林琢真

24日からの直接対決に勝ち越し、4位ジャイアンツに事実上CSを消滅させ、2位の座のみをターゲットに戦い続けているベイスターズ。終盤の変速日程のなか、27日のスワローズ戦で大敗を喫し、いよいよ一つも負けられない状況に追い込まれてしまった。


■ルーキー・林琢真

しかし29日のタイガース戦では2点差を逆転し勝利を飾り、30日の敵地・神宮でのスワローズ戦は2−2の9回にネフタリ・ソトの2ランで粘り勝ちを納めた。

1日のドラゴンズ戦は先発の大貫晋一がわずか2安打、94球で自身初の完封勝利で快勝し、2位のカープに並ぶ貴重な勝ち星を手に入れた。

この3連勝時、トップバッターに起用されたルーキー・林琢真のハツラツさが目を引いた。ヒットこそ1本ながら、打席では持ち味の粘りを発揮した。

タイガース戦では初回、今シーズン5敗を喫している天敵のペースを乱させると、4回の第3打席では同じく8球投げさせてフォアボールで出塁。その後佐野恵太犠牲フライで同点のホームを踏むと、この回一気の逆転につなげた。


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■粘りの姿勢崩さず

30日のスワローズ戦では6回、粘りのピッチングを見せていた今永昇太をファーストランナーに置き、セーフティバントで揺さぶりをかけながらも2球ファールで粘り、最後は併殺崩れのサードゴロながらピッチャーランナーと交代させる最低限の仕事をこなした。

1日は2回の第2打席でもしっかりと粘り、7球目のボテボテの当たりで内野安打をもぎ取るとすぐさま盗塁を決め、大田泰示のヒットで貴重な3点目の得点を挙げた。

5回の1死1−3塁ではセーフティスクイズを試みるなど揺さぶりをかけつつ、最後はバットを折られながらもファーストにゴロを飛ばし、伊藤光をホームに迎えいれることに成功した。


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■三浦監督も高評価

三浦大輔監督も「打つだけじゃなく喰らいついて球数を投げさせたりとか、簡単にアウトにならない努力をしてくれてます」と粘りの姿勢を高評価。

「塁に出ればスチールもそうですけど常に先の塁を目指す、いやらしいものを見せてくれています」と快足を生かしつつ、相手の嫌なところを突いていくスタイルを称えていた。確かにまだ荒削りな部分のまり「課題もありますけど、反面楽しみもあります。いいものを見せてくれていますね」と新戦力の台頭に目を細めた。

昨シーズンは主に桑原将志が務めていたトップバッターの座。しかし今年はその部分がハマらず、好調の牧秀悟宮﨑敏郎の前にランナーを置く理想形が形成できなかったことも多く見られた。

足もあり粘りもある、チームに欠けていたピースをはめる存在に林がなってくれれば、違った得点パターンが作ることが可能となる。接戦が予想されるポストシーズンにこそ、相手の嫌がるプレーヤーが必要だ。


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■執筆者プロフィール

萩原孝弘:1971年生まれ。生まれも育ちも横浜の生粋のハマっ子で、大洋が横浜に移転して以来、一貫してホエールズ〜ベイスターズファン。

23年のオフィシャルイヤーブックもライターとして参加した。あくまでもファン目線で、独自のインタビューコラムや記事を各媒体で執筆中。

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(写真・取材・文/Sirabee 編集部・萩原孝弘

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