2023年 9月30日(土)、 ダブルダッチ業界初となる高校生の大会『ITADAKI ダブルダッチ甲子園 2023』が開催された。

2021年からスタートした同大会は、アンバサダーにDA PUMPKIMI、そしてシーンのトップランカーであるREG☆STYLEを起用。

REG☆STYLEと共にGUEST SHOWを披露するツネ
©AYATO. / ITADAKI 2023

更にはコメディアンツネや、ハウスジャンルのダンサーKAZANEフリースタイルバスケットボーラーのZiNEZ a.k.a KAMIKAZEなど、「高校生が主役」として輝けるステージを、シーン内外の様々なキャストがサポート。

3つの種目から構成され、それぞれで白熱した戦いを繰り広げた大会の様子を振り返る。

 

SPEED RELAY

団体ごとに競われるこの種目は、駆け足跳びである「スピード」を、3名の跳び手がリレー形式で行うもの。1人目が10秒、2人目 20秒、3人目 30秒とジャンプ時間も変動し、誰がどの順番で跳び、回すのかという戦略性も求められる。

今年から予選と決勝が設けられ、全出場団体から2チームが決勝に進出する。
その決勝に勝ち進んだのは「cont.」(コンティニュー)と「Be Color」

©AYATO. / ITADAKI 2023

そんな接戦を勝ち抜いたのは「cont.」
驚くべきことに、リレー形式でありながらダブルダッチの最小人数である3人でタスキをつないだ彼ら。合計 207回という記録で優勝に輝いた。

 

1 on 1 BATTLE

個人戦である 1 on 1 バトルは、イベントの主役である高校生に加え、未来のITADAKI世代を担う中学生の2部門が用意。

中学生部門は、関東のSHU BOY (J☆MP STEADY FAM) と、関西のSEISHIRO (MIYAKO JUMP ROPE CLUB) の一騎打ち。昨年のITADAKIでも決勝戦で相対したこの2人は、その後も様々なイベントで戦ってきた“因縁”の2人。

©MIZUKI / ITADAKI 2023

激戦を制したのは、SHU BOY
ブレイキンを基調とした技のバリエーションの豊富さと身軽な動きで、ITADAKIとしては初のタイトルを獲得した。

高校生部門では、昨年覇者のTAIYO (MIYAKO JUMP ROPE CLUB) と、中学時代から目覚ましい活躍を見せ、ついに今年からITADAKIのステージに立ったSUZU (D.D.S.)が対決。

©AYATO. / ITADAKI 2023

優勝に輝いたのは、TAIYO。流れるように技を繰り出し、安定感のあるムーブを次々披露。不動の強さを見せ、高校生NO.1プレイヤーの称号を掴み取った。

 

SHOWCASE

大会最注目となるショーケース部門は、全22チームによる戦いに。昨年から出場数は倍近く増加した今回、高校生離れしたスキルの応酬と各ショーの個性で会場を大いに賑わせた。

STEP UP 部門
今大会から新設された「STEP UP 部門」は、メンバーの過半数がダブルダッチ歴1年未満であることが条件。
高校生たちのフレッシュなショーケースの数々が会場を賑わせた。

©AYATO. / ITADAKI 2023

1位になったのは「不可死狂」(松本深志JOKER)。
歌詞に合わせた振り付けと、コメディなストーリー性のある“学生の青春”感あふれる彼らのショーケースで、部門優勝に輝いた。

OPEN 部門
次いでOPEN 部門は、まさに激戦。
他大会で優秀な成績を収めたチームも多数登場するなど、まったく結果の予想がつかない展開に。

©AYATO. / ITADAKI 2023

3位はNo Logic(D.D.S.)。
数々の大会を勝ち上がってきた“猛者”たちだが、ここでもしっかりと入賞を獲得。安定感のあるプロ顔負けの堂々たるショーケースで存在感を示した。

©AYATO. / ITADAKI 2023

2位は「星叶愛」(セノア / 狛江ダブルダッチクラブ)。
昨年優勝チーム「狛夢病愛」のメンバーも在籍しているこのチームは、同じくアイドルテイストのパフォーマンスで参戦。
雰囲気をジャックし、ライブのごとく会場を盛り上げた。

そして今年度、優勝に輝き優勝旗を高らかに掲げたのは「Eifer」(アイファー / 島本ダブルダッチクラブ)!

