一般的に「高速道路」と呼ばれる道路は沢山ありますがその中で名称に〇〇高速道路とついているのは4路線しかありません。一体なにが違うのでしょうか。

名神高速開通当時の話にさかのぼる

高速道路には「東名高速道路」のように〇〇高速道路とついている道路と、「中央自動車道」のように〇〇自動車道とつく道路があります。「高速道路」と名称がついている道路と、それ以外の道路に違いはあるのでしょうか。

日本では一般的に「高速道路」と呼ばれる道路が数多くありますが、実は高速道路と名前のついているのは「東名高速道路」「名神高速道路」「新東名高速道路」「新名神高速道路」の4路線しかありません。

このなかで、日本初の高速道路となった名神高速の西側を管理するNEXCO西日本によると、名神・新名神高速道路の“高速道路”と、○○自動車道の“自動車道”は、どちらも同じ「高規格幹線道路」のこと指すそうです。また、名神高速道路は正式名称ではなく、正確には「高速自動車国道 中央自動車道西宮線」、東名高速は「高速自動車国道 第一東海自動車道」とされています。

ただし、法令上の「高速自動車国道」は、この4路線以外も該当しますが、「〇〇自動車道」と通称されます。なぜ4つの路線だけが「高速道路」と呼ばれるのか、それは1965(昭和40)年に名神高速道路、1969(昭和44)年に東名高速道路がそれぞれ全線開通した頃にさかのぼります。

NEXCO西日本は両路線について、「日本で最初の高速道路として、また経済発展を担う重要路線として、各方面から注目されてきました。その中で『東名高速』『名神高速』という通称が広く使用され、一般的に定着したため、一般に最も受け入れやすい道路名称として例外的に採用」されたとしています。

一方で、現在の中央道は当初「中央高速道路」を名乗っていたものの、全線開通後に「中央自動車道」へ変更されています。これは、速度超過による事故が多発していたため“高速”の文字を取ったのだとされています。以後、開通した高速道路には主に「〇〇自動車道」の愛称が用いられましたが、新名神新東名の2路線は、既存の東名・名神の混雑を緩和し、快適性や走行性に優れた21世紀の「新しい高速道路」となることから、高速道路という名称が再び使われました。

海老名PA付近の東名高速道路(乗り物ニュース編集部撮影)。