9月17日に全10話で終了した後も架空の「第11話」のワードがトレンド入りするなどヒットの余韻もすさまじかったのが、TBS日曜劇場の「VIVANT」だ。様々な伏線が張り巡らされているとして、毎回、有名人を含む視聴者の「考察」も大盛り上がりだったこのドラマ、主演級の俳優が脇を固める中で、妙に印象深かった一人が松坂桃李。かつての大映ドラマを思わせる何とも味わい深い演技やイジられっぷりだったのだ(9月13日配信)。

 俳優・堺雅人が主演を務める連続ドラマ「VIVANT」(TBS系)の第9話が9月10日に放送。ネット上では俳優・林遣都の熱演に絶賛の声が集まる一方で、いくつかの場面でツッコミや笑いが起きる事態となっている。

 今回は、自身が所属する「別班」を裏切ってテロ組織・テントの中枢に入り込んだ主人公の乃木(堺)が、乃木の父でテントのリーダーのノゴーン・ベキ(役所広司)から、ベキ自身がどのように過酷な人生を生き抜き、組織を作り、発展させてきたのか聞かされ、並行して、その半生が再現ドラマのようにして描かれた。そして、そのベキの若かりし頃を演じたのが林。林はこれまでも乃木の回想シーンでたびたび登場したが、いずれも短い映像だった。それが、今回は本格的に登場し、その熱演ぶりにネット上の視聴者からは、称賛と感動の声が寄せられている。

 その一方で、乃木の予想外の言動も話題になっている。

「劇中、乃木はテントの資金を調達するために、拘束されている別班・黒須(松坂桃李)のフリをして、株の空売りを提案。ベキから承認されて、黒須のスマホから証券会社に電話をかけるのですが、訓練された声帯模写で巧妙に黒須に成り代わるのかと思いきや、まさかの素人レベルのモノマネで押し切っていました。さらに2度目の電話では、ほぼいつもの乃木のしゃべり方でゴリ押し気味だったため、ずっこけた視聴者が多かったようです」(ドラマウォッチャー)

 実際に視聴者からは、「声マネはさすがにバレるでしょう。あそこはお笑いシーンだったのかな」「堺さんは真剣に松坂桃李くんのモノマネを演じてたけど、二宮さんたちは『ぷぷぷ(笑)』をこらえてたんじゃないでしょうかね」「あの場面では黒須でも乃木でもFでもなく半沢直樹が降りてきてたな」など、ツッコミの声が続出。

「視聴者の笑いを誘った場面はここだけではありませんでした。さらにさかのぼって黒須のスマホを解除する場面も話題になりました。乃木は当初、黒須を押さえてスマホの顔認証を解除しようとしましたが、黒須は顔をゆがめるなどして変顔で対抗。結局、黒須は気を失わされて、まぶたをテープで固定され、目を強制的に開かせることで顔認証を解除されていました。視聴者の中にはイケメンの松坂がテープに引っ張られて目を開いている様子に笑いを禁じ得なかった人も多かったようです。さらに終盤で、実は乃木は別班を裏切っていなかったことが判明すると、直前まで乃木を呼び捨てにし、辛辣な言葉を浴びせていた黒須が『乃木……さん』と敬称を付けた、その変わり身の早さもネット上では話題となっていました。いずれも黒須周りのネタというのもあって、SNSなどでは動画の切り抜きや画像が拡散されています」(前出・ドラマウォッチャー)

 第9話は感動回であったと同時に屈指の“お笑い回”でもあったようだ。

(柏原廉)

アサジョ