松村優太(右)が決勝弾を決めた日本。一方、接戦に敗れた北朝鮮はジャッジへのフラストレーションが爆発し……。(C)Getty Images

 信じられない暴挙だった。

 中国・杭州で熱戦が続く「アジア大会」。10月1日には男子サッカー準々決勝が行なわれ、日本代表が北朝鮮代表と対戦。ベスト4の切符を懸けた激闘は前者が2-1で勝利し、準決勝進出を決めた。

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 波紋を呼んでいるのは、北朝鮮側の看過できない行動だ。

 試合中から“ラフプレー”が悪目立ちしていた。72分には、プレーが途切れたタイミングで飲料水の入ったクーラーボックスを持ってきた日本のスタッフから、北朝鮮のキム・ユソンが水を半ば強引に奪う。これに同スタッフが驚き、戸惑った対応を見せると、左の拳を突き上げ、叩くような素振りを見せたのだ。これを眼前で目にしていた主審からはイエローカードが提示される事態となった。

 そして、何よりも大きな騒動となっているのは、試合後の振る舞いだ。日本が勝利の余韻に浸るなかで、北朝鮮の選手たちは審判団に詰め寄り、ジャッジへの不満を爆発。数人の選手たちが突き飛ばそうと手を出したため、慌てて大会スタッフが制止。前代未聞の騒ぎとなったのである。

 試合ではイエローカード6枚を受けたものの、粘りを見せていた北朝鮮だけに、なんとも後味の悪い結末である。無論、彼らが見せた一連の問題行動はSNSなどを通じてあっという間に拡散。各国メディアでも問題視されている。

 韓国の日刊紙『朝鮮日報』は、「拳上げて日本のスタッフ脅し、審判を押しのける……。北朝鮮の選手たちは醜態をさらした」と銘打った辛辣な批判記事を展開。試合を通したラフプレーや問題視される振る舞いについて「目立って荒れていた」と振り返った同紙は「試合が終わった後も彼らは卑劣なシーンを見せてしまった」と指摘。さらに「日本のスタッフを拳で脅すなどありえない」と断じた。

 そして同紙は試合後に「公正でなければ、サッカーへの侮辱だ」と語った北朝鮮を率いるシン・ソンナム監督のコメントを切り取り、「彼らはあくまで敗北を審判のせいにした」と強調。北朝鮮の選手たちが取った行動を厳しく批判した。

 アジアのスポーツ祭典で起きた蛮行。その余波はいまだ収まる気配がない。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

「醜態をさらした」北朝鮮サッカー代表の”蛮行”に批判広まる! 韓国紙は「日本のスタッフを脅すなどありえない」と嘆き