北朝鮮の行為に困惑したような表情を浮かべた日本の選手たち。(C)Getty Images

 国際舞台においては前代未聞だった。中国・杭州で開催され、連日のように熱戦が続くアジア大会。物議を醸し続けているのは、男子サッカー準々決勝で起きた日本戦での前代未聞の“蛮行”だ。

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 試合は日本の辛勝だった。1-1の同点で迎えた79分に相手GKのファウルによって得たPKを松村優太が決め、なんとか接戦を制してベスト4進出を決めていた。そんなサムライたちが勝利の余韻に浸る刹那、目を疑いたくなるような光景が広がった。試合終了を告げるホイッスルが鳴った直後、レフェリングに不満を抱いた北朝鮮の選手たちが審判団を取り囲むように詰め寄ったのだ。

 何かが懸かっていたのだろうか。文字通り鬼気迫る表情で審判団に肉薄した北朝鮮の選手たちはヒートアップ。数人がルスタム・ルトフリン主審に手を上げようとしたため、介入した大会スタッフが制止。最終的にコーチ陣が選手たちをなだめたが、大きな暴力騒動に発展しかねない異様な空気が漂った。

 6枚の警告を受けた試合中の悪質なプレーを見ても、北朝鮮の選手たちの振る舞いは看過できるものではない。ゆえに一連の問題がSNSなどを通じて拡散されると、海外メディアも批判を展開する事態となっている。

 とりわけ厳しい論調が続いているのが韓国メディアだ。現地10月2日には、日刊紙『ソウル経済』が「審判や日本の選手たちに拳の脅威を見せた北朝鮮の選手たちによる『史上最悪のマナー』」と銘打った記事を掲載。国内のSNSで寄せられたコメントを切り取り、「彼らはサッカーの実力も、マナーも、水準以下だ」「本当に非紳士的だ」と厳しく断じている。

北朝鮮のマナーは大きな問題となっている。試合が中断された際に、自分たちの選手に水を運んできた日本のスタッフから水を奪い取り、殴るような素振りを見せた選手もいれば、試合に負けた直後に主審に猛然と駆け寄り、身体を押し付けて激しく抗議した選手もいた。彼らの行動は『歴史的なマナーの悪さ』だ」

 試合後の会見で「サッカーの試合には対立はつきもの。私たちの行動は許容されるものだと思う」と語ったシン・ソンナム監督を含め、後味の悪さが際立った北朝鮮。彼らが起こした余波は収まりそうにない。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

「史上最悪」北朝鮮の暴挙に韓国紙が怒りの猛反発! 異様な状況に嘆きの声「実力も、マナーも、水準以下だ」【アジア大会】