「国防自主」の目玉。

蔡総統「この日を永遠に忘れない」

台湾初の独自に建造した潜水艦進水式が2023年9月28日に高雄で行われました。

進水式蔡英文総統は「この日を永遠に忘れない」とスピーチしました。蔡政権は、中国の軍事圧力を念頭に必要な防衛装備を自前で調達する「国防自主」を掲げており、同潜水艦もその目標の一環として建造されました。

なお、初の自前艦となる潜水艦の名前は「海鯤(ハイクン)」で、神話上の巨大な魚にちなんでつけられたそうです。

ディーゼル発電式の通常動力の潜水艦となり、艦尾の舵が海上自衛隊そうりゅう型潜水艦のように「X」舵になっているのが特徴です。蔡総統はこれまで、独自開発の潜水艦建造は不可能と言われていたことに触れ、「我々は成し遂げた」と話しました。

同艦はこれからいくつかのテストを経て、2024年末までに海軍に引き渡される予定とのことです。さらにもう1隻も建造中で、2027年までに現在運用中でオランダ製の海龍級潜水艦2隻に加え、新造の潜水艦2隻を配備し4隻体制となる見込みです。

なお、中華民国海軍(台湾海軍)は新潜水艦の建造の理由を、中国が台湾を包囲して侵攻したり、海上封鎖しようした際の対抗策としています。

※一部修正しました(9月29日11時30分)。

進水直前の潜水艦「海鯤(ハイクン)」(画像:台湾総統府)