唯一の定期夜行列車となった「サンライズ瀬戸・出雲」。そこに「鉄道ファンが一番楽しめる個室」があるとのこと。いったいどんな部屋なのでしょうか。交通系Youtuberの「がみ」さんが実際にその個室を使って旅行。動画でその内容を紹介しています。

一番安くて「不人気」な個室 実は…

日本で定期運転される夜行列車として、最後の存在になってしまった「サンライズ瀬戸・出雲」。東京駅を発着し、岡山駅を経て山陰地方は出雲市駅、四国ヘは高松まで向かいます。

最も安くこの夜行列車に乗る方法は「ノビノビ座席」という、いわゆる「雑魚寝」スタイルのもので、指定席特急料金を追加するだけで乗ることができます。雑魚寝と言ってもひとりひとりのスペースが仕切られているのが特徴です。

プライベートを重視したい場合は「個室」を選択することになりますが、そこに「鉄道ファンが一番楽しめる個室」があるとのこと。いったいどんな部屋なのでしょうか。交通系Youtuberの「がみ」さんが実際にその個室を使って旅行。動画でその内容を紹介しています。

それは「3号車 1番」という個室です。まずここは、個室のグレード「ツイン」「DX」「シングル」「ソロ」の中で料金が一番安い「ソロ」にあたります。

「ソロ」はひとりあたりのスペースがやはり最小限に抑えられるほか、「安い個室」ならではの理由として、「走行音が大きい」というものがあります。というのも3号車はモーターが付いた車両なので、安眠を重視する人には、やはり音が気になるというわけです。

しかし鉄道ファンには、その走行音こそ、旅の情緒を楽しむ最高の環境。そして「3号車 1番」というのは、その中でも「台車に一番近い」個室なので、モーター音だけでなく「ガタンゴトン」という振動音すら一番楽しめるのです。

なお「3号車 1番」は、ただでさえ狭いソロの中でもさらに狭い個室。というのも、2階建て車両の2階へ上がる階段の真下に位置するためです。そのため枕元に至っては「ベッド幅=個室幅」という強烈な狭さです。

狭い・うるさい不人気な「3号車 1番」ですが、実は鉄道を愛する旅行者にとっては、最高の場所なのかもしれません。実際にここを指定して乗車したがみさんは「寝台列車のはずなのに、特に下り列車だとワクワク感があって、眠れないですね」とのこと。今回はしっかり眠るつもりが、やはりところどころ何回も起きてしまったそうです。

寝台特急「サンライズ瀬戸・出雲」(画像:写真AC)。