このほどギリシャで、ビニールハウスの中にヒツジの群れが迷い込み、栽培中の医療用大麻約100キロが食べられてしまった。事態に気付いた栽培主は「ヤギよりも高くジャンプしていましたよ」とヒツジたちのおかしな行動を振り返っていると、米ニュースメディア『New York Post』などが報じた。

被害に遭ったのは、ギリシャ中央部テッサリア地方のアルミロスにある医療用の大麻を栽培しているビニールハウスだ。ギリシャでは、2017年から特定の医療目的に対する大麻の栽培と生産は合法となっているが、この制度は厳格な法のもとに成り立っており、適切なライセンスを持つ者に限り医療用大麻の生産、輸入、輸出が許可されている。

9月4日から3日間にわたって暴風雨「ダニエル」に襲われたテッサリア地方は、大きな洪水被害に見舞われた。ヨーロッパで過去最高の月間降水量を記録するほどの暴風雨で、ギリシャ国内では17人の死亡者が出る甚大な被害が発生した。この影響でアルミロス周辺の牧草地は大部分が冠水し、近くの牧場で飼育されていたヒツジの群れがエサとなる草を求めて周辺をさまよい始めた。そして空腹のヒツジたちは、何だかよくわからないが美味しそうな草が青々と茂っているビニールハウスに辿り着いたというわけだ。

ビニールハウスの中は温かく、暴風雨をしのぐ避難所として最適であった。さらには食べられそうな植物が栽培されており、たくさんの草を目の当たりにしたヒツジたちは、それが大麻とはつゆ知らず、一心不乱に貪り始めた。

このビニールハウスの所有者で、医療用大麻の栽培を行っているヤニス・ブロウニスさん(Yannis Bourounis)は、ヒツジたちに大麻を食べられてしまっていることに気付き、「笑えばいいのか、泣けばいいのか分かりませんでしたよ。暑さのせいでほとんどの生産が失われ、洪水のせいでその残りも無くなってしまい、そして最後にはヒツジの群れですよ。ヒツジがビニールハウスに入り込んで、最後の最後に残ったものを食べてしまったんです。正直、言葉もありませんよ」と肩を落としていた。

ヒツジの群れは約100キロにも及ぶ量の大麻を食べ尽くしたそうで、ヤニスさんは「ヒツジたちはヤギよりも高くジャンプしていたんです。普段はこんなことはあり得ませんよ」と、大麻を摂取したヒツジの異常行動について振り返った。

このニュースを見た人々からは、「動画があったらぜひ見てみたい」といった声や、「ハイになってダンスでも踊っていたのかな?」「ヒツジたちはいい一日を過ごしたね」「食べ始めたら止まらなくなったんだろうな」などジョーク交じりのコメントが多数寄せられている。

なおテックインサイト編集部では、テッサリア地方アルミロスの自治体に洪水被害からの復興状況や、ヒツジだけでなく他の動物もさまよっていたのかについてうかがうべく取材を申し入れている。

ちなみに今年6月にはスロバキアで、毒性のあるケシ畑に棲みつき、根こそぎ食べ尽くした白鳥が中毒症状で飛べなくなり、ケシ畑の農家を困らせていた。

画像は『GreekReporter.com 2023年9月21日付「Herd of Sheep Eat 100kg of Cannabis in Greece」(Credit: dew drop157, CC BY 2.0.)』『Sky News 2023年9月26日付「Keep off that grass: Herd of sheep eats 100kg of cannabis in Greece after Storm Daniel floods」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)

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