電子タバコ

電子タバコの規制強化の風潮を受け、ニコチンウダー入りのグミやキャンディの人気が高まっているという。若者への健康被害の影響について警鐘を鳴らしている。『Newsweek』や『DailyMail』が伝えた。


■ニコチン入りグミ・キャンディ

ヨーロッパ諸国では、国によって電子タバコの規制が異なる。例えばイギリスでは、18歳未満の使用は違法である。イギリス政府は今年、18歳未満電子タバコを販売した事業者側にも罰金を科す規制の見直しを打ち立てた。

電子タバコへの規制の強化が顕著なイギリスでは、代替品となるお菓子の人気が高まっているという。グミやキャンディニコチンウダーを混ぜ、カラフルなパッケージで普通のお菓子のように販売されるのだ。

一見するだけでは、電子タバコの2倍に相当するニコチンが含まれた危険物とは分からない。イギリスではニコチンウダーへの規制はないため、幼児なども食べてしまう可能性も懸念される。


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■米高校生7人に1人は喫煙

電子タバコはもともと、喫煙者への代替品として広まった製品だった。ところが、既存のタバコよりも健康へのリスクが低いとしたうたい文句やデザイン性の高さから、未成年を含む若い世代に広まっていった。

アメリカ食品医薬品局の2022年調べでは、同国の高校生のおよそ7人に1人が電子タバコを使用しており、全米で214万人の若者に相当するという。

カナダの研究者らの分析では、電子タバコを使用している若者は、使用しない同年代と比較して慢性的なストレス状態にあることが分かっている。

また肺疾患や喘息といった呼吸器への影響や血管損傷、心臓病の潜在的なリスクも高まると指摘している。


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■電子タバコに潜むエアゾルリスク

電子タバコのリキッドには、ニコチンに加えて植物性グリセリンとプロピレングリコールと呼ばれる、風味付けの化学物質が含まれている。

これらの成分は化粧品や食品にも使用されるのだが、吸入した場合の長期的なリスクは明らかになっていない。

電子タバコは、液体を加熱する際にアルデヒドという物質を生成する。アルコールが分解するときにも出る物質で、これにより頭痛や胸やけなどの二日酔いのような症状がおこるといわれている。

電子タバコは軽い酩酊症状を引き起こすほか、ニッケル、スズ、クロムアルミニウムといった金属汚染物質が溶け出し、水蒸気と一緒に吸い込んでしまう可能性が高いという。


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■医者の見解はバラバラ

電子タバコの健康被害に関しては、医者の見解が2極に分かれている。すでに廃止となったが、イングランド公衆衛生局は2015年時点で、電子タバコは紙巻タバコよりも有害性が約95%低いと公言していた。

またポーランドの医科大学の研究者らは、タバコ製品の濃度が電子タバコより高いが、電子タバコにリスクがないわけではないとしている。

ロンドン歯科医は、電子タバコは口内を乾燥させるため、歯肉の炎症や腫れ、出血を引き起こす可能性を指摘。

イギリスでは、2022年に電子タバコが原因で約350人が病院に入院。主な原因は息切れ、胸痛、肺の炎症だったが、中には呼吸不全などの重篤な呼吸器疾患に陥ったケースもあったという。

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(文/Sirabee 編集部・[本間才子])

英国で若者の電子タバコ健康被害に警鐘 ニコチンパウダー入りお菓子が人気の兆し