9月21日から9月24日にかけて幕張メッセで開催された『東京ゲームショウ2023(以下、TGS2023)』。昨年よりも規模を拡大して行われた本イベントは、各社から新タイトルが数多く出展され、大盛況のうちに幕を閉じた。

【画像】『ゼンゼロ』コスプレイヤーも! 大盛況だった「TGS2023」現地の様子

 コロナ前の規模に戻ったTGS2023を訪れたゲームファンの読者も多いだろうが、「数が多すぎてすべて回りきることができなかった!」という方がほとんどかもしれない。本稿では、筆者が個人的に気になった『ゼンレスゾーンゼロ』『リアセカイ』『ポッピュコム』の3タイトルをピックアップし、展示ブースの様子を交えた試遊レポートという形でお届けする。

■『ゼンレスゾーンゼロ』魅力的なキャラクターと、爽快感のあるアクションが面白い!

 『ゼンレスゾーンゼロ』は『原神』や『崩壊:スターレイル』を手掛ける、HoYoverseの新作アクションRPGだ。このブースでは『ゼンレスゾーンゼロ』の他にもHoYoverseの人気タイトルの展示も用意されていたため、多くのファンが足を止めていた。待機列に並ぶHoYoverseのファンは、まだ見ぬ新作『ゼンレスゾーンゼロ』に期待を寄せているのだろう。今回のイベントでは、PC版の試遊のみが用意されていた。

 基本操作はクリックによる通常攻撃、Eキーによる特殊スキル、Qキーの終結スキル(必殺技)、Rキーで編成内のほかキャラクターに切り替えと、『原神』や『崩壊3rd』に近い操作感だった。

 本作で特に良かった点は、やはりHoYoverseタイトルの強みである「キャラクターの魅力」が存分に発揮されていたところだ。『原神』をはじめとしてキャラクター人気が高い同社のゲームだが、本作でもその魅力は衰えていない。

 その魅力が存分に伝わったのが、試遊できたモードのひとつである、ストーリーモードだ。このモードではメインビジュアルにも写っている邪兎屋の「アンビー」「ニコ」「ビリー」がメインで登場し、ゲームの基本的な操作方法を学びながら進めていく。今回のストーリーでは、どうやら邪兎屋の3人は何者かに追いかけ回されている様子。そこでの掛け合いがとにかくコミカルで可愛らしい。

 本作のキャラクターたちはストリート風のファッションや現実っぽさのある衣装に身を包んでおり、HoYoverseの他のタイトルがファンタジー寄りなデザインをしているのと比べるとかなり新鮮に感じる。その雰囲気はイベントのブースでも表現されており、壁や柱に貼られたポスターはどれも目を引くデザインで、ついつい写真を撮ってしまった。

 そんなキャラクターたちの魅力は、戦闘パートでもしっかりと感じられた。本作の大きな特徴は通常攻撃とスキルをつなげて戦うハイスピードアクションなのだが、そのなかで挟まれる「連携スキル」がキャラクターのかっこよさとゲームの爽快感を引き立たせていた。

 戦闘ではキャラクターを3人まで編成して戦うことができ、連携スキルを発動するとそれらのキャラクターたちが入れ替わってどんどんコンボがつながっていく。通常攻撃に絡めた特殊スキルと連携スキルで、次々に繰り出される攻撃で敵を翻弄する感覚が非常におもしろい。

 アクションゲームとしての爽快感がありつつ、キャラクターの魅力もしっかりと引き出している本作は、良い意味でHoYoverseらしさを感じるゲームとなっていた。

 『ゼンレスゾーンゼロ』は、スマートフォン、PC、コンシューマー向けに配信予定だ。公式サイトでは、最新情報を受け取れる事前登録も実施中なので、ぜひチェックしてほしい。

ブシロードゲームズの新作『リアセカイ』。武器と魔法道具を組み合わせたビルドを考えるのが面白そう

 次に紹介する『リアセカイ』は、アニメやTCGで知られるブシロードNintendo Switch向け新作アクションRPGだ。今年の1月にブシロードゲームズの立ち上げと同時に発表された本作は、『牧場物語』や『ルーンファクトリー』シリーズなどで知られるはしもとよしふみ氏が手掛けており、ブシロードゲームズのオリジナルタイトルの第1弾となるゲームだ。今回の試遊では基本的なバトル部分と、ゲーム序盤のダンジョンを体験することができたので、そのプレイフィールをお届けする。

