カナダの遊園地で9月23日、稼働中だった絶叫マシンが一時停止し、乗客が約30分間も逆さまの状態になる事故が発生した。乗客らは足の感覚がなくなり、嘔吐したり胸の痛みを訴えたりしており、救助後に園内の救護センターで処置を受けることになった。当時、この絶叫マシンに乗っていた乗客は「もう怖くて乗れない」とトラウマになってしまったと話している。カナダのニュースメディア『Global News』などが詳細を伝えた。

事故が発生したのは、カナダのオンタリオ州ヴォーンにある遊園地「カナダズ・ワンダーランド(Canada’s Wonderland)」の絶叫マシン「ランバージャック(Lumberjack)」だ。この乗り物は、斧を模した2本のアームの先端に座席が取り付けられており、2本のアームが軸を中心に大きくスイングし、最終的には360度回転するスリル満点のアトラクションだ。

しかし先月23日午後10時40分、多くの乗客を乗せていたランバージャックが、稼働中に突然停止した。そして不運なことに、乗客たちの頭が地面を向いた逆さまの状態で急停止してしまったのだ。

当時の様子を捉えた動画には、アームが垂直になったまま停止し、アームの先端の座席にいた乗客らが、逆さまになったまま身動きが取れない光景が映っている。動画の撮影者も、「嘘でしょう!」と驚きを隠せない様子だった。

事態を受けて、メンテナンスチームが現場に駆けつけ、午後11時5分に乗客らは地上へに降りることができた。しかし約30分間、高さ75フィート(約22.9メートル)の場所で逆さまになっていたことで、「足の感覚がなくなってしまった」と訴える乗客がいたと報道されている。

このアトラクションに乗車していたスペンサー・パークハウス君(Spencer Parkhouse、11)と姉のマッケンジー・パークハウスさん(Mackenzie Parkhouse、15)は、停止した当初、通常の動きの一環かと思っていたという。しかし地上に救急車などが集まり始め、ただ事ではないと気付いた。

スペンサー君は、「いつ落ちてしまうのか、本当に落ちてしまうのかと不安だった」と当時の心境を明かしている。また救助を待っている間には、パニックになった乗客が嘔吐している姿を目撃したそうだ。

メンテナンスチームが修理を完了してからも、アトラクションは残りの動きを終えてからでないと停止することができなかったという。スペンサー君は今回、初めて絶叫マシンに乗った記念すべき日だったが、「乗り物が最後まで動き続けていた時は、みんなが『嫌だよ、お願い。また逆さまの状態になんてなりたくない』と願っていた」と振り返っており、大きなトラウマになってしまったようだ。

マッケンジーさんによると、ようやくアトラクションの動きが終了して降車すると、待機していたスタッフが、ケガをした人や体調不良を訴える人がいないかを確認していたという。マッケンジーさんは「次にここへ来たら、こうした大きな乗り物に乗れるかどうか考えたけれど、今は怖くて乗れないですね」と話している。

カナダズ・ワンダーランドによると、乗客のうち2人が胸の痛みを訴え、園内の救護センターで処置を受けたとのことだ。病院に運ばれることはなく、処置を終えて再び園内に戻ったという。「お客様の安全は、常に最優先事項です」と同遊園地はコメントしているが、事故の原因については明かされていない。

テックインサイト編集部では、カナダズ・ワンダーランドに事故の原因は判明したか、事故に遭った人たちへのケアや補償について、事故を受けて新たな安全対策を講じているのかなどの話をうかがうべく取材を申し入れている。

ちなみにブラジルでは先日、遊園地の回転ブランコに乗っていた女性が椅子ごと放り出され、地面に激突する瞬間を捉えた映像がネット上にシェアされ、人々を恐怖に陥れていた。

画像は『CBC.ca 2023年9月26日付「‘Are we ever going to drop down?’: Guests describe being stuck on ride at Canada’s Wonderland」(Canada’s Wonderland)(CBC)』『New York Post 2023年9月25日付「Ride passengers left upside down for 30 minutes after theme park malfunction」(TikTok/@Jiashira)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)

海外セレブ・芸能のオンリーワンニュースならテックインサイト