ミア・ワシコウスカが主演を務め、エリック・バナやラダ・ミッチェルらが共演する映画『ブルーバック あの海を見ていた』より、日本版予告編と場面写真が解禁された。

【動画】巨大魚・ブルーバックの人懐っこい姿も 『ブルーバック あの海を見ていた』日本版予告編

 本作は、ブッカー賞に2度ノミネートされた実績を持ち、オーストラリアで最も広く親しまれている作家ティム・ウィントンのベストセラー小説を映画化。ターコイズブルーの海に育まれた母と娘の絆の物語を、環境保護のメッセージをこめて紡ぎ上げた感動作だ。

 若き海洋生物学者のアビージャクソンは、母親ドラが脳卒中で倒れたとの知らせを受け、故郷である西オーストラリアの海辺の町ロングボート・ベイに帰ってくる。美しい海を一望できる高台の自宅で口が聞けなくなったドラを世話するアビーは、いつも母と一緒だった少女時代に思いを馳(は)せていく。

 8歳の誕生日にロバーズヘッドという入り江に初めて潜り、巨大な青い魚の“ブルーバック”と出逢った宝物のような体験。そして環境活動家だったドラから、豊かな恵みをもたらしてくれる海の素晴らしさを教わったこと。そんなかけがえのない日々を回顧し、アビーは自らの原点を見つめ直していくのだった…。

 監督を務めたのは、昨年日本でも公開されたクライム・サスペンス『渇きと偽り』が好評を博したロバート・コノリー。1997年に出版されたティム・ウィントンの原作小説に魅了され、長らく映画化を熱望してきたコノリーにとって、本作はその夢を叶えたプロジェクトとなった。

 キャストは、国際的に活躍するオーストラリアの実力派キャストが集結。アビーを演じるのは、『アリス・イン・ワンダーランド』で脚光を浴びたのち、ジム・ジャームッシュ、パク・チャヌク、デヴィッドクローネンバーグ、ギレルモ・デル・トロといった名だたる鬼才の作品に出演してきたミア・ワシコウスカ。母との絆、自然との結びつきを心の支えに、よりよき未来をたぐり寄せようとするアビーの心模様を繊細に表現した。

 そしてバイタリティあふれる母ドラを『サイレントヒル』のラダ・ミッチェルが演じ、コノリー監督の前作『渇きと偽り』で主演・プロデューサーを務めたエリック・バナが、母子と心を通わせる漁師マッカ役で登場する。さらに8歳と15歳のアビーをそれぞれ演じたふたりの新星、アリエル・ドノヒューとイルサ・フォグが、映画にみずみずしい躍動感を吹き込んでいる。

 このたび解禁された日本版予告編は、ミア演じる海洋生物学者のアビーが柔らかな表情で海を見つめる姿、海中の壮大なターコイズブルーの景色が映し出されるところから始まる。巨大な青い魚に「ブルーバック」と名づけ、海中で戯れる幼い頃のアビー。大人になったアビーは、久しぶりに戻った故郷で少女時代に思いを馳(は)せる。

 中盤以降は、リゾート化計画の工事に猛反対し、抗議運動の先頭にたつ母ドラのたくましい姿や、密漁者に立ち向かうアビーが描かれ、ブルーバックにも危険が迫っている様子がうかがえる。果たしてブルーバックはどうなってしまうのか。そして母娘が紡いできたものとは何か。「後悔はしないで」というドラの言葉が心に沁みる、エモーショナルな予告となっている。

 併せて解禁となった場面写真には、故郷でアビーが言葉を発しなくなってしまったドラの手を握る姿や、アビーブルーバックが向き合う海中シーン、幼少期から現在に至るアビー、母娘が寄り添う姿が写し出されている。

 巨大な青い魚ブルーバックは、西オーストラリア州に生息しベラ科の一種であるウエスタン・ブルーグローパー。体長は約1.5メートル、体重は約40キロにも達し、約70年は生きられることがわかっており、ダイバーと出会うと子犬のようにとても人なつこく好奇心旺盛なところが人々を魅了すると言われている。また、劇中に登場するブルーバックは、CGではなく映画のためにリアルに作られたもので、その自然に動く胸びれや背びれにも是非注目したい。

 映画『ブルーバック あの海を見ていた』は、12月29日よりYEBISU GARDEN CINEMA、シネスイッチ銀座ほか全国順次公開。

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