現地時間2023年10月1日の夜、ビヨンセの記録的な【ルネッサンス・ワールド・ツアー】が米カンザスシティで閉幕した。現地で最終公演に参加していたカーディ・Bが、一連のインスタグラム・ストーリーズの投稿で、自身のライブ体験を記録した。

 カーディの投稿は、プライベート・ジェット機内で撮影された動画から始まり、“And we out”(さあ出発)とキャプションが添えられている。ミズーリ州に向かった彼女は、次にアローヘッド・スタジアムに向かう自動車内の映像をアップロードした。ここで彼女は、大人気の”ミュート・チャレンジ"を見越して、BEAMをフィーチャーした『ルネッサンス』の楽曲「Energy」に合わせて歌っている。(このチャレンジは、ビヨンセがこの楽曲の”Look around/Everybody on mute”という歌詞を歌った時に、どのスタジアムが実際に完全に静寂を保てるかを競うものだ。)コンサート中に撮影された映像では、カーディが興奮気味にチャレンジに参加し、長い沈黙の間に悲鳴を上げずにはいられなかった何人かの観客を咎めるように横目で視線を投げかけている。

 カーディは「Energy」に加え、コンサートのオープニング曲であり、今年20周年を迎える彼女のソロ・デビュー・スタジオ・アルバムのタイトル曲でもある「Dangerously in Love」を披露するビヨンセの動画も投稿した。この動画でカーディはずっと“ヤァース、ビッチ!”と叫んでいる。また、今年初めにケンドリック・ラマーとのリミックスがリリースされ、米ビルボード・ソング・チャート“Hot 100”で最高38位を記録した「America Has a Problem」をリラックスしながら一緒に歌っている動画も投稿している。ラマーは9月4日ロサンゼルスで行われたビヨンセバースデー・ライブにサプライズで登場した。

 ビヨンセがアルバムのジャケットに描かれているディスコホースの実物大バージョン(ファンからはルネッサンスと馬のいななきをかけたReneighの愛称で親しまれている)に乗って「Summer Renaissance」を歌いながら観客の上を飛ぶ様子を捉えた映像に、カーディは“これはコンサートじゃない......体験だ”と書いている。世界中の何百万人もの人々を感動させたツアーのフィナーレを飾るにふさわしい言葉だ。

 【ルネッサンス・ワールド・ツアー】は、米ビルボード・アルバム・チャート“Billboard 200”で首位を獲得したビヨンセの7thソロ・スタジオ・アルバムを携えて行われた。ブラックでクィアな人々と、ダンス・ミュージックの樹立への彼らの貢献に贈るラブレターであるこのアルバムは、4つの【グラミー賞】を受賞し、「Break My Soul」(1位)と「Cuff It」(6位)という2曲の全米TOP10ヒットを生んだ。先週米ビルボードが伝えたところによると、まだ未報告の10公演を残した時点でこのツアーの世界的な売上は5億ドル(約750億円)の大台を超え、5億6,000万ドル(840億円)近くになりそうだという。この数字が出れば、このツアーはツアー・チャート”Billboard Boxscore”史上最高の売上を記録した10大ツアーのひとつとなり、ビヨンセは唯一の女性アーティスト、唯一のブラック・アーティスト、そして唯一の米国人ソロ・アーティストとしてチャート史にその名を残すことになる。

 最終公演の最後にビヨンセは、『ルネッサンス:ア・フィルム』というタイトルのコンサート・ドキュメンタリー映画を12月1日に公開すると発表した。

カーディ・B、ビヨンセの【ルネッサンス・ワールド・ツアー】最終公演に観客として参戦