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もくじ

ルノースポール最終となる1976台
しっとりした硬さ、動き、熟成の跡
ドライバビリティに込められた「人の手」

ルノースポール最終となる1976台

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市販FF車、ニュル最速! そんなキャッチコピーで一世を風靡したルノーメガーヌR.S.。

ホットハッチの代表選手もしかし、電動化の波に吞み込まれるようにしてそのモデルライフを終えようとしている。

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また1976年に誕生し、F1やスペシャルモデルの世界で有名なルノースポールの名称も、今後はアルピーヌに統一されることが決まっている。

すでにメガーヌR.S.のカタログモデルはその生産を終了しており、ディーラーに在庫があるだけの状態。

現在確実に手に入るのは、世界限定1976台の最終モデル、メガーヌR.S.ウルティムだけとなっている。

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ウルティムのベースは硬派なシャシーセッティングである「シャシーカップ」を採用したメガーヌR.S.トロフィーである。

その見た目はボンネットやフロントドア、そしてリアバンパーに貼られたロザンジュ(菱形=ルノーのエンブレム)をモチーフとしたマットな黒いデカールと、フロントバンパーのULTIMEの文字によって識別できる。

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また室内にはルノースポールのテストドライバーでありニュルのアタックドライバーとしても有名なロラン・ウルゴンのサイン入りシリアルナンバー入りプレートも掲げられている。

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ウルティムのカラーリングは今回の試乗車が纏っていたジョンシリウスメタリック以外に、オランジュ トニックメタリック、ブランナクレメタリック、ノワールエトワールメタリックの全4色が用意されている。

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しっとりした硬さ、動き、熟成の跡

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センターコンソールプレートに0000というシリアルナンバーが刻まれたプレスカーのウルティム。ボディは見慣れたジョンシリウスメタリックだが、それ以外の部分がことごとく黒いトーンで引き締められており、シックな佇まいに見える。

黒仕上げのパーツには、ベースモデルに対し1本あたり2kgも軽量な19インチホイール「Fuji Light」も含まれている。

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ウルティムのギアボックスは6段EDCと6段MTから選べるが、今回はEDCの方だった。

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スタートボタンを押し、300psの最高出力を誇る1.8Lターボを呼び覚ましてワインディングへと入っていく。

シフトパドルで操るEDCのスムーズな変速や、角の取れた乗り心地のおかげで、ゆったりと走っている限り特別なモデルをドライブしている感じは希薄だ。「FF最速!」を彷彿とさせるのは、路面の轍に前輪をグイッと取られた時くらいだ。

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だがスロットルを深く踏み込めば、そこからはタイムアタッカーの性格が顔を覗かせる。キックダウンによってエンジンが力強く唸り、怒涛の加速がはじまる。

FFであるにもかかわらずトラクションが4輪に掛かって覚醒する感覚は、現行のメガーヌR.S.がデビューした時から変わらない感動ポイントといえる。

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一方、デビュー当初はその作動感が少し大げさだと感じていた4コントロール、後輪操舵は徐々に動きが滑らかになっており、今回は全く違和感がなかった。

全ての熟成が含まれている、これは最終型のメリットといえる。

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ドライバビリティに込められた「人の手」

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メガーヌR.S.の機能面の充実や走りの完成度の高さはこれまで感じてきたとおり。そしてこのクルマがデビューしてから今年で6年が経過するが、それでもなおドライバビリティに関して古さを感じさせない点がすばらしい。

ライバルのシビック・タイプR以外にライバルと呼べるようなモデルがなくなってしまったこともあるし、実際にメガーヌR.S.は非常に「人の手が入ったクルマ」だからである。

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先にあげた4コントロールや300psのエンジン、シャシーカップの専用装備であるLSD、懐の深いアシの要となるHCC(ハイドローリック・コンプレッション・コントロール、)等々、メガーヌR.S.は「スペック対決」でも楽勝できる内容を誇っている。

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だがそれより重要なことは、それらのエクイップメントがハイスピード・ドライビングの中で完全に連携しており、そこに走り好きなドライバー/エンジニアの存在が感じられることだろう。

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例えばメガーヌR.S.と比べればドイツのライバルはAWDの恩恵に寄りかかっていることもあり、走りの仕上げが大雑把に感じられる部分も多い。

しかも今後は走りの部分に費やしていたコストを電動化や環境性能に割り振る必要がある。

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メガーヌR.S.の魅力が色褪せることなく、そして不世出の1台である理由は、人の手が掛かっているというだけでなく、今というタイミングにもあるのだ。

ウルティムはまさにラストチャンスなのである。

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ルノー・メガーヌR.S.ウルティム 技術と心がつまった不世出の1台 最後のチャンス