『呪い返し師-塩子誕生』(22)などを手掛けてきた赤羽博監督による映画『二十歳に還りたい。』の初日舞台挨拶が9月29日、都内映画館で行われ、田中宏明、三浦理香子、上杉祥三、赤羽監督が参加。ある日突然、二十歳に若返ってしまった寺沢一徳の青年期を演じた田中だが、80歳の一徳を演じた津嘉山正種からの「この映画のテーマは無償の愛です」などと言うビデオレターに感激した。

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田中は「本当に貴重なメッセージをありがとうございます!」と最敬礼で「津嘉山さんも仰った無償の愛という言葉はこの映画でも大事なメッセージであり、自分にとっても大事な言葉。無償の愛に生きよ、人を愛し、活かし、許せという言葉を自分自身にも重ねてこれからも生きていきたい。そして津嘉山さんのように渋くカッコいい男になっていきたいです」と大いに刺激を受けていた。

撮影を振り返って田中は「自分の未経験の部分ばかりで、一徳を演じるのは難しかった。でも80歳の一徳を演じた津嘉山正種さんが重みと深みを残してくれて自分の足りない部分を補ってくれた」と大先輩リスペクト。一徳に想いを寄せる山根明香役の三浦は「たくさんのキャストの皆さんとお芝居することが出来て、人によって得られるものが違うと思った。幸せな時間を経験させていただきました」と初々しく語った。

明香(三浦)の父親であり、俳優としての一徳の育ての親でもある山根心太郎役の上杉は「情熱的な演出家という設定だったので、自分の若かりし頃に演出家の先生に怒られたことを思い出しました。しかもロケ地は自分が44年前に上京して通った劇団の研究所だった。まさにこの映画に導かれた」と運命を感じていた。

赤羽監督は、人生においての笑顔の大切さを熱弁しながら「ラグビー日本代表も勝って、今晩は中秋の名月でお月様も綺麗。月も見てこの映画も観てくださいね」とアピールしていた。

取材・文/石井隼人

映画『二十歳に還りたい。』初日舞台挨拶が開催