ニチレイフーズは通販限定の冷凍おかずセット「気くばり御膳」シリーズをひらがなの「きくばりごぜん」に変更し、使用する包装資材のすべてを環境対応素材に切り替える。包装資材はFSC認証を受けた紙を使用したトップシールや配送用ダンボール、炭酸カルシウムを主原料とした新素材のトレイを採用し、10月27日に発売する新商品3品・リニューアル品4品の計7品から、順次切り替えていく。

今回のブランド刷新の背景にはライフスタイルや食へのニーズの変化が加速している状況がある。近年、テレワークが一定程度定着したことなどを受けて家庭内の喫食機会が増加し、それに伴い食事準備の合理化や、同じ食卓でも各人が自身の目的や嗜好に合わせた食事をとる「パーソナルユース」志向や、健康意識の高まりによる食習慣の見直しなどのニーズが顕在化している。また若年層を中心に、環境に配慮した商品を選ぶ「エシカル消費」の機運も高まっている。

今回のブランド刷新によって、手軽に健康、簡単便利、環境配慮といったスマートな食生活を求める生活者へ幅広く価値を届けていきたい考えだ。

商品に使用するトレイ、フタ、配送用段ボールなどすべて環境に配慮した素材を使う「オール環境包材化」は、ニチレイフーズ初の取り組みとなる。

「きくばりごぜん」シリーズの包装容器は、FSC認証を受けた紙製のトップシールと、「STONE-SHEET」を使用したトレイを新たに採用する。STONE-SHEETとは(株)アースクリエイトによる、地球温暖化防止に貢献するパリ協定、海洋プラスチック問題に対応できる炭酸カルシウムを主原料とした新素材。従来のトレイと比較して、4割以上のプラスチック削減につながるという。

トップシール容器にすることで、密封性向上とシンプルな開封を両立した。喫食後は可燃物として捨てられるため、容器の処理もスマートになる。

ひらがなの「きくばりごぜん」へは今回の新商品・リニューアル品から順次変更していく。包装デザインもより優しく親しみやすいものへ変更して、従来のメインユーザーであるシニア層に加え、若年層など幅広い客層への利用拡大を図る。

包装デザインは食の楽しさとブランドストーリーを伝えるものに変更する。トップシールには橙・ピンク・黄色の温かみのある3色を採用。「きくばり」の文字を散りばめた12種類のショートエッセイを掲載し、日常の中にある何気ない「きくばり」を伝えていく。

配送用段ボールにもFSC認証を受けた紙を使用する。

なおリニューアル後も「きくばりごぜん」シリーズは引き続き、主菜と3~4種類の副菜をセットし、カロリー300kcal以下、塩分2.0g以下、野菜100g以上使用することで、健康に配慮する。嗜好や体調などに合わせた食事を、飽きずに継続してもらえるように和洋中バラエティ豊かなラインアップを提案していく。

「デミグラスのポークソテー」
デミグラスのポークソテー

〈冷食日報2023年9月29日付〉

トップシール