©AYATO. / ITADAKI 2023

“ただ技を出す”だけでも、“ただ難易度の高いことをする”だけでもなく、メンバーそれぞれの個性が掛け合わされ、またそれぞれの技と技の間にもスムーズな流れを持たせた、細やかな工夫が施されたショーケースだった。

 

この他にも、ご紹介したい選手は数々存在するが、その全ては後日公式から公開されるライブ配信のアーカイブをご覧頂きたい。

“山頂”を目指し繰り広げられた戦い。夢を掴んだ選手も居れば、夢破れた選手もいたことだろう。しかしこの戦いを通して得たものは、次なる別の山への挑戦にも繋がっていくに違いない。
感動を与えてくれた高校生たちに、心からの感謝を届けたい。

 

優勝チーム「Eifer」にインタビュー!!

©MIZUKI / ITADAKI 2023

――まずは優勝おめでとうございます! まずはみんなの今のお気持ちを。

ソーマ
気持ちいいです!」

ミサキ
「最高でした!」

――どのような経緯でEiferは結成されたんでしょうか。

ソーマ
「みんなで高みを目指したい、優勝を狙いたいという思いで結成しました。
クラブの中にも同世代の子はいるのですが、その中でも一際思いの強いメンバーが集まった気がしています」

――この夏、9月上旬に開催された「Double Dutch Delight」という別の大会にも出場していたと思うんだけど、一連の期間の練習を振り返ってどうでしたか。

サナ
Delightは2位で、あと1歩及ばず悔しい思いをしました。それらをITADAKIにぶつけたいという一心でここまで練習してきました」

ヒーナ
「夏を振り返ると、とても大変でした(笑)。1ヶ月にオフは数日で、それ以外はずっと練習。本当にダブルダッチ漬けで、しかも意見のぶつかり合いもあって。
ですが、喧嘩になるくらい意見を思いきり言っても、不思議なことに翌日の練習にはまた楽しくやっているんですよね(笑)」

――みんな“勝ちたい”とか、“良くしたい”という思いを持っているからこその衝突、ということだったんだね。
ずばり、今回のショーケースのこだわった部分がどこだったか教えてほしいです。

ミサキ
「曲と構成です。実は初めて自分で考えたんですよね。もちろんヨウ先生(クラブのコーチ)やコーキくん(同クラブ OB)など、色んな方に相談やアドバイスもいただいて作ったんですが、でも大体は自分でやろうと。
曲選びも“選び方”の段階からはじまって、一から色んな人に話を聞いてもらって進めていきました。
ショーの構成の部分も、このメンバーは個性が濃いはずなのに負け続けてしまっていたから、この個性を活かしてどのようにまとめたら勝てるか、考えていました」

優勝発表後、チームメイトや応援に来た保護者らと抱き合うEifer
©MIZUKI / ITADAKI 2023

――最後に、みんなから感謝を伝えたい人たちへメッセージなどがあればお願いします。

ヨーヘー
「正直、めっちゃしんどい時期はありました。チームメイトや教えてくれる人にもたくさん迷惑をかけてしまったこともあります。
でもみんなで切磋琢磨できて、努力して、やっと優勝できました。本当に嬉しいです。ありがとうございました!」

サナ
「今回のパフォーマンスは『自分たちでやりたいことをやる』のを目標にしていました。やらされてる感覚があるのはやっぱり良くないので。やりたいことをとことんやり切った手応えがあって、それが結果に繋がってよかったです。
チームとしての活動はこれで区切りになると思うのですが、これからもそれぞれ、楽しんでダブルダッチをやっていて欲しいなと思います」

ヒナ
「部活や勉強などは大変でしたが、それを支えてくれた保護者やコーチ、チームメイトに感謝しています」

ヒーナ
「練習場所から家までが結構遠くて、親にも迷惑をたくさんかけてしまったと思います。それでも支えてくれたことにありがとうの思いでいっぱいです。
あと練習に行けずチームメイトにも迷惑をかけてしまいましたが、みんなに支えてもらえることも多くて、このチームで優勝できて本当に良かったと思っています。
私をチームメイトに選んでくれてありがとう」

ミサキ
「今回のショー作りでは初めてのことがたくさんありました。不安もいっぱいあって、その度にコーチや先輩に支えてもらったのですが、それが結果にならず、悔しくて申し訳なくて。
チームメイトにも勝たせてあげられなくて、本当に申し訳ない思いもたくさんしてきました。
だから今回、ITADAKIで優勝できて本当に良かったです。支えてくださった方々、そしてチームメイトのみんな、ありがとうございました」

ソーマ
「一言で言います。みんなを愛しています!」

 

開催概要

「ITADAKI ダブルダッチ甲子園 2023」
日時 : 2023年 9月30日(土)
会場 : 川崎ルフロン
主催 : ITADAKI 実行委員会
共催 : 川崎市 / ISF実行委員会
主管 : 有限会社 OVER THUMPZ
協賛 : ポカリスエット / ヘインズブランズ ジャパン株式会社
協力 : スキルハック / 川崎ルフロン
協力メディア : FINEPLAY

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