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アルファのV6ツインターボが延命へ

アルファ・ロメオの最高経営責任者(CEO)、ジャンフィリップインパラート氏は、「ユーロ7」と呼ばれる欧州の次期排気ガス規制が施行される2025年7月以降も、V型6気筒ガソリン・ツインターボエンジンを継続させる意向であることを認めた。

【画像】アルファ・ロメオのV6エンジン 最新33とジュリア、ステルヴィオ マセラティMC20も 全113枚

最近の公演で、彼はツインターボエンジンを将来的にも利用する計画へ触れていた。しかし、それが具体的にどのユニットなのかについては言及を避けていた。

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アルファ・ロメオジュリア GTAm(欧州仕様)

だが今回、フェラーリの基本設計を由来とするエンジンが、将来的にも利用されるのかという質問に対し、次のように回答している。「答えはイエスです。今年示される、ユーロ7の新提案へ期待しています。(妥協案は、)興味深いものになるでしょう」

アルファ・ロメオが先日発表したスーパーカー、33ストラダーレには、3.0L V6エンジンが搭載されている。これは、同社のジュリア・クアドリフォリオやステルヴィオ・クアドリフォリオが搭載する2.9Lをボアアップし、パワーアップさせたユニットだ。

いずれも、マセラティMC20がミドシップする3.0L V6ネットウーノ・ユニットと深い関係性がある。そしてこれは、フェラーリが開発したV8エンジンと関わりが深い。

ラインナップ見直しへ迫られる企業 反発する声も

条件が厳しいユーロ7の施行を前に、複数の自動車メーカーが既存モデルの廃止を決断している。適合させるための開発コストの大きさが、その理由となっている。

例えば、フォルクスワーゲンはポロの生産終了を決めた。ひと回り大きいゴルフでは、マニュアル・トランスミッションが選択できなくなる可能性も示唆されている。利益率などが厳しかったフォード・フィエスタは、既に2023年7月に生産が終了した。

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アルファ・ロメオ33ストラダーレ(欧州仕様)

これ以外にも、多くの自動車メーカーがモデルラインナップの見直しへ迫られている。だが、ユーロ7に対しては反発する声も少なくなかった。

プジョーフィアットを傘下に収めるステランティス・グループのカルロス・タバレスCEOは、小型車の価格上昇の可能性を主張していた。またルノーのルカ・デ・メオCEOも、完全な電動化へのシフトを妨げる可能性があると示唆していた。

フランスイタリアなど、EUに属する8か国も、自動車メーカーを養護する立場を取っている。EUでは2035年から新しい内燃エンジンモデルの販売が禁止される予定にあり、充分な圧力下へさらされていることが、その理由になっている。

果たして、ユーロ7の規制はどのレベルへ帰着するのだろうか。


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