セリエA第7節が30日に行われ、インテルとサレルニターナが対戦した。

 今季のインテルは開幕から6連勝とロケットスタートを切ったが、27日に行われたホームでのサッスオーロ戦は1-2で落とし、今季初黒星を喫した。今節はここまで3分3敗と未勝利が続くサレルニターナの本拠地に乗り込む。インテルは3日後に控えたチャンピオンズリーグ(CL)の戦いを見据え、ラウタロ・マルティネスやフェデリコ・ディマルコらの主力をベンチからスタートさせた。ハカンチャルノールマルクス・テュラムらが先発に名を連ね、アレクシス・サンチェス、デイヴィ・クラーセン、カルロス・アウグストが今季初スタメンを飾った。

 試合は立ち上がりからインテルが攻め込む展開となる。6分、敵陣中央やや右寄りの位置で得たフリーキックチャルノールが蹴り込むと、ボックス内でテュラムが強引に胸で方向を変える。ボールは枠を捉えたが、ここはGKギジェルモ・オチョアがゴールを許さなかった。直後の7分にはボックス左でボールを持ったアウグストからの折り返しサンチェスダイレクトで狙ったが、シュートはクロスバーを超えている。

 序盤からフルスロットルで攻撃を続けるインテルは10分、左サイドからのロングスローをバレッラ、サンチェスと繋ぎ、最後はデンゼル・ダングリースが右足を振ったが、シュートはクロスバーの上へ。さらに11分には右サイド高い位置でボールを持ったサンチェスが放ったクロスボールから、テュラムがヘディングシュートを狙ったものの、わずかにゴール右へ外れている。

 インテルの時間帯を無失点で凌いだサレルニターナは、時間の経過とともにチャンスの数を増やす。30分には敵陣でのボール奪取から、ペナルティエリア右で前を向いたグリゴリス・カスタノスが左足を振り抜く。シュートはわずかにゴール左へ。43分にはボックス左でスルーパスを引き出したジョバン・カブラルがフィニッシュまで持ち込んだが、シュートはクロスバーを超えている。前半はこのままスコアレスで終了した。

 後半に入るとインテルが動く。54分、チャルノール、クラーセン、サンチェスを下げて、クリスティアン・アスラニ、ヘンリク・ムヒタリアン、そして“エース”のラウタロをピッチへ送り出した。すると62分にそのラウタロが大仕事をやってのける。GKヤン・ゾマーからのロングフィードを最前線で収めると、落としを受けたテュラムが敵陣左のスペースへ持ち運び、左足でグラウンダーのアーリークロスを送る。フリーでペナルティエリアに入ったラウタロがダイレクトで合わせた。飛び出してきたGKオチョアを見てループシュートを沈めている。ラウタロのセリエAで4試合ぶり今季6点目でインテルが先手を取った。

 1点ビハインドとなったサレルニターナは直後の66分、ピッチ中央付近でボールを奪ったところからアグスティン・マルテガニが中央を前進。スルーパスを送ると、抜け出したマテウシュ・ウェンゴフスキが冷静にGKゾマーとの1対1を制した。しかし、ここはオフサイドのため得点は認められず。ウェンゴフスキの今季初ゴールは幻となった。

 インテルは77分にも“エース”が魅せる。右サイドで粘りボールを奪ったダンフリースが中央へ繋ぐと、ラウタロがダイレクトで叩き、バレッラはマイナスへ低い弾道のボールを送る。リターンパスを受けたラウタロがダイレクトで強烈な一撃を叩き込み、インテルが大きな追加点を奪った。

 止まらないインテルは83分、ペナルティエリア手前でバレッラからのパスを受けたテュラムが、巧みなターンから前を向き、ボックス内で倒される。インテルにPKが与えられると、このPKをラウタロがゴール右へ冷静に流し込み、インテルが勝負を決定付けた。ハットトリックを達成したラウタロは89分にもアウグストからの折り返しを左足で沈め、この試合だけで4ゴールを記録している。

 試合はこのままタイムアップを迎えた。ターンオーバーを実施したインテルは、途中出場の“エース”が大暴れ。前節の黒星を引きずることなく白星を飾った。一方のサレルニターナは未勝利が続いている。

 この後、インテル10月3日にCL・グループステージ第2節でベンフィカをホームに迎え、次節のセリエAでは7日にボローニャとホームで対戦する。一方、サレルニターナは8日に敵地でモンツァと対戦する。

【スコア】
サレルニターナ 0-4 インテル

【得点者】
0-1 62分 ラウタロ・マルティネスインテル
0-2 77分 ラウタロ・マルティネスインテル
0-3 85分 ラウタロ・マルティネス(PK/インテル
0-4 89分 ラウタロ・マルティネスインテル

途中出場にもかかわらず4ゴールを叩き込んだラウタロ・マルティネス [写真]=Getty Images