ展>

2008年 グループ展「AFTER THE REALITY 2」に参加(NY、ダイチ・プロジェクツ)

2007年 「六本木クロッシング」に参加(東京、森美術館

2006年 グループ展「AFTER THE REALITY」に参加(NY、ダイチ・プロジェクツ)

2003年 「PLANET UNDER A GROOVE 展」(ドイツミュンヘン

2002年 グループ展「JAM 展」に参加(東京、オペラシティー・ギャラリー)

2001年 「スーパーフラット展」(ロサンゼルスMOCAヘンリー・アートセンター)

2001年 グループ展「ACTIVE WIRE 展」に参加(韓国)

2001年 グループ展「JAM展」に参加(ロンドン、パーピカンセンター・アートギャラリー)

2001年 グループ展「PLANET UNDER A GROOVE 展」に参加(NY、ブロンクス・ミュージアム)

2001年 グループ展「スーパーフラット展」に参加(ミネアポリス、ウォーカー・アートセンター)

  • 展示詳細

「BLACK MOON」

会期|2023年10月7日(土)~10月25日(水)

時間|11:00~19:00 ※最終日は18時までとなります。

レセプション|2023年10月6日(金)18:30~20:00 ※予約不要

定休日|月曜日

会場|FOAM CONTEMPORARY

入場|無料

主催|銀座 蔦屋書店

協力|AKIO NAGASAWA GALLERY

特集ページ|https://store.tsite.jp/ginza/blog/art/36060-1821050922.html

  • FOAM CONTEMPORARY

柔軟な企画内容をイメージする<液体(LIQUID)>と、従来のホワイトキューブとしての設備を完備した空間<個体(SOLID)>を掛け合わせ、中間的な様態“FOAM”という名のもと、日本のアートシーンを多角的に映し出す表現空間。

ロゴの最初の“O”は、泡をイメージさせるようにあえて形を崩しています。それは、日々変化していく現代のアートシーンそのものを表現しながら、アーティストの自由で柔軟な無限に存在する表現のイメージを表しています。
時代のアクチュアリティーに寄り添いながら、ライフサイクルを超えたところにあるアートの価値や醍醐味を探求、醸成する表現空間として、キャリアや年齢を問わず注目すべき様々なアーティストを紹介していきます。
Instagram|https://www.instagram.com/foamcontemporary/

本を介してアートと日本文化と暮らしをつなぎ、「アートのある暮らし」を提案します。

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  • CCCアートラボ

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