 本作の基本は通常攻撃と覚醒技(武器スキル)、回避、そして4つの魔法道具を組み合わせたコンボアクションだ。操作はとても簡単で、通常攻撃の途中に武器スキルや魔法道具を繰り出すことでサクサクと攻略が進んでいく。

 特筆すべきは、自由に組み替えができる4つの魔法道具だ。今回の試遊で用意されていたのは回復ポーション、弓矢、範囲スタンの絶叫プラント(マンドラゴラのような植物)、グラブの4つ。特に弓矢と苗が強く、扇状に攻撃ができる弓矢と敵を巻き込んでスタンを与えられる絶叫プラントで、複数の敵を巻き込んで一気に倒していく感覚が気持ちいい

 またこれらは道具と言っても使ったら消費されて消えるものではなく、クールタイムの後に再使用が可能だ。そのため常に回復を回し続けられる回復ポーションも強力に感じた。

 一方であまり強さを感じなかったのがグラブ。どうやら攻撃速度を一時的に上げられるらしいのだが、あまり使うことがなくクリアまで進めてしまった。今回筆者は主に攻撃速度が速い長剣を使用していたため、もうひとつ用意されていた攻撃速度の遅い刀であれば強さを実感できたかもしれない。このあたりはプレイヤーの戦闘スタイルで好みが分かれるのではないだろうか。

 製品版では他にもさまざまな道具が実装されるものと思われる。ダンジョンへ何度も潜って強力な武器や魔法道具を集めたり、これらを組み合わせたビルドを考えたりするのがおもしろそうだ。

 『リアセカイ』はNintendo Switch10月21日発売予定。9月25日からはゲーム序盤を遊べる体験版も配信中となっている。

■『ポッピュコム』ポップな色合いのパズルアクションは、シンプルながらやりごたえ抜群のゲームに

 カラフルな色合いが印象的な『ポッピュコム』はPC、PlayStation 4、PlaySstation 5向けの協力型パズルアクションゲームだ。

 本作を手掛けるのはスマホゲームアークナイツ』を開発するHypergryph。TGS直前の9月9日に発表された本作はかなりポップな雰囲気で、同社のこれまでのイメージから大きく離れた作品となっている。それもあってか、発表直後のSNSでは今回の発表に驚くファンも多く見受けられた。だが実際に試遊してみると、マルチプレイで遊べるパズルアクションとしておもしろく、Hypergryphのゲーム作りの地力を実感させられたので紹介していく。

 今回の試遊では2人プレイのみ遊ぶことができた。製品版では2人以上のプレイも可能なようだ。本作で重要になるのは、キャラクターそれぞれに割り当てられる4つの「色」。プレイヤーはそれぞれ割り当てられた色を使いこなしながら、ステージギミックを攻略していく。たとえば紫の的には紫を担当するプレイヤーが弾を当て、黄色の的には黄色を担当するプレイヤーが弾を当てるといった具合だ。

 こうして文章にするとシンプルに思えるが、実際にゲームを遊んでみるとなかなかこれが難しい。たとえば、移動する床に乗って次々と現れる色の壁にタイミングを合わせてカラーチェンジして通過したり、転がってくる巨大なボールに対応する色の弾を撃って消したりと常に「4つの色」を意識しなければならない。最初はこのカラーチェンジが難しく、目の前の色が自分の担当かどうかで頭が混乱してしまった。

 しかしゲームに慣れていくうちにお互いの息も合っていき「ピンク、黄色、ピンク……みどり!」と声を掛け合いながら一緒にギミックを攻略するなど、協力ゲーム特有のわちゃわちゃ感をしっかりと感じられた。

 ポップな色合いと瞬時の判断力が試されるゲーム性は、遊んでいる本人のみならず後ろから見ていても盛り上がる楽しさがあった。家族や友人と集まって、ワイワイと盛り上がりながら遊ぶのがおもしろそうだ。

 『ポッピュコム』はPC、PS4PS5にて配信予定となっている。

(文=財仙)

TGS2023に出展された話題の新作をプレイ