ガラタサライに所属しているコートジボワール代表FWウィルフレッド・ザハが、古巣であるマンチェスター・ユナイテッドとの一戦を前に意気込みを語った。イギリスメディア『スカイスポーツ』が10月2日に同選手のコメントを伝えた。

 今夏の移籍市場でクリスタル・パレスを退団したザハは、フリートランスファーでスュペル・リグトルコ1部)王者のガラタサライに加入した。今季は負傷にも苦しめられながら、ここまで公式戦6試合に出場。9月30日に行われた第7節アンカラギュジュ戦では新天地での初ゴールを挙げていた。

 ザハの所属しているガラタサライチャンピオンズリーグ(CL)でグループHに入っており、10月3日には第2節でマンチェスター・ユナイテッドと対戦する。マンチェスター・ユナイテッドはザハにとって“忘れられない”クラブだろう。クリスタル・パレスで新進気鋭のウインガーとして注目を集めていたザハは、2013年1月にマンチェスター・ユナイテッドへ完全移籍加入。半年間はレンタル移籍という形でクリスタル・パレスに残留し、同年夏に晴れてマンチェスター・ユナイテッドの一員となった。

 だが、ザハのマンチェスター・ユナイテッドでの日々は成功とはかけ離れたものだった。ザハが加入した2013-14シーズンを前に“伝説”の指揮官であるアレックス・ファーガソン監督の退任が決定。バトンを引き継いだ当時のデイヴィッド・モイーズ監督(現:ウェストハム)からの信頼を掴むことができず、シーズン途中の2014年1月にカーディフ・シティへレンタル移籍。翌年夏にはクリスタル・パレスレンタル移籍に出て、その後完全移籍へ以降した。最終的にマンチェスター・ユナイテッドでは、公式戦わずか4試合の出場にとどまっていた。

 もちろん、クリスタル・パレス時代にもマンチェスター・ユナイテッドの本拠地『オールド・トラフォード』のピッチに足を踏み入れたことはあったが、ザハは個人として今季が初のCL出場のため、欧州の舞台で古巣と戦うのは今回が初だ。「マンチェスター・ユナイテッドは、僕が以前在籍していたチームだね。もうだいぶ時間が経ってしまったが、僕は昔そこでプレーしていたんだよ」と切り出したザハは「10年前の話で、今や僕は30歳だ」と続け、ガラタサライの選手として古巣戦に向けた意気込みを語った。

「今はかつての僕と比べて、自分のプレーが成熟したと感じている。今や僕はガラタサライというビッグクラブにいるのだからね。監督、そして才能溢れる選手や経験豊かな選手たちが数多く在籍しているチームで、彼らの助けもあり、僕らはこの舞台への準備が整っていると感じられている」

「彼らが素晴らしいチームであることに疑いの余地はない。だが、同時に僕らには相手を苦しめることのできる選手もいる。だから個人的には試合が楽しみだよ」

 また、現在のマンチェスター・ユナイテッドが気になるかどうかを聞かれたザハは「正直に言うよ。僕の顔を見た時、気にしていると思ったかい?もちろん答えはノーだ」と回答。「本音で僕の心境を明かすと、マンチェスター・ユナイテッドでの経験の後、僕はある段階を乗り越えたと思う。再び立ち上がるのか、それとも死に絶えるのかという段階をね。僕個人としては、もちろんあのまま終わるつもりはなかった」と続けると、以下のようにマンチェスター・ユナイテッド退団直後の強い決意を振り返った。

「キャリアを積んでいくことで、自分の人格が形成される。というのも、どこかに行ってうまくいかなかったことが原因で、僕は自分のキャリアを途絶えさせたくないと決心していた。僕はただ、自分が到達したいところに到達しようと決意し、今現在ここにいるんだ」

今季よりガラタサライでプレーしているザハ [写真]=Getty Images