フランスエリート校に入学した男子学生が、新入生パーティで生きたネズミを口に入れてかみ殺した動画がSNSに出回り、衝撃を与えている。この動画を見つけた動物保護団体は男子学生を刑事告発したが、同団体の弁護士によると、新入生パーティでの残虐行為は珍しいことではないという。ベルギーのニュースサイト『7sur7.be』などが報じた。

フランスの動物保護団体「30 Millions d’Amis」によると、この残酷行為は9月8日フランスマルセイユにあるティエール高校の学生によって引き起こされた。

同高校は、フランスで大学よりも格上だと位置づけられる「グランゼコール」に入るための準備コースを提供しており、今回の事件は同コースの学生らが参加した新入生パーティで発生した。

この準備コースには、高校を優秀な成績で卒業し書類審査を通過した者だけしか入学ができないため、猛勉強してきた学生が少なくない。一般の大学と異なり、グランゼコールは政治家や大企業の役員といった高度な専門知識が必要な分野において、卒業後に即戦力となるような人材を育てる教育機関だ。エマニュエル・マクロン仏大統領もグランゼコール出身であり、そのようなエリートの卵を養成する学校で起きた事件であった故に、人々に衝撃を与えた。

「30 Millions d’Amis」によれば、男子学生が引き起こした行動は「ネズミを口に入れる」というパーティでの悪ふざけだったという。理由は明らかにされていないが、ネズミはパーティに参加していた女子学生が用意したものだったそうだ。

男子学生がネズミを噛み殺したため、クラスメートらは驚いたという。また現場の目撃者の話によると、ネズミは生きたまま男子学生の口の中に入れられたとのことだ。

「30 Millions d’Amis」では、パーティでの残虐行為の動画を見た後、動物の死につながる虐待として男子学生を刑事告発した。

同団体のリハ・ユタン会長(Reha Hutin)は「このような動物虐待の動画は、苦しみというものを“矮小化”しています。それは決して容認できるものではなく、断固として反対しなければならず、『30 Millions d’Amis』はその役目を負っています。生きている繊細な生き物に冗談は決して通用しません」と、今回の事件に怒りの声をあげている。

またマルセイユ教育管理委員会は、この事件を「ショッキングな出来事」としながらも、「学校外での飲酒の席で起きた」ことであり、委員会には責任がないことを強調した。

一方でティエール高校では、今回の事件についてのコメントを避けている。

フランスのニュース専門局『BFM TV』によると、今回の事件が有罪判決となれば男子学生には5年の禁固刑と7万5000ユーロ(約1180万円)の罰金が科せられるという。

なお「30 Millions d’Amis」の弁護士によれば、このような新入生パーティでのハメを外した行為は珍しいことではなく、過去には猫を壁に投げつけたり、猫をサッカーボールとして遊んだりするという残虐行為もあったそうだ。またSNSによって拡散されることで、このような非道な行為が蔓延しているという。

今回のニュースを見た人々からは、「想像を絶する嫌悪感。将来のエリートを養成する学校で、こんなことが起こっているなんて!」、「新人への“洗礼”の一種だったのだろうか?」といったコメントがあがっている。

テックインサイト編集部では、「30 Millions d’Amis」に今回の事件が人々に与える影響や、社会全体での動物の扱いについての意識の変化をどのように感じているのかについて話をうかがうべく取材を申し入れている。

画像2枚目は『Fondation 30 Millions d’Amis 2023年9月18日付「Il mâche une souris vivante lors d’une soirée étudiante」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 H.R.)